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JAPANESE F3 Rd.14&15&16
開催日
2011年9月24日-25日
開催場所
スポーツランドSUGO (宮城県)
天候/路面
第14戦 : 晴れ/ドライ
第15戦 : 晴れ/ドライ
第16戦 : 晴れ/ドライ
決勝周回数
第14戦 : 18周
第15戦 : 25周
第16戦 : 25周
(1周 = 3.704km)
参加台数
14台
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台風の影響によって中止になってしまった、鈴鹿ラウンドから3週間。全日本F3選手権の最終ラウンドが杜の都、スポーツランドSUGOで開催された。タイトル争いに決着をつける戦いは、今季2回目の3連戦だ。

金曜日に行われた練習走行は、午前中のセッション1は関口雄飛選手がトップ。午後からのセッション2では大幅にタイムが短縮され、山内英輝選手が1分15秒259でトップにつけ、関口選手は15秒392で2番手に。このふたりはコンスタント15秒台をマークしたのに対し、ポイントリーダーの安田裕信選手は16秒をようやく切る、15秒947を出すに留まり、明らかに苦戦の様子がうかがえた。

土曜日の午前中に行われた予選は、まさに秋晴れというに相応しい絶好のコンディションとなっていた。
Nクラス勢のほとんどが開始と同時にコースインしていったのに対し、Cクラス勢はやや間隔を空けてコースイン。しかしながら、7分経過したところで蒲生尚弥選手、三浦和樹選手がそれぞれコースアウトし、赤旗が出されてしまう。
10分間の中断の後、残り3分間で再開されて山内選手が15秒300でトップに。第14戦のポールポジションを獲得し、これに安田選手が続いた一方で、関口選手が「ほんの数秒足りなくて」アタックをかけることを許されず、Cクラスの最下位、総合11番手に甘んじてしまう。

だが、続いて行われた第15戦の予選では関口選手が、14秒954をマークしてポールポジションを獲得。見事雪辱を果たすこととなった。これに続いたのは山内選手で、3番手には安田選手がつけることとなった。
Nクラスでは第14戦で千代勝正選手がトップを奪い、総合でも4番手に。2番手には野尻智紀選手、そして3番手を中山雄一選手が獲得。そして第15戦では野尻選手がトップで、中山選手、千代選手の順で続くこととなった。

土曜日の午後には、まず第14戦の決勝が。このレースのベストラップが第16戦のスターティンググリッドを決めるとあって、中にはあえて新品タイヤを装着する選手も。
スタートを誰よりも鋭く決めたのは、予選3番手のリチャード・ブラッドレー選手で、まずは安田選手をパス。山内選手はしっかりガードを固めて逆転を許さず、1コーナーをクリアしてからはブラッドレー選手を引き離していった。

オープニングラップを終了した段階で、Cクラス上位それぞれ単独での走行になる中、Nクラスは大接戦。スタートに出遅れた野尻選手を尻目に、千代選手と中山選手が激しくトップを争い合う。また、その後方に早くも2周目に近づいてきたのが関口選手。6列目からのスタートながら、総合でも7番手まで追い上げてきたのだ。3周目にはまず中山選手が抜かれ、そのことによって千代選手が差を広げることともなった。

関口選手は4周目には千代選手も抜き、その勢いで5周目にはマシュー・ホーソン選手もかわしてクラス4番手に。そればかりか、7周目にはファステストラップ、55秒225さえ出してしまう。
一方、8周目にはホーソン選手に黒旗が。スタート違反に対し、ドライビングスルーを命じられる。ピットに戻る際に千代選手の行く手を阻んだ格好になり、ここで中山選手が差を縮めることに。  だが、中山選手の抵抗はそこまでだった。その後、何事もなかったかのように千代選手は再び差を広げていったからだ。
逆にCクラスには終盤になって異変が。2番手を走行していたブラッドレー選手が、14周目のHPコーナーでコースアウト。これにより安田選手が2番手に、関口選手が3番手に浮上する。

そんな後方のハプニングなどおかまいなしに、山内選手は逃げ続けて今季3勝目をマーク。しかし、安田選手と関口選手が続いてゴールしたことによって、皮肉なことにチャンピオン獲得の権利は失ってしまった。
Nクラスでは千代選手が中山選手を振り切って、今季4勝目をマーク。3位にはギャリー・トンプソン選手がつけ、野尻選手は4位に甘んじた。

日曜日のSUGOは、引き続き秋晴れの好天に恵まれた。最初のスケジュールとして組まれたのは第15戦の決勝レース。ここではポールシッターの関口選手が好スタートを切って、トップで1コーナーをクリアしていくが、その後ろではアクシデントが相次ぐ。
1コーナーでひとつ順位を上げた安田選手ながら、2コーナーでリヤをヒットされて痛恨のコースアウト。さらにNクラスでも中山選手が鋭いダッシュを決めるも、2コーナーでホーソン選手のリヤタイヤに乗り上げ、それを避けようとした野尻選手がアウトにはみ出してしまう。
そのため、順位が大変動。早々と独走態勢に持ち込んだ関口選手に山内選手が続き、3番手にはブラッドレー選手、そして4番手には最後列から蒲生選手が上がってきた。その後ろではNクラスのトップに躍り出た佐々木選手が、千代選手と競い合いながら周回。そして野尻選手は7番手に、中山選手はピットでの修復を強いられたばかりか、足回りのダメージは大きく、3周目にリタイアを喫してしまう。

