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PREVIEW
後半戦のカレンダーに入っている2012年のSUPER GT、第6戦はゴールデンウィークに開催された第2戦以来となる富士スピードウェイが舞台となる。今シーズン、唯一の2大会開催となる富士スピードウェイ、シリーズ争いにおいても大きなポイントとなることは間違いないだろう。

前戦・鈴鹿1000kmを振り返ると、ヨコハマタイヤ勢の活躍が目立つ一戦となった。GT500クラスで「D'station ADVAN GT-R」が3位表彰台を獲得、「WedsSport ADVAN SC430」も6位入賞を飾ったほか、GT300クラスは今シーズン3回目となる表彰台独占を実現した。

そして迎える富士であるが、8月9日・10日に行われた公式テストで、ヨコハマタイヤ勢が好調さを見せていたことは記憶に新しい。

9日の午前、「D'station ADVAN GT-R」がトップタイムを叩き出すと、午後には「WedsSport ADVAN SC430」が2番手、「D'station ADVAN GT-R」が3番手と上位リザルトに名を連ねた。
2日目になって、テストの締めくくりとなる午後のセッションでも「D'station ADVAN GT-R」が再びトップタイムを刻むと、「WedsSport ADVAN SC430」が3番手タイムで、2日間を通じて好調さをキープした。

一方、GT300クラスは「エンドレス TAISAN 911」が初日の午後と2日目の午前にトップタイムをマーク、2日の午後には「S Road NDDP GT-R」がリザルトのトップにその名を刻んでいる。
シリーズランキング争いは、鈴鹿1000kmを終えてポイントリーダーが「triple a vantage GT3」の吉本大樹選手/星野一樹選手、これに僅か1点差の2位で続くのが「S Road NDDP GT-R」の関口雄飛選手/千代勝正選手。ランキング争いも熾烈さを増す中で、公式テストから上り調子のヨコハマタイヤ勢が、レース本番でもどのような活躍を見せてくれるのか、注目が集まっている。
 
CIRCUIT
全長4,563mの富士スピードウェイは、なんといっても1.4kmを超える長いストレートが特徴のコース。全体的にはリニューアル前の旧レイアウトのイメージを残しつつも、攻略の難しさという点では国内屈指のレベルにあると言える。
なぜなら、長いストレートゆえに高速型コースと思われがちだが、特に終盤のセクター3は勾配を登りながらタイトコーナーが続くテクニカルな区間。トップスピードが必要とされると同時に、テクニカル区間にも対応出来るセッティングが求められることになる。

観戦ポイントはコースサイドにいくつもあるが、ハイスピードで駆け抜けるマシンの迫力を堪能したいのならグランドスタンドになる。また、第1コーナーでは超高速域からの激しいブレーキング競争、第3セクター入口でもマシンのパッシング合戦を間近に楽しむことが出来る。
 
ENGINEER PREVIEW
ADVAN TIRE ENGINEER
藤代 秀一 =Shuichi Fujishiro=
横浜ゴム タイヤグローバル技術本部
MST開発部 技術開発1グループ

SUPER GTのGT500/GT300両クラスにおける、タイヤ開発全般に携わる。
ハイスピードな富士スピードウェイでは、車両のセットアップはダウンフォースを減らした高速域を重視するのが一般的です。この場合、テクニカルなコース終盤のセクター3では、ダウンフォースがさらに少なくなるためにタイヤに掛かる荷重が小さくなります。
タイヤ開発の面から言えば、高速域や高荷重域では、それに耐えうる構造であることが第一。また、タイヤが発生する力は、基本的にタイヤに掛かる荷重に比例するのですが、セクター3のように荷重が小さくなる領域でも十分な力を発揮できるようなタイヤが求められます。
それぞれ、高荷重・低荷重で背反する部分もあるのですが、これらの要素を高い次元で両立することが求められるわけです。

SUPER GTでは事前に公式なテストがありますが、先日のオートポリスもそうだったのですが、今年はなぜか雨に祟られてしまうことが多いんです。十分やタイヤ評価を出来ないままに実戦へと臨むことも多かったのですが、富士スピードウェイでの公式テストは安定した天候とコンディションの下で十分な評価を行うことができました。その上で高いパフォーマンスを示すこともできて、特にGT500クラスの2台は好タイムをマークしました。
前戦の鈴鹿1000kmでも上り調子のパフォーマンスを示すことができましたが、今回は2台揃ってさらに高いポジションでレースを終えられることを期待しています。
タイヤについて改良が進んだポイントとしては、予選でより上位に行くためのパフォーマンスと、安定したレースラップを刻めるパフォーマンスの両立ということになるでしょうか。

また、鈴鹿1000kmで今シーズン3回目のヨコハマタイヤ装着車による表彰台独占となったGT300クラスですが、こちらはドライバー、マシン、タイヤが三位一体となって常に高いパフォーマンスを見せられていると思います。
ただ、それを実現させるために、タイヤとしては車種ごとの特性やニーズに対して、必要とされるさまざまな性能を高次元にバランスさせ、求められる性能を満たすことが必要となります。実際には、様々な車種で一様に高いパフォーマンスを発揮させることは決して容易ではありません。継続的な評価から共通の課題を明らかにして、それらを着実に改善していくという、地道な積み重ねが重要になってきます。

ところで今週末の天気ですが、現時点(9月7日・金)の予報によると秋雨前線の影響で快晴とはいかないようです。
この時期の富士スピードウェイは天候による温度の変化が大きく、持ち込みセット数を厳しく制限された現在の規則では、コンパウンドの選択がとても重要になってきます。ドライ、ウェットともに想定している温度に対して、低温・高温いずれに振れてしまった場合をも考慮して、数種類のタイヤを持ち込みます。ただ、ヨコハマタイヤは温度の守備範囲が広いという強みもありますから、大きく外してしまうことはないでしょう。

さて、最後に個人的な話になりますが、富士スピードウェイの思い出をひとつご紹介しましょう。
幾多の名勝負が繰り広げられてきた富士スピードウェイでのGTですが、私にとってもっとも思い出深いのが2000年の第4戦として8月に開催された「JAPAN SPECIAL GT CUP」です。当時は全日本GT選手権の時代ですが、私はこの年からGTの担当となり、シーズン当初に方向性を決めて、開発を推進していました。そして、この第4戦で新たに開発した技術を用いたタイヤを初めて投入したのです。
第3戦までの結果は決して満足いくものではなかったのですが、この第4戦でデンソーサードスープラGT(影山正彦選手/ラルフ・ファーマン選手)が準優勝を獲得、開発の方向性が正しかったことを確認できました。
振り返ってみると、我々の開発の方向性を決定付けたという意味では、とても重要な一戦であったと考えています。


■使用するタイヤサイズ
  (GT500) 330/710R18、330/710R17
  (GT300) 280/650R18、280/680R18、280/710R18、300/650R18、300/680R18、330/680R18、330/710R18、330/710R19
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