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PREVIEW
日本のGTが初めて海を越えてマレーシアで開催されたのは2000年のこと。同年、そして翌2001年とオールスター戦が行われた後、2002年からはシリーズの一戦として開催されている。
2003年はSARSの影響で開催が見送られたが、2004年に全日本GT選手権として最後のマレーシア戦が開催された後、シリーズはSUPER GTとして国際シリーズへと発展。その象徴的な存在とも言えるマレーシア戦は今年、公式戦として10回目の開催を数えるに至っている。

戦いの舞台となるセパン・インターナショナル・サーキットは全長5.543km、ロングストレートと複合コーナーが組み合わされた最新鋭のコース。ただ、コースレイアウト以前の特徴としては、ほぼ赤道の直下というロケーションゆえの厳しい暑さを挙げるドライバーが多く、暑さをいかに克服するかも勝敗をわける重要な要素のひとつとなる。

セパン戦の歴史を振り返ってみると、ヨコハマタイヤ勢の活躍を抜きには語れないことがリザルトからも見て取れる。
2000年、オールスター戦として初めて開催されたセパンのGT300クラスを制したのは、ヨコハマタイヤを装着する「RE雨宮マツモトキヨシRX7」。以降、2001年「ユニシアジェックスシルビア」、2002年は再び「RE雨宮マツモトキヨシRX7」、2004年も「雨宮アスパラドリンクRX7」と、全日本GT選手権時代の4戦はGT300クラスの優勝を独占した。

SUPER GTへとシリーズが発展した以降も、ヨコハマタイヤはセパンで強さを見せる。GT300クラスでは2006年と2007年「雨宮アスパラドリンクRX7」が優勝を飾り、RE雨宮はセパン・マイスターとして認識されるようになった。

一方GT500クラスでは、2007年にSUPER GT参戦二年目のKONDO Racingの「WOODONE ADVAN Clarion Z」がチーム初優勝を飾ると、マシンをフェアレディZからGT-Rにスイッチした2008年も「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」で連勝。

2009年にはGT300クラスで「I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・Shiden」が最後尾スタートから劇的な大逆転優勝を演じたのを筆頭に、上位6台をヨコハマタイヤ勢が独占。
2010年は再びRE雨宮の「M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7」が制し、2011年はチャンピオンを獲得した「初音ミク グッドスマイル BMW」が貴重な一勝を挙げるなど、ヨコハマタイヤ勢の強さが光る展開が続いている。
 
CIRCUIT
セパンサーキットはストレートが長くて、これを複合コーナーでつなぐ感じのレイアウトです。タイヤに対して大きめの荷重がかかり、さらに暑さも加わるので、しっかりしたコンパウンドを使う必要があるのですが、こういったサーキットではヨコハマタイヤが強さを見せてきますね。

レース展開としてはハイスピードのストレートラインが何本もあるので、ストレートで速いチームが強いのではないかと思います。
パッシングポイントとしては、まず1コーナーから2コーナーにかけて。ここは若干ツイスティですがコース幅が広いので、ツーワイドで並んでコーナーに入っていくことができます。でも、ラインは当然ですが奥になるほど狭くなります。さらに3コーナーの先もちょっとしたストレートがあるので、また勝負を仕掛けていけますね。

それから、セパンでもっとも面白いパッシングポイントとなるのが、12コーナーから14コーナーにかけての区間。ここも先にあるストレートを考えると、しっかり減速して12コーナーに入っていきますが、外側から入らないといけないんです。しかし、ここでスバッと減速している相手のインに入ることもできて、逆にその先ではクロスしてまた抜くこともできたりと、駆け引きが面白いポイントになりますね。

セパンは暑さを克服することも勝負の鍵となってきますが、マシンについては持ち込むセットアップ、そして持ち込むタイヤの選択がとても重要になってきます。

ドライバーはクールスーツという、レーシングスーツの内側に着る冷水を循環させるパイプのついたジャケットを着るのですが、僕は過去に2回これが故障して大変なことになった中で走った経験もあります。なので、日頃のトレーニングで基礎体力を高めて、暑さに負けない身体作りをしておくことも必要ですね。

僕がやっていたのは、サウナスーツを着て、暖房を入れたスカッシュコートで1時間くらいスカッシュをやるんです。それをやると心拍数で200近くまでいくんですが、190を超えると頭痛がしてくるんですよ。
それでも何回か繰り返していると、僕の場合は4〜5回でかなり慣れてきて、そこまでいけばクールスーツが壊れてもセパンを走りきることができるんです。そういうトレーニングを5月に入ったら重ねて、セパンの戦いに備えているんですよ。
 
ENGINEER PREVIEW
ADVAN TIRE ENGINEER
荒 川  淳 =Jun Arakawa=
横浜ゴム MST開発部 技術開発1グループ・リーダー
SUPER GT開発チーム統括補佐

SUPER GTのGT500/GT300両クラスにおける、タイヤ開発全般に携わる。
岡山、富士と開幕からの2戦を振り返ってみると、決勝中のタイヤパフォーマンスについては戦闘力のあるものに仕上がってきていると感じています。

そして次は恒例のマレーシア、セパン戦となるわけですが、ここでは毎年1月にタイヤテストを実施していますので、その時点で路面状況の変化も確認してタイヤ開発に反映しています。2007年にコースは全面再舗装されており、この改修でアスファルトも引けて特徴的な白い骨材が目立つようになり、路面のμや表面温度が変化してきていると認識しています。

コースレイアウト的には長いストレートと複合コーナーの組み合わせですが、タイヤから見るとセパン専用開発というものはありませんが、高速セクションでの優位性と安定した性能の持続については重視すべきポイントであると考えています。

そして、なんといっても国内のコースとは比べ物にならない暑さが特徴です。この点についてはレースディスタンスでの安定したパフォーマンスを重視しています。また突然のスコールも赤道に近いロケーションならではですが、セパンの場合は特に雨量が安定せず、雨が止むと路面が乾く のも早いので、状況変化が激しいですね。このため、ハード寄りのコンパウンドを選ぶ場面が多いのではないかと思います。

セパンはGT500/GT300ともにヨコハマタイヤ勢が強さを見せてきているサーキット。
GT500についてはスーパーラップに残って、4列目より前方のポジションから決勝スタートを迎えることが勝つための絶対条件になりますが、後半で着実にポジションアップしていく追い上げ型のレース展開を予想しています。
一方のGT300は、正直なところ戦いの行方を予想するのは難しいですね(笑)。ただ、こちらも先行逃げきりのレース展開は難しいかと思いますので、最後まで持久戦の展開になるのではないでしょうか。

ドライバーやチームにとっても暑さ対策はセパン攻略に欠かせない要素ですが、それは私たちタイヤサービスのスタッフにとっても同様です。サービスガレージの作業環境に注意を払い、食事も食べ慣れた和食系を多くしています。こうして厳しい暑さを乗り切り、体調不良や事故のないように万全の体制を整えて、ヨコハマタイヤユーザーの戦いを全力で支えています。


■使用するタイヤサイズ
  (GT500) 330/710R18、330/710R17
  (GT300) 280/650R18、280/680R18、280/710R18、300/650R18、300/680R18、330/710R18
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