その後しばらくは野尻選手が追い上げてくる以外はレースがいったん落ち着くも、折り返しを迎える頃に再び変動が。Nクラスの3番手を走っていたトンプソン選手が、13周目のコースアウトによってリタイア。そして14周目には野尻選手が、三浦選手をかわして3番手に浮上。さらにスタート直後の接触に対し、山内選手にドライビングスルーペナルティが科せられ、15周目にピットインして4番手に落ちてしまう。
また、ブラッドレー選手と蒲生選手によるチームメイト同士の2番手争いがさらに激化。20周目の最終コーナー立ち上がりで蒲生選手が前に出たものの、ストレートで並走したブラッドレー選手は1コーナーでしっかりインを抑えて逆転を許さず。
Nクラスでも、佐々木選手と千代選手のチームメイト同士のトップ争いが最後まで続いたが、千代選手に逆転の機会は与えられなかった。

逃げ切った関口選手は、これで5勝目をマーク。安田選手が5位に甘んじたこともあって、差を6ポイントにまで詰めることに。また、Nクラスでは佐々木選手が初優勝。千代選手、野尻選手の順で続いたことから、野尻選手は依然トップながら、千代選手が8ポイント差にまで迫ってきた。逆に中山選手は千代選手に並ばれている。

第15戦が終わってから約3時間。興奮もまだ醒めやらぬ中、第16戦のスタート進行が開始される。マシンにダメージを負ったホーソン選手、中山選手ともにメカニックの修復により、マシンはグリッドに並べられた。その一方で、スターターにトラブルを抱えたトンプソン選手が、ピットロード閉鎖に間に合わず、ピットスタートを強いられる羽目に。
第14戦でファステストラップをマークした関口選手をポールに、山内選手、蒲生選手、そして安田選手の順で続くことに。このままの順位では関口選手に逆転されてしまうだけに、安田選手はスタートで上がっていきたいところ。
一方、Nクラスでは佐々木選手がトップで、ホーソン選手を間に挟んで、野尻選手、トンプソン選手、千代選手が続き、中山選手は6番手に。

今回も関口選手がスタートを決めてトップで1コーナーに飛び込み、これに続いたのは蒲生選手。安田選手は山内選手に続く4番手と、タイトル獲得に黄信号が灯る。
逆にNクラスは佐々木選手がスタートダッシュは良かったものの、ホーソン選手のペースが悪く、前がつかえたところで2コーナーのアウトから千代選手にかわされてしまう。その結果、3コーナーをクリアした時には千代選手、佐々木選手、野尻選手、そして中山選手という順に。そして、2周目には野尻選手が中山選手に抜かれ、こちらも黄信号が……。

そのまま逃げるかと思われた関口選手ながら、5周目を過ぎると時に蒲生選手のペースが上回るようになり、コンマ差でのトップ争いを繰り広げるように。また10周目を過ぎたあたりから、山内選手に安田選手が迫っていく。ふたつのバトルは最後まで続いたものの、それぞれ逆転するまでの決め手を欠き、そのままの順位でゴール。
その結果、関口選手は1ポイント差ながら安田選手を上回って、Cクラスのチャンピオンを獲得。また、Nクラスでは千代選手が野尻選手と同ポイントで並び、さらに優勝回数で優ったことから逆転でチャンピオンを獲得することになった。
 
Driver's Voice
関口雄飛 選手
 【今回の成績 : Cクラス 第14戦 3位/第15戦 優勝/第16戦 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
今回、予選の1回目こそタイミングが悪くて失敗しましたけど、それでも第14戦で3位まで上がれてファステストラップまで取れたから、日曜日のレースは気持ちよく戦えるな、とは思っていました。
第15戦ではスタートが決まったので、落ち着いてレースできて勝つことができたから、可能性もグッと広がって。2連勝しかチャンスがないけど、またポールからスタートできるし、気持ちが乗ってきたから、絶対にチャンピオンを獲るつもりで最終戦に挑みました。僕はまたスタートを決めて、逆に安田選手はポジションを上げられなかったというのを無線で聞いたので、正直『4位でゴールしてくれ』って祈りながら走っていました(笑)。
今週のレースは自分の中ではすべてパーフェクトで、15ポイント差を覆したのは、我ながらすごいと思っています。B-MAXさんがチャンスをくれたから、この場にもいられるので、本当に感謝しています。
 
