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JGC Round 3
開催日
2013年5月19日
開催場所
名阪スポーツランド・Cコース
(奈良県)
天 候
晴れ のち 雨
路 面
ドライ → ウェット
参加台数
175台
(ヨコハマタイヤ装着車 55台)
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5月も下旬となり、半袖がほしいくらいの陽気のなかで開催された全日本ジムカーナ第3戦。今回の会場となる名阪スポーツランドは、毎年天候に振り回されることが多いラウンドだが、今年も同様に波乱の大会となった。

晴れ渡った公開練習日の土曜日は、路面温度が30℃を超える程度の良好なコンディションだった。しかし、翌日の決勝日の天気は午後から降雨の可能性もあるという予報。もし予報どおりに午後から雨が降るなら、完全に第1ヒートが勝負どころとなる。
雨が夕方からであれば、第2ヒートもドライコンディションで走ることができるはずだ。果たして決勝では第1ヒートが勝負となるのか、それとも第2ヒートまで勝負がもつれるのか、選手たちは決勝当日になっても空を見上げ、タイヤ選択をどうするか大いに迷わされることとなった。

迎えた決勝は、天候もさることながら、コースレイアウトも選手を惑わせることとなった。前日の公開練習では200度以上のフリーターンを回り、ターン後は異なるゲートパイロンから出て行くという斬新なレイアウトが採用されたが、決勝ではそのフリーターンが2回設定されることになった。

前半はフリーターンを含むテクニカルセクションで、後半は一変してコース全体を使ったハイスピードセクションと、変化に富んだ飽きさせないコースレイアウト。SA1クラスのベテラン斉藤邦夫選手が、「ターンがうまい選手とそれほどでもない選手の差が大きく出るセクションだね。フリーターンをうまく回らないと勝負にならない」と語るように、この2回のフリーターンが大きく勝負を左右することになった。
両方とも右回り、左回りのどちらを採用してもいいが、この旋回方向を巡って明暗が分かれることとなる。

その差が顕著に現れたのが、N2クラスだった。
フリーターンを行うスペースはかなり広い場所が設定されていたが、最初のフリーターンは右コーナーの後にゲートパイロンから進入し、左方向に向かって抜けていくレイアウト。右コーナー後なので左に荷重がかかっており、右ターンを行う方が楽な反面、出口のゲートパイロンからは離れてしまう。一方、ゲートパイロンから入って左に向かって左ターンを行うと、荷重を移し変えるリスクはあるもののゲートパイロンには近くなる。

ほとんどの選手が右ターンを選択する中、N2クラスの上位選手が左ターンに挑戦するが、ここで多くの選手がミスを犯してしまう。そのなか、セオリーどおり右ターンを選択したのが箕輪雄介選手だった。
「土曜日はうまくフリーターンを回れなかったので、決勝はなるべく効率良く回れるように考えました」という箕輪選手。慣熟歩行で右回りと左回りの歩数を計測し、走行距離はほとんど同じことを把握したうえで、左旋回を選択すると360度ターンが必要だが、右旋回なら270度ターンでクリアできると分析。同じ距離でターンするなら、旋回している時間は短い方が速い。そう判断して右旋回を選択した箕輪選手は、見事に第1ヒートにベストタイムをマークする。

第2ヒートはPN3クラスの中盤あたりから降雨が激しくなり、それ以降のクラスは完全ウェット状態となり、タイムアップは困難な状況に。そのため、第1ヒートの結果で勝負が決まることとなり、好判断を行った箕輪選手がN2クラスを制した。
「今までは勝てるようで勝てない時期が続きました。タイムはトップだったのにパイロンタッチをしてしまうとか、ちょっとしたミスでいつも優勝できなかった。でも今回はすべてがうまく噛み合った気がします。力はすべて出し切りました。本当に嬉しいです」。
前回、箕輪選手が優勝したのは2009年のSUGOラウンドで、ヨコハマタイヤ装着車が全クラス制覇を成し遂げた大会だ。箕輪選手にとっては4年ぶりの勝利の美酒となり、本人も大いに嬉しそうだったのが印象的だった。

