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JRC Round 4
開催日
2012年6月29日-7月1日
開催場所
北海道・洞爺湖町 近郊
天候/路面
Day 1 : 晴れ/ドライ
Day 2 : 晴れ/ドライ
総走行距離
377.93km
SS総距離
64.66km (15SS)
得点係数
1.5
(非舗装路 50km〜100km)
参加台数
全日本選手権 51台
(ヨコハマタイヤ装着車 26台)
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2012年の全日本ラリー選手権、シリーズ前半のグラベル(未舗装路)ラリー3連戦の締めくくりとなる「2012 ARKラリー洞爺」は、昨年に続いて北海道の洞爺湖町をホストタウンとして開催された。
当初は昨年同様にSS(スペシャルステージ)の総距離で100kmを超える規模での開催が予定されていたが、5月の大型連休後半に北海道を襲った豪雨の影響で林道の一部が崩壊。このため、SS総距離は65kmほどに短縮されての開催となったが、Day1はテクニカル要素が強いステージ、Day2は中・高速コーナーが主体のステージと、車種ごとの特性をそれぞれに活かした攻略し甲斐のあるラリーとなった。

29日(金)の夜に、サービスパークが設けられた洞爺湖文化センターでセレモニアルスタートが行われ、前戦・福島で準優勝を獲得している「CUSCO ADVAN IMPREZA」の柳澤宏至選手/中原祥雅選手組をはじめ、26台のヨコハマタイヤ装着車(オープンクラス含む)も観客の声援を受けてスタートした。

30日(土)のDay1は3本のステージを3回ずつループする設定。この日は北海道の名寄市で32.8度の最高気温を記録して日本一の暑さになるなど全道的に好天に恵まれたが、洞爺湖町も25度を超える爽やかな北海道の初夏らしい気候に恵まれた。
洞爺湖地方は一週間ほど雨が降っておらず、ステージの路面は完全なドライ。そんな中で、戦いの皮切りとなるSS1「SCALLOP 1(4.53km)」から好走を見せたのはヨコハマタイヤ勢。柳澤選手組がステージベストを奪うと、「CUSCO ADVAN LANCER」で久しぶりの全日本ラリー参戦となる炭山裕矢選手/加勢直毅選手組が1.0秒差の2番手、さらに「NENC ADVAN インプレッサ」の鎌田卓麻選手/竹下紀子選手組もトップから1.7秒差の3番手で続き、ヨコハマタイヤ勢が速さを見せる。

続くSS2「STRAWBERRY 1(5.97km)」、SS3「CHERRY 1(2.36km)」は炭山選手組がステージベストを連取、セクション1を終えて炭山選手組がトップ、柳澤選手組、鎌田選手組と続くオーダーに。鎌田選手組と4番手の差は7.9秒とこの時点で大きく開き、ヨコハマタイヤ勢がラリーの主導権を確実なものにしていく展開となっていく。

セクション2に入ると、ステージは1走目で深く掘れたワダチの攻略がテーマとなるが、ここから柳澤選手組が本領を発揮してSS4からSS6まで3ステージ連続ベストを叩き出して、炭山選手組からトップを奪い返す。

セクション3ではSS7こそ0.2秒の僅差でライバルにステージベストを譲ったものの、さらにワダチも深くなっているSS8、SS9は柳澤選手組がベストを奪い返し、Day1を終えて9つのステージ中、柳澤選手組が6本、炭山選手組が2本のステージベストをマークして、トップは柳澤選手組、13.5秒差の2番手が炭山選手組と、ヨコハマタイヤを装着するCUSCO勢がワン・ツー体制を構築。
惜しくも鎌田選手組はSS6を終えてエンジントラブルによりリタイアを喫したものの、ヨコハマタイヤ勢は序盤は浮き砂利、中盤以降は深いワダチが続いた中でタイヤトラブルに見舞われることもなく、順調な戦いぶりで初日を終える。

一夜明けた7月1日(日)のDay2も、引き続きドライコンディションの戦いとなったARKラリー洞爺。
出走順でトップになった柳澤選手組は、砂利かき役のハンデもあってライバルの追撃を受けたものの、初日に築き上げた大きなマージンを背景にラリーの主導権を手放すことなく6本のステージを果敢に攻めていく。
結果、前戦・福島では0.8秒差の準優勝となった悔しさを晴らす快走で、昨年のRally Hokkaido以来となる優勝を柳澤宏至選手/中原祥雅選手組が飾り、シリーズランキングでも2番手に浮上した。
また、奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組は、足回りのセットアップに苦しんだ部分もあったが、粘りの走りで4位入賞。炭山裕矢選手/加勢直毅組はAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)やRally Hokkaidoも見据えた参戦ということで、テストメニューもこなしながら5位入賞を飾った。

