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JRC Round 5
開催日
2011年7月9日〜10日
開催場所
岐阜県・高山市 近郊
天候/路面
DAY1 : 晴れ/ドライ
DAY2 : 晴れ/ドライ
総走行距離
255.91km
SS総距離
58.64km (12SS)
得点係数
1.0
(舗装路 50km-100km)
参加台数
全日本選手権 38台
(ADVAN装着車 17台)
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開幕戦の唐津以来となる、今シーズン2回目のターマック(舗装路)ラリーとして開催された第5戦「第39回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ」。舞台となった岐阜県高山市の地域もラリーウィークに入って梅雨明けを迎え、日中の最高気温は30度を超える猛暑に包まれた。
そしてまた、2日間にわたって開催された競技も、最後の最後までコンマ1秒を競い合う、熱く激しい一戦となった。

その主役は、第2戦の久万高原と第3戦の久万高原を制して今季2勝を挙げている奴田原文雄選手組。9日の土曜日、正午に始まった一戦は、高山市の國島芳明市長が振る日章旗を合図にスタートした。
舞台となる高山市は横浜ゴムのモータースポーツ開発拠点がある神奈川県平塚市と友好都市提携を結んでおり、横浜ゴム平塚製造所隣にある平塚総合公園には、友好の証として「手長足長の像」も設置されている。


今回で第39回を数える伝統の一戦は6月の豪雨によって林道の一部に崩落が生じたため、当初の予定よりもコンパクトな、SS(スペシャルステージ)総距離58.64kmで開催された。
DAY2では鳥屋峠というターマックでの全日本開催では初めて使用されるステージも用意されたが、全体的に道幅は狭く勾配もきつい道である上に、路面の一部は苔むしてスリッピーな難関が待ち受ける。ここを10日(日)に順走と逆走の2本ずつで競うアイテナリーだが、特に終盤2本の下り方向が大きな勝負どころになると誰もが予想していた。

ADVAN A050を装着した奴田原選手組はSS1「無数河下りT(5.55km)」からステージベストで好調なスタート。ただ、SS1と続くSS2「牛牧上り・T(2.46km)」を奴田原選手組と全く同タイムで福永修選手組があがり、2本のステージを終えてトップの2人は同タイムという手に汗握る展開となる。
だが、気温は優に30度を超え、路面温度も上昇する中で1号車が13時21分にスタートしたリピートステージのSS3「無数河下りU」、さらにSS4「牛牧上りU」は奴田原選手組が単独でステージベストを叩き出し、4連続ベストでトップに立って1回目のサービスイン。

ここでライバル勢がタイヤを4本全て交換したのに対して、奴田原選手組はフロントのみを交換してDAY1後半のステージへと向かう。今回は規則で使用できるタイヤが10本までとされていたが、奴田原選手組はDAY2を見越してのタイヤ温存という戦略を実践した。

DAY1が後半に入り、SS5「牛牧下りT(5.44km)」は奴田原選手組が再びベストを奪って2番手の福永選手との差を3.9秒に拡大。しかし太陽が西に徐々に傾き気温/路温が下がってくるとライバル勢もタイムアップ、惜しくも奴田原選手組はDAY1最終のSS8「無数河上りU(5.52km)」で福永選手の逆転を許してしまったが、初日を終えて両者の差は0.8秒と接戦になり、トップ争いは両者による一騎討ちの様相を色濃くしていく。

一夜あけてDAY2の10日(日)も朝から快晴に恵まれ、ステージとなる標高約1,200mの鳥屋峠周辺でも午前7時の段階で既に気温は25度を超えていた。
4本全てをフレッシュタイヤで臨んだ奴田原選手組は、まず上り方向2本で競われる鳥屋峠の2回目、SS10「鳥屋峠U(4.10km)」でステージベストを奪い、福永選手を逆転して再びラリーリーダーの座におさまる。

しかし下り方向に転じたSS11「鳥屋峠リバースT(6.25km)」では福永選手がベストを奪い、最終ステージを残してトップの奴田原選手組と2番手の福永選手組との差は僅かに0.1秒という大接戦。
スピンやコースオフといったワンミスはもちろん、些細なドライビングロスすら許されないガチンコ勝負となったSS11のリピートとなる最終ステージ。奴田原選手組は自身のタイムを4.7秒縮めて文句なしのステージベストで締めくくり、最終的に1.1秒差をつけて今シーズン3勝目を飾ることに成功。
この結果、シリーズランキング争いでも3位に終わった勝田範彦選手を逆転してトップに立ち、チャンピオン奪還に向けての勢いはますます加速する結果となった。


JN3クラスではS2000を駆る筒井克彦選手組が、金曜日に発生したマシントラブルをチーム一丸となって克服、2日間で2本のステージベストを奪うなど安定した速さを見せて2位表彰台を獲得。3位にはカローラ・レビンの山口清司選手組が続き、ADVAN勢の2クルーが表彰台を飾った。


