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JRC Round 9
開催日
2012年11月3日-4日
開催場所
愛知県・新城市 近郊
天候/路面
Day 1 : 晴れ/ドライ
Day 2 : 晴れ/ドライ
総走行距離
246.24km
SS総距離
73.00km (11SS)
得点係数
1.0
(舗装路 50km〜100km)
参加台数
全日本選手権 48台
(ヨコハマタイヤ装着車 22台)
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4月に九州は佐賀県で開幕した2012年の全日本ラリー選手権。本州はもちろん、四国や北海道と全国を転戦してきたシリーズも早いもので最終戦を迎えた。第9戦「新城ラリー 2012」は、愛知県の新城市をホストタウンとして開催される。横浜ゴムも工場を構えている地ゆえに大会を強力にバックアップ、この日ばかりはいつもはタイヤをモータースポーツ会場に運んでいるADVANカラーのトラックも、表彰式などが賑やかに催されるステージへと早変わりだ。

ターマック(舗装)の林道が舞台となる新城と言えば、名物の雁峰(がんぽう)林道。道幅が狭くアベレージスピードは低いものの、常に大小のコーナーが連続してクルーに一息つく暇すら与えない。そして道は高い木々に覆われて日陰の場所が多く、路面の一部は水が出ていたり苔むしていたりと、ワンミスで手痛いダメージを負ってしまう可能性も高い。

そんな雁峰林道を、最長となる19.66kmの「雁峰北中」にはじまり、12.83kmの「雁峰北」、7.51kmの「雁峰西」4.45kmの「雁峰中」、と使う今回の新城ラリー。さらにギャラリーステージとしてお馴染みの「ほうらいせん」をロングの逆走とショートの順走で、本宮山スカイラインの新城側を使う道幅の広い登りステージの「作手 (3.81km)」がステージとして用意され、2日間で11本・SS総距離73.00kmで競われた。

特徴的な雁峰の路面を如何に攻略するかが鍵となる新城ラリーだが、今回は2輪駆動マシン勢でヨコハマタイヤ装着選手たちが活躍が光る展開となった。

まずJN3クラスは唯一の参戦となっていた4輪駆動車が早々にリタイア。これを尻目に快調な走りを見せたのはカローラ・レビンの山口清司選手と島津雅彦選手のコンビ。オープニングステージとなるSS1「雁峰北」で後続をおよそキロ1秒以上引き離すと、続くSS2「雁峰中」も2番手を0.1秒上回って連続ステージベストを奪取。
序盤でライバルを突き放した山口選手組は、しっかりとDay1をトップであがってデイポイントも獲得した。

一方、大勢のギャラリーが見守るSS3「ほうらいせん逆走1」でベストを刻んだのは、チャンピオン獲得の望みをつないで最終戦に臨んだ、「CUSCO ADVAN 86」の三好秀昌選手/保井隆宏選手組。こちらもファンの期待に応える力走で、トヨタ86勢のトップで初日を終えた。

レッキ日から好天に恵まれた新城は、Day2も朝から青空が広がった。ただ、特に朝晩の冷え込みは厳しく、チームスタッフも上着は欠かせないコンディション。
そんな中、Day1はオープニングステージの1号車スタートが10時45分だったのに対して、Day2のオープニングとなるSS6「雁峰西1 (7.51km)」の1号車スタート時刻は8時15分。当然、Day2の方が気温/路面温度の低い中を走ることとなる。

そこは10秒近いマージンを持っている山口選手組、朝方の2本を慎重にクリアするとSS8から一気にチャージ。SS6とSS7で眞貝知志選手組に取り返されたのは2.1秒、SS8「ほうらいせんショート1 (2.48km)」ではその眞貝選手組を4.0秒上回るステージベストでさらにマージンを拡大すると、SS9「雁峰西2」、SS10「作手2」と3連続ステージベストという圧巻の走りを披露。
2011年からヨコハマタイヤを装着している山口選手がヨコハマタイヤ装着初勝利を飾るとともに、コ・ドライバーの島津選手は山口選手がスキップしたRally Hokkaidoで同じJN3クラスの明治慎太郎選手のコ・ドライバーとして出場して成績を残していることから、シリーズチャンピオンの座を確定させた。

JN1クラスは、マシンはコンパクトで愛嬌ある顔つきのものが多いが、戦いのシビアさは他のクラスに引けをとらない。激しい鍔迫り合いが毎回展開されているが、今回はヨコハマタイヤ勢が強さを見せた。