JN3クラスは前戦・福島でデビューを飾った「CUSCO ADVAN 86」の三好秀昌選手/保井隆宏選手組が、マシンの飛躍的な進化も実感させる好走を披露。
過酷なステージで上位陣からのリタイアも続いた中、安定した戦いぶりでDay1をトップで折り返し、デイポイントも獲得。Day2に入って惜しくもトップはライバルに譲ったものの、今シーズン話題の主役となっているトヨタ86での最上位となる準優勝をデビュー2戦目にして飾り、次戦以降での初優勝への期待も大いに高まる結果を残した。

JN2クラスはポイントリーダーがDay1でリタイアした一方、川名賢選手/安東貞敏選手組の「TAKUMI CRAFT ADVAN Vitz」が5本のステージベストを奪って、トップ争いを演じた。惜しくもDay1のサービス2回目でトラブルシューティングのためにTC(タイムコントロール)に入るのが遅れてペナルティを受けてしまった影響はあったものの、僅差の準優勝でフィニッシュしてシリーズランキングのトップに立つことに成功した。

JN1クラスは4WDターボ勢を相手に、FFのストーリアで戦う「ナロー坊や TEIN 兄貴ストーリア」の葛西一省選手/安田弘美選手が3位表彰台を獲得。ランキングリーダーの座をしっかり守り、シリーズ前半のグラベル三連戦を締めくくった。
 
Driver's Voice
柳澤宏至 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 優勝】
砂利が凄かったので、Day2最初のステージで一気に詰め寄られてちょっと焦った面もありましたが、その後はプッシュして、その後はタイム差を見ながら走りました。Day1で稼いだマージンもあったので何も無ければ逃げられるとは思っていましたが、ちょっと気を抜くとドーンと遅くなってしまうので、気合を入れてペースを崩さないようにフィニッシュまで走っていました。あまり一か八かみたいなことはしていませんが、Day2は最初のステージが滑りやすくて、ちょっと負けすぎた感じがありますね。先頭で走ることの難しさはあるな、と思いました。
第2戦の久万高原と比べると、マシンはずいぶん良くなっています。駆動系、足回り、とにかく全般的に進化していますね。久万高原が50〜60%の出来で、今は90%近くまで来た感じです。あとは路面やコースに細かいセットアップを如何に合わせていけるかで100%に近づけて行ける、というところです。
タイヤは規定で12本使えますが、初日は6本使用に留めました。Day1のセクション3で新品を投入しようか悩んだのですが、Day2は先頭で走らなければなりませんから、タイヤの山があった方がいいだろうという判断です。それに、2日目で6本残っているというのは競り合いになってプッシュする必要が生じた時のことを考えると、精神的な余裕にもつながりますしね。
三好秀昌 選手
 【今回の成績 : JN3クラス 2位】
タイヤサイズを替えたことは、ハンドリングやトラクションに大きく効いてきましたね。まだまだやるべきことは残っていますが、コースによってはかなり行けるな、という手応えも掴んでいます。
Day2の2走目はDay1ほどワダチは深くなかったのですが、1走目の3本は負けて、勝って、勝って、だから、最初の負けで少し抑えすぎた部分がありました。相手も全開で走っているので、2走目は負けの幅を狭めれば帳尻があうのかな、という感じでしたね。
ラリー自体が久しぶりですが、短いステージが続く全日本ラリーは難しいですよね。ちょっとしたミスが大きな差につながりますし。
次からターマックですが、マシンをしっかり一から見直して臨んでいこうと思います。
山口清司 選手
 【今回の成績 : JN3クラス 3位】
スタートはADVAN A035のMコンパウンドで行ったのですが、ノーズの入りがいまひとつでタイヤ選択としては失敗の感じでセクション1は6番手でした。そこでSコンパウンドに最初のサービスで交換して、セクション2からはトップ2台と遜色ないタイムで走り、2位まであがりました。ところが、なにやら86が速くて。今日は行けると思ったんですけれどね(苦笑)。
86はどんどん速くなってきましたね。こう言ったら失礼かもしれませんが、こんなに短い時間でここまで86が来るとは思っていませんでした。まだまだデビューしたばかりだから大丈夫かと思ったらそんなことはなくて、こちらとしてもライバルとして意識は強くするようになりました。
でも、僕のレビンにはまだ進化させられる部分が残っています。久万高原の後にボディに手を入れたので、次のモントレーにも向けてセットアップを改めて詰めていきます。同じターマックでも開幕戦の唐津とは違う、進化したレビンになりますから期待してください!
川名賢 選手
 【今回の成績 : JN2クラス 2位】
初日の序盤は、自分自身の“エンジン”がかからなくて、出遅れてしまいました。どうしても1本目は緊張してしまうのですが、ここは課題のひとつだと思っています。
セクション2からは気持ちを切り換えて走って、イメージ通りにクルマを動かせるようになりました。マシンはちょっとエンジンの吹けが悪くて、ちょっとトラブルを抱えた状態でした。ここは見直さなければならない部分です。
4戦を終えて去年に比べれば表彰台も3回載れて、進歩していると思っています。安定感も出てきたと思いますが、まだ表彰台はひとつ上が残っているので、頑張っていきます。優勝も見えてきた感じがしますしね。
次からはターマックですが、グラベルがとても楽しくなっているので、名残惜しい感じもしますね(笑)。課題の1本目克服に向けて、自分自身のコントロールを含めて万全の体制で臨んでいこうと思います。
葛西一省 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 3位】
Day2は路面も硬くて勾配も緩いので行けるかな、と思ったのですが、4WDターボ勢との差は大きかったですね。スタートでも大きく差をつけられるので、戦いとしては厳しかった。でも、きっちり走りきっての3位狙いだったので、まずは予定通りです。なにしろワダチが深いので常にハンドルを掴んでいなければならないので、とても疲れました(笑)。
このあとはRally Hokkaidoへの参戦を考えています。今日の3位でポイントを稼いでシリーズトップも守りきりましたし、Rally Hokkaidoは2.5倍のシリーズポイントになるので、そこで決めてあとはチーム青森の総監督で行こうかな、と。
ただ、とにかくRally Hokkaidoは長いので大変。去年もかなり疲れたので、今年のRally Hokkaidoはレッキを1回にして体力を温存して行こうか、という冗談も言ったりしていますが、去年も出てペース配分もわかっているので、チャンピオンに向けて頑張ります。
 