そしてもうひとり、久しぶりの優勝を味わった選手がいた。Dクラスに九州から遠征してきた山口義彦選手だ。山口選手は1999年、2000年と連続してDクラスでタイトルを獲得しているトップドライバーだが、今回は2000年第5戦備北ラウンド以来の13年ぶりの優勝。
「1度は引退したのですが、九州はDクラス車の台数が少ないから少しでも盛り上げようと思って出ています。全日本は今年がDクラスの最後だからね。今回みたいなことがあると生きていて良かったって思うよ(笑)」とゴール後は55歳のさわやかな笑顔を見せてくれた。

また、今回は18台と多くの選手が参加してきた激戦区のPN3クラスでは、開幕戦でADVAN NEOVA AD08Rのデビューウインを飾った森嶋昭時選手が今回も好調。
「土曜日の調子がいまひとつでしたが、決勝ではそこを修正できたのが良かったですね。フリーターンも自分の狙いどおりに回れました。自分でもびっくりするくらい良いタイムが出ましたね(笑)」と、トリッキーなコースを得意とする森嶋選手らしい見事な走りで今季2勝目を飾った。

一方、PN4クラスでは岡野博史選手が、今回もパイロンキングらしく、2番手に1秒近い差をつけるトップタイムをマーク。
「フリーターンでクルマをしっかり回して、確実にクルマを前に出すことを心がけました」と、開幕から負けなしの3連勝を飾った。

第2ヒートもドライ路面でアタックすることができたPN1クラスは、森嶋選手同様、開幕戦でADVAN NEOVA AD08Rのデビューウインを飾った鵜飼洋一選手が「第1ヒートはライバルに少し離されてしまったけど、第2ヒートでセッティングを変えたのがうまくいきました」と、逆転優勝を飾った。

SA2クラスは、クラスを移籍してから昨年の鈴鹿ラウンド以外は負けなしを誇る柴田優作選手が、「今回は少し状況が良くなくて、クルマが思ったとおりに動いてくれない面もあったのですが、なんとか勝つことができました。次は万全の体制で挑みたいと思います」と、いつもの調子ではなかったと言うものの、それでも優勝を奪う速さをみせた。

その柴田選手に対し、「ようやく柴田選手のタイムに勝つことができました」と喜んでいたのが、N3クラスで開幕2連勝を奪っている若杉将司選手だ。
「今回はいつも以上に絶好調でした。前回からフロントダンパーのセットを変更したのですが、それもコースにしっかり合っていました」と、ライバルを寄せ付けず3連勝を達成。
N3クラスは2位に飯塚信男選手、3位に小林辰朗選手、4位に上本昌彦選手が入賞し、ヨコハマタイヤ装着車が1位から4位までを独占する結果となった。
 