山内英輝 選手
 【今回の成績 : Cクラス 第14戦 優勝/第15戦 4位/第16戦 3位】
チャンピオンを獲るには3連勝しかなかったんですが、まさか優勝した最初のレースで権利を失うとは……。今までの僕の結果が悪かったので、それは仕方ないです。
第14戦はスタートも決まって、すぐに後ろを離せたので、間合いを見つつ走っていました。気持ちのコントロールもしっかりできたので、いいレースだったと思います。あとの2戦は正直言って苦しいレースになってしまいました。どうにもならなかったというか……。絶えずプッシュできたことだけが収穫でしたね。
 
千代勝正 選手
 【今回の成績 : Nクラス 第14戦 優勝/第15戦 2位/第16戦 優勝 (シリーズチャンピオン確定)】
実は金曜日の(練習走行)走り始めにクルマを傷めてしまい、チームにはすごく迷惑をかけてしまっているんです。そんなところから始まっているので、最初はどうなることかと思ったんですが、第14戦はポール、第15戦は2番手で、決勝も第14戦はスタートも決まってトップを守ることができました。
ただ、Cクラスのクルマに引っかかってファステストラップが獲れなかったのだけが残念で。第15戦もスタートは決まったんですが、目の前でクラッシュがあって引いたところをチームメイト(佐々木大樹選手)に抜かれてしまって。プッシュは最後までし続けましたが、どうしても抜けないコースですからね。
それで2位に留まりましたが、自分を信じて最終戦に挑みました。4番手でしたけれど、まずトンプソン選手がピットスタートになって、ひとつ順位が上がり、また僕もスタートは決まって。まず中山選手を抜いて、2コーナーでは佐々木選手に並び、アウトから行った分、加速も良かったんですね。それでトップに立つことができました。
野尻選手が4位でも僕はファステスト獲れないと逆転できないから、前のCクラスに離れてアタックしたら、うまくいきました。この3年間の集大成になりましたね!
 
佐々木大樹 選手
 【今回の成績 : Nクラス 第14戦 5位/第15戦 優勝/第16戦 2位】
第15戦のスタートは決して良くなかったんですが、1コーナーでクラッシュがあって、僕はポジション取りが良かったので、そのまま1位に上がることができて。自分を信じて走れば、そのままトップをキープできると信じていましたが、本当に勝てて良かったです。初優勝できて、やっとチームに恩返しができました。
最終戦にはチームメイトでもある千代さんのチャンピオンもかかっていましたけれど、正直言って2連勝したかったから、ほとんど意識せず……。ポールからいいスタートは切れたのですが、前のクルマのペースが遅くて車速を乗せられないところを、千代さんにアウトから行かれて。それでレースが決まりましたね。
今年いちばんのレースウィークにはなったと思いますが、それでも2連勝したかったですね。
 
FEATURED DRIVER
「日産やチームの皆さん、それといろんな人に支えられて僕はレースができていて、今ここにいるのが奇跡なようなもの。本当に皆さんに感謝しています」

シリーズ最終戦を終えて、そう語ったのは千代勝正選手。コメントの中にある、「ここ」とは表彰台の頂点。優勝を飾って、Nクラスのチャンピオンを決めた後、涙ながらに正直な胸の内を明らかにした。

千代選手にとってF3は3年目。全日本カート、そしてFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)での活躍が評価され、2009年よりNDDP(ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム)からF3のNクラスに参戦する。
しかし、表彰台には16戦中5戦で上がるも、優勝することはできずランキングでは6位に。いったんはNDDPのスカラシップ対象外となり、チームを移籍することになる。
だが、新天地での奮闘により、1勝を挙げてランキング3位を獲得。その間もNDDPは千代選手に視線を注ぎ続け、同時に成長ぶりを高く評価。これにより、今年は復帰を果たすこととなった。

NDDPも長谷見昌弘氏を監督に起用して、体制を強化。相乗効果が結果に結びついていったと言えるだろう。
千代選手は第2戦の優勝を皮切りに、その後も2勝を加えて、この最終ラウンドにはランキング3位ながら、チャンピオン獲得の権利を残して挑むことに。
トップとの差は16ポイント。不調に喘ぐライバルを尻目に第14戦では優勝、第15戦では2位となり、一気にタイトルの芽が急成長。予選こそ4番手だったが鋭いスタートと冷静な対応でトップに躍り出て、そのままゴールまで駆け抜けた。

レースそのものの表彰式では涙を見せた千代選手ながら、チャンピオンの表彰としてチームスタッフ全員で表彰台に上がった時には、すっかりとびっきりの笑顔に。その中にはもちろん長谷見監督も含まれ、普段は辛口で知られるものの、「うちのドライバーはふたりともいい走りでしたよ。同ポイントでしたからね、本当に良かったです」とお褒めの言葉も。

「未だに信じられません! SUGOに来るまで16ポイントも差があって、たとえ僕が3連勝しても、自力では獲れなかったんですから。ただただベストを尽くし、走りに集中できたのと、追う立場でプレッシャーなく走れたのが良かったんだと思います」と千代選手。ついに努力は報われた。
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