TOPICS
今シーズン、全日本ラリー選手権へのデビューで大いに話題を集めているトヨタ86。名門・CUSCOは前戦の福島から1台をデビューさせたが、2戦目にして準優勝を獲得してマシンが急速に進化していることを証明した。

自社製品の開発を兼ねての参戦だが、デビュー2戦目での準優勝獲得について、株式会社キャロッセの長瀬努社長は次のように語った。

「今回は2位ということで、良い結果を得られました。Rally Hokkaidoに照準を合わせて開発を進めているのですが、意外と早く結果が出てきましたね。
駆動系や足周りのセットを中心に開発をしていますが、走り込み担当の炭山裕矢選手がブラッシュアップを進めています。
今回の結果で、Rally Hokkaidoに向けて大きな手応えを掴むことができました」

次戦からはターマックでの戦いが続くことになる全日本ラリー選手権。ターマックステージでの「CUSCO ADVAN 86」の戦いぶり、そしてマシンの進化からも目が離せない展開となりそうだ。
 
AREA GUIDE
2008年のサミット開催でも知られる洞爺湖温泉は、登別や定山渓と並ぶ北海道を代表する温泉街のひとつ。
道内で3番目に大きい湖である洞爺湖は、遊覧船観光や春から秋にかけて4ヶ月以上にわたって開催される「ロングラン花火大会」などで、修学旅行などでも人気のスポットだ。

周辺には有珠山や昭和新山があり、これらに代表される支笏洞爺国立公園では、四季折々に北海道ならではの雄大な自然美を楽しむことができる。
ARKラリー洞爺でも多くの観光客が温泉街の一角に設けられたサービスパークを訪れ、興味深そうにラリーマシンを眺めたり写真におさめる姿が見られた。

また、隣接する豊浦町は農業と漁業が盛んな町。特にイチゴの栽培が有名で、町内にはイチゴ狩りを楽しめる観光農園も多い。国道沿いにある「道の駅とようら」で売られている「豊浦イチゴソフトクリーム」は、地元産の生イチゴも味わえる名物のひとつで、レッキの途中で立ち寄った多くの選手たちもその美味しさを味わっていた。
 
TECHNICAL INFORMATION
特にDay1の2ループ目以降は深く掘れたワダチの攻略がひとつの鍵となったラリーだったが、タイヤについてはサイドカットやパンクといったトラブルもヨコハマタイヤ勢には見られず、ADVAN A035の耐久性の高さ、優れた摩耗性能が改めて証明された一戦であった。

今回、JN3クラスで準優勝を獲得したトヨタ86については、サイズを195/65R15サイズに変更。前回の205/65R15サイズからの変更であるが、トラクション性やハンドリング性の向上が見られ、タイヤに優しい特性も功を奏して195サイズがバランスとして最適なパフォーマンスを発揮して、今シーズンの86最上位獲得つながった。
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