オープニングのSS1、続くSS2とJN1クラスはステージキャンセルとなって、クルーにとっては精神面も試される展開となった。そんな中でマーチを駆る小泉茂選手/小泉由起選手組が、夫婦二人三脚の力走を見せる。
勝負どころとなる19.66kmの「雁峰北中」で、2番手に6.5秒差をつける速さを見せてDay1をトップで折り返してラリーリーダーとして主導権を握る。Day2もオープニングの「雁峰西1」でステージベストを奪うと、リピートなるSS9「雁峰西2」も制して勝負を決めた。
開幕戦以来の優勝を飾った小泉選手組は、セレモニアルフィニッシュで大勢の観客が見守る中で緊張気味に喜びを語ると、シャンパンファイトではマシンやタイヤにもシャンパンをかけて喜びを表現していた。

なお、JN4クラスは逆転チャンピオンを目指していた奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組がSS10でターボトラブルに見舞われて無念のリタイア。替わって表彰台には3位でフィニッシュした「CUSCO ADVAN WRX-STI」の柳澤宏至選手/中原祥雅選手組が立った。
JN2クラスは、ヴィッツの川名賢選手/小坂典嵩選手組がポイントリーダーとして最終戦に臨んだが、こちらはSS2でまさかの横転を喫してリタイアとなってしまった。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : JN4クラス リタイア】
シリーズ後半でポイント差を詰めて行って最終戦までチャンピオン争いがもつれるところまで持ってきましたが、もうちょっと我々の側に足りないものがあったのかな、というのが今の気持ちです。
今年は開幕の佐賀でしっかり表彰台を獲得し、久万高原ではこちらに追い風も吹いて良い感じだったのですが、福島でマイナートラブルがあったりしましたから、来年に向けては細かい部分も含めて色々と勝つための策を見つけていきたいと思います。
柳澤宏至 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 3位】
今まで舗装のセッティングが出ていなかったので、今回はガラリと変えてきました。それはタイヤに合わせることも考慮したセッティングなのですが、今までに無いトライが上手い具合にあたってきたという感じでした。それは新城のため、というよりも、これまで自分がなかなか舗装でタイムを出しきれてこなかったこともありますし、GRB型WRX-STIも今年からなので、思い切ってトライしてみたというところです。
一年間GRBで戦ってきましたが、今回のセットアップはタイムにもつながっているので、来年に向けて収穫を得ることが出来ました。
山口清司 選手
 【今回の成績 : JN3クラス 優勝】
やっとクルマが決まりました! ヨコハマタイヤを装着するようになって二年目ですが、最初はタイヤになかなかセッティングを合わせられなくて苦労しました。今年は前半でクルマのトラブルがあってセッティングが出来なくて、苦労してきました。新城はやはり距離も長い雁峰がポイントです。ここを照準にしてタイヤサイズも225/45R16だったのを215/50R15に変更しました。この215サイズはヨコハマタイヤだけに設定があるのですが、外径が少し小さくて横幅は変わらないので、これが雁峰にジャストフィットでした。
戦いは先行逃げきりのかたちに持ち込めましたので、比較的楽に走れましたね。SS1であんなにタイム差をつけられるとは思っていませんでしたから(笑)。
2008年に私が新城で勝ってチャンピオンを決めた時も島津選手とのコンビでしたが、今年は僕が島津選手にチャンピオンをプレゼントすることが出来ました。来年に向けては島津選手にもっと“軽量化”してもらって、また頑張りたいと思います(笑)。
加藤辰弥 選手
 【今回の成績 : JN2クラス 3位】
僕はラリーにデビューしたのは一昨年ですが、全日本選手権は今年からで、初めて表彰台に立てました。シーズンを通じて一歩ずつ進んできて、順位も良くなってきて最終戦で表彰台を獲得することができて、率直に嬉しいですね。
このラリーは、特に雁峰林道は難しいですね。路面がラフだったり落葉があったり、水が流れているというような道を本格的に走り込んだことが無かったので、経験の少なさを自分自身で認識した上でマージンをとりながら走りました。
タイヤは今回、競技を通じてADVAN A050のG/Sコンパウンドを使いました。Day2の朝も本当の出だしだけ気をつければ、あとはしっかりグリップしてくれました。ラリーの前はマーチ・レースに出ていたのですが、同じA050を履いていましたから、タイヤグリップの限界や、美味しいところはどこなのかといったあたりは感覚として理解していましたので、そういうこともラリーにフィードバック出来ていたと思います。
来年も、希望としては継続参戦して、シリーズチャンピオン争いの一角に名を連ねたいですね。
小泉 茂 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 優勝】
雁峰で貯金を作り、作手で貯金を使う、という繰り返しで、最後まで気を抜けないラリーとなりました。
とにかく雁峰に全てを賭けて臨んだので、いきなり初っぱなのSS1とSS2がキャンセルとなって辛い出だしではありました。僕たちのクラスはパワーの小さくて元々のアベレージスピードも低いので、JN4などでは鬼門とも言われる雁峰こそが勝負どころになります。
マーチの場合はギア比の問題もあって、車種の差を見ても雁峰でストーリアに勝っている部分は無いと思います。ただ、装着しているADVAN A050、Day1はG/Sコンパウンド、早い時間帯にスタートするDay2はG/2Sコンパウンドを使ったのですが、ポテンシャルが素晴らしかったですね。
ここはペースノート作りと読みが難しく、今回はコ・ドライバーと互いにフォローし合いながらの戦いでした。シーズンの最初と最後を優勝で飾ることが出来ました。今シーズンは京都で1.1秒差、岐阜で3.5秒差の負けがありましたが、今回は4.6秒以上離して勝とうというのが目標でした。それを実現できたので、とても嬉しいですね。
篠原正行 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 3位】
Day1のSS1とSS2がキャンセルになってしまったのは残念でした。リズムに乗り切れなくて、SS3の「ほうらいせん」も最悪の内容になってしまって……。
今シーズンは、ヨコハマタイヤのお蔭で最高の一年でしたよ(笑)。開幕戦は他社のタイヤで参戦していましたが、あれもヨコハマタイヤだったら勝てたな、と思っています。そこからシリーズはグラベル戦が続いたので、出場しなかった自分としては悶々とした日々が続いて。ターマック2戦となるモントレーに強い意気込みで臨んだ結果、優勝できて嬉しかったですね。
今年、タイヤを変えたことで大きな違和感はありませんでしたが、徐々にヨコハマタイヤの使い方もわかってきた感じです。来年のことは未定ですが、悔しい思いも残っているので、またリベンジしたいですね!
 