JN2クラスでは2番手に8.2秒という大差をつけてトップに立っていたフィットの丹羽和彦選手組が、最終ステージを終えた後に無念のリタイアとなったが、初代ヴィッツを駆る若手の川名賢選手組が、トップの現行型ヴィッツに迫る2位でフィニッシュ。開幕戦に続くターマックラリーでの準優勝で、さらなる成長を期待させる結果を残した。
また、3位にはフィットの青島巧選手組が続き、このクラスでもADVAN勢が安定して上位のポジションを獲得した。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : 総合優勝 (JN4クラス : 優勝)】
最終ステージを残して2番手との差が0.1秒と知ったときには「このラリーは厳しい戦いだな」と改めて思いました。0.1秒は差がないように見えて、特にターマックでは決して小さくない差ですからね。最後はしっかりと差を拡げて逃げきれましたが、タイヤ4本を温存する作戦も筋書き通りにいって本当に良かったです。
ターマックラリーを制してシリーズ争いでもトップに立つことが出来ましたし、これでIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)のアソーレス戦(7月14日〜16日)にも気持ちよく勢いに乗るかたちで参戦できますね。
  
筒井克彦 選手
 【今回の成績 : 13位 (JN3クラス : 2位)】
レッキの初っぱなでマシントラブルに襲われて、急遽レッキをスタッドレスタイヤを履いているミニバンで行うところから始まったラリーになりました。ペースノートの精度を高く出来なかったので苦労しましたが、一時は本番への出場も無理かと思っていたので上出来の結果を残せたと思っています。
DAY2の鳥屋峠は車との相性が良くないコースだったのですが、ADVAN A050はコントロール性に優れていますし、G/Sコンパウンドが滑りやすい路面でもグリップしてくれたので、1本目でステージベストを奪うことも出来ました。
 
川名賢 選手
 【今回の成績 : 20位 (JN2クラス : 2位)】
金曜の夜に監督の大庭(誠介)先生がシャンパンを用意して、僕を見ながら「これは、誰が開けるのかな?」といきなりプレッシャーをかけられました(笑)。
DAY1の前半から上位に食い込むことがなかなか出来ないという課題があったのですが、その点についてはDAY1最初のループで僕を含めた上位3台で頭ひとつ抜きんでるかたちになれたので、マシンの仕上がりなども含めて良くなってきたという手応えを感じました。車は開幕戦よりもフロントのバネレートを調整して柔らかくしたのですが、これはタイヤとのマッチングが良くてコントロール性も上がり楽しく走れました。
DAY2では上り勾配のきついヘアピンも多かったのですが、僕は大嫌いなんですよ(笑)。でも本番を走って冷静にタイムを比較すると2本目でタイムアップしました。ラリーを重ねるごとに嫌いなものが無くなって、2位ということで負けはしましたが収穫の多い一戦になりました。
 
Featured Driver
今回注目を集めた一台が、K12型・マーチ。参加台数の関係でJN1クラスが不成立となり、JN2クラスに編入されての戦いだったが、このマシンを駆ったのが小泉茂選手(写真・右)と由起選手(写真・左)の夫婦クルーだ。

「マーチはクロスミッションやファイナルギアが発売されていないので、上りは我慢の走りで下り勝負という展開でした。ただ、下りはブレーキが加熱したすいので、ちょっと欲求不満になってしまう場面もありましたね。
ラリーマシンのベースとしてマーチは、とても良い素性の持ち主だと思います。今は足回りも“吊るし”のストリート用車高調を使っているのですが、きちんとラリー向けのセッティングを出していけば、まだまだ速さに磨きをかけていけると思います」

日頃はタイヤガーデンにつとめている小泉茂選手。お店では自らがラリーに参戦していることで、お客様とのコミュニケーションも深まると語る。そして、夫婦での二人三脚での参戦についても、面白いエピソードを語ってくれた。

「ラリーはもう20年くらいやっています。お店にはラリーの写真も飾っていますが、モータースポーツにあまり詳しくないお客様からも『なんだか凄いことをやっているんですね』と声をかけられたりするので、お客様との話のネタにもなっています。ADVANそのものがラリーで強いのイメージも効果があるようですね。
ラリーを始めたときからカミさん(由起選手)を横に乗せていますが、元々クルマにそれほど興味がなかったのに、僕がクルマ大好きなので結婚前から洗脳し続けてきました。結婚してからも何十年もこうしてラリーを続けられているので、洗脳は大成功ですね(笑)。
コ・ドライバーとしてのカミさんはもちろん100点満点。ただ、家計のお財布も管理している立場ゆえ、SSスタートの10秒前に『ぶつけてお金がかかったら、次のラリーは無いよ』なんて言われたこともありました(笑)。もっとも、こうして抑えるべきところをしっかり抑えてくれてきたので、長くラリーを続けられているんだと思っています」
 
Technical Information
これまでは紅葉の季節に開催されることはほとんどだったハイランドマスターズが、今年は猛暑の一戦というカレンダーになった。競技が行われた2日間とも好天に恵まれ最高気温は30度を超える暑さとなり、タイヤにとってもシビアリティの高い一戦となった。
そんな中でADVAN A050は気温/路温ともピークに達する時間帯から、やや日が陰ったり早朝の比較的涼しい時間帯まで、安定したパフォーマンスを発揮。大きな特徴のひとつである対応領域の幅の広さがしっかりと全てのSSを通じて選手たちの走りを支えた。特に総合/JN4クラス争いでは、スピンやコースオフを喫することも無く奴田原選手組が優勝を飾るとともに、シリーズランキングトップへの躍進を実現した。
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