Driver's Voice
鵜飼洋一 選手
 【今回の成績 : PN1クラス 優勝】
今回は雨が降る前に第2ヒートをスタートできて本当に良かったです。第2ヒートのスタートを待っている時に、第1ヒートでトップだった選手がミスをするのが見えたのでチャンスだと思い、なんとかタイムアップを果たすことができました。
タイヤはADVAN NEOVA AD08Rの205/50R16サイズを装着しました。4輪とも同じサイズですが、リアだけリム幅を狭くしてテールを出しやすいセッティングにしています。第2ヒートは、練習も含めたこの3日間の走りの中で一番良いグリップを発揮してくれたと思います。
森嶋昭時 選手
 【今回の成績 : PN3クラス 優勝】
第2ヒートは雨が少しずつ降り始めていたのですが、第1ヒートと同じ気持ちでスタートしました。タイムは1秒ほど落ちてしまいましたが、第1ヒートのタイムで優勝できたので結果には満足しています。
今回は、タイヤを慣らし走行した状態でスタートしたかったので、少しだけ一般道を走行したタイヤを使用しました。それも良かったのかもしれませんね。前戦のタカタラウンドでは負けてしまいましたが、この第3戦で盛り返すことができ、自信につながりました。
岡野博史 選手
 【今回の成績 : PN4クラス 優勝】
第2ヒートは完全に雨でタイムを上げられませんでしたが、第1ヒートは思ったとおりの走りができたと思っています。第1ヒートは路面温度が上がっていたので、しっかりと走り切ることができました。
このコースの路面はラバーが乗りやすく、そういうコースをADVAN AD08Rではまだ走ったことがなかったのですが、その点でも今回は貴重なデータを得ることができたと思っています。ラバーが乗っている路面でも高いグリップを発揮してくれたのは、ドライバーにとっても心強いですね。
箕輪雄介 選手
 【今回の成績 : N2クラス 優勝】
タイヤは4輪ともADVAN A050のG/Sコンパウンドでスタートしました。FF(前輪駆動)の場合はリアの負担が少ないため、早くあたたまるようにリヤだけ低温向けのG/2Sコンパウンドを装着することもありますが、今回は路面温度がかなり高くなったという点と、自分自身がリアもG/Sコンパウンドを装着して限界を上げた方が好きということもあり、リアにもG/Sコンパウンドを選びました。
今回はコースレイアウトに対し、しっかりと戦略を立てられたことが勝因だと思います。タイヤもしっかり効いてくれて、久々に優勝を遂げることができました。次戦もこの調子を持続していきたいですね。
若杉将司 選手
 【今回の成績 : N3クラス 優勝】
今回のセッティングは前戦のタカタからフロントだけ変えてみたのですが、それが今回のコースにマッチしましたね。走りも十分に満足できるものだったと思います。
タイヤはADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着しました。タイヤに関してはパーフェクトでしたね。1コーナーから十分なグリップを発揮してくれましたし、マシンバランスもまったく変化することなくゴールまで走らせてくれました。気持ち良くアクセルを踏めた1戦だったと思います。
柴田優作 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 優勝】
今回は、実はマシンにほんの少しですがトラブルが出ていたので不安でしたが、なんとか勝つことができてホッとしています。
決勝ではタイヤがしっかりとカバーしてくれたと思います。路面温度は30℃程度でしたが、ADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着しました。G/2Sコンパウンドも準備しておいたのですが、今回の路面温度であればG/Sコンパウンドがマッチしていたと思います。このコースは比較的滑りやすいコースですが、勝負を決めたドライの第1ヒートは、ゴールまでしっかりとグリップしてくれました。次戦はマシンもしっかりとメンテナンスして挑みたいと思います。
山口義彦 選手
 【今回の成績 : Dクラス 優勝】
今回は第1ヒートの勝負になると思っていたので、その第1ヒートにどうタイムを出すかに集中しました。運もあったと思いますが、13年ぶりに優勝できたのは非常にありがたいし、うれしいですね。マシンは13年前の仕様とまったく変わっていませんが、タイヤの進化を肌で感じることができました。ドライビングは多少失敗もありましたが、十分に楽しむことができました。
今年はあと九州ラウンドとイオックスラウンドの2戦に出場を予定しています。また一所懸命頑張りたいと思います。
 
FEATURED DRIVER
■PN2クラス : 加田 充 選手

今シーズンからPN2クラスにFD2・シビックで全日本に初挑戦しているのが、富山から遠征してきている加田充選手だ。
ジムカーナ歴12年という加田選手は、昨年までDC2インテグラのステアリングを握っていたが、「年式も古くなってきて、かなり手がかかるようになったので手放しました」と、乗り換えを決意したと言う。
ただしマシンは2011年からFD2シビックに乗っている大仲敦選手のもので、今年は大仲選手とダブルエントリーで参加する。

「ジムカーナは約1分という短い時間の中に、ものすごくいろいろなことが凝縮される競技だと思います。テクニック的なものはもちろんですが、精神的なことなども含めて、自分の持っている力をすべて出し切らないと勝負ができません。でもそれが面白いところだと思います」と加田選手。

「将来はいつでもどこでも納得のいく走りのできるドライバーになりたいですね。そして、できれば頂点を目指したい」と語る加田選手。明確な目標を持ち、全日本にチャレンジしている。
今シーズンは「入賞はもちろん、表彰台に上ることが最大の目標」ということだが、今回の成績は残念ながらクラス8位。ぜひその目標が今シーズン中に達成することを期待したい。
 
TECHNICAL INFORMATION
土曜日の公開練習では気温が高めだったこともあり、ほとんどのADVAN A050ユーザーは中高温向けとなるG/Sコンパウンドを選んでいた。決勝当日は雨の予報もあり、路面温度が低下するのでは、という予想をする選手もいたが、G/Sコンパウンドを装着する選手が多かった。

結果的には、第2ヒートはPN3クラス以降のすべてのクラスで完全ウェット路面となったが、終わってみればADVAN A050ユーザーで優勝した選手はいずれもG/Sコンパウンドを装着しており、その選択は間違っていなかったという結果となった。
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