TOPICS
内閣府の「新城市DOS地域再生プラン」の認定も受けている新城ラリー。ホストタウンをつとめる新城市の強力なバックアップで盛り上がりを見せ、全日本戦では屈指の観客動員を誇る大会は、今年も大いに盛り上がりを見せていた。

サービスパークやイベント会場となった桜淵公園には、大会会長でもある新城市の穂積亮次市長、さらに今回は大会名誉会長となった愛知県の大村秀章知事(写真・右)も来場。「ほうらいせん」のギャラリーステージでも観戦して、ラリーの迫力と華やかさを体感していた。

また、併催されたTRDラリーチャレンジには、「モリゾウ」のドライバーネームでお馴染みの、トヨタ自動車の豊田章男社長(写真・左)も参戦。見事に完走を飾った後、閉会式ではラリーの楽しさと素晴らしさを改めて実感したと笑顔で語っていた。
 
AREA GUIDE
愛知県の東部に位置する新城市は、横浜ゴムも工場を構えている工業都市であると同時に、歴史文化と自然の豊かな町。

この時期、市内には紅葉が美しい名所も多く、大会の拠点となった桜淵公園も春の桜のみならず、秋の紅葉も美しいスポットとして知られている。
また、新城ラリーと時を同じくして、鳳来寺山では「もみじ祭り」が開幕。11月18日(日)には護摩炊き、21日(水)には戦国ぐりめ街道試食会、24日には千の灯火と題して、参道にろうそくが点灯されて美しい紅葉を照らしだすイベント、そして23日(祝)にはイベント・物産展と、12月2日(日)までの期間中に様々な催しが行われる。

最後に特産品を紹介すると、しんしろ茶やしんしろ柿は有名なところで、秋の実りを堪能出来る。さらに左党のみなさんにはSS名称にもなっている地酒「ほうらいせん」がお薦め。甘口で飲みやすく、創作料理などにも合う味わいは女性の人気も高い。また、写真の「蓬莱泉 あうんの滴 魂(Soul)」は大会の会場でも販売されていたが、こちらは辛口で日本酒ならではの飲み応えがある一品だ。
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