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JRC Round 6
開催日
2013年8月23日-25日
開催場所
京都府・京丹後市 近郊
天候/路面
(2日間とも) 晴れ 一時 雨
ドライ&ウェット
ターマック(舗装路面)
総走行距離
346.39km
SS総距離
103.83km (13SS)
得点係数
1.2
(舗装路 100km〜150km)
参加台数
40台
(ヨコハマタイヤ装着車 15台)
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昨年から全日本選手権に加わった「丹後半島ラリー」が、今年も8月23日から25日にかけて京都府北部の京丹後市をホストタウンに第6戦として開催された。その名の通り丹後半島を舞台とする本大会は、半島の中央を南北に走る京都縦貫林道にSS(スペシャルステージ)を設けたターマック(舗装路)ラリー。昨年とは逆に南側から半島の先端に向かう今回、SS総距離は103.83kmと100kmを超えるため、ポイント係数は1.2が適用される。

昨年は最高気温が39度に達する酷暑の一戦となったが、今年は気温そのものはそこまで上がらなかった。ただ、前線の影響で湿度が高く、短時間のうちに強い雨が降る今年の日本の夏を象徴するような空模様となった。そのためドライ〜ウェット〜ドライと目まぐるしく変わる路面コンディションへの対応とタイヤ選択に選手は頭を悩ませることとなる。

前戦・モントレーを制してシリーズランキング争いでトップに立っている、「ADVAN-PIAAランサー」の奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組。前夜からの雨が路面を濡らしていたSS1「奥寄線 1(4.54km)」こそ勝田範彦選手組にベストを譲っての2番手スタートとなったが、SS2「成相線 1(8.24km)」で2.9秒先行してラリーリーダーのポジションを得る。さらに今大会最長で、2日間で5回走行するSS3「角突山線 1(9.58km)」では5.8秒引き離して、マージンを8.0秒に拡大してセクション1を終了。

1回目のサービスではタイヤを前後ローテーションしてセクション2に臨んだが、2走目になって路面はドライへと転じていく。そんな中で乾ききらないと見込んでいた奴田原選手組はやや苦戦を強いられ、2ループ目となるセクション2の各SSではベストを奪うに至らず。惜しくもSS6で逆転を喫して2番手にドロップした。

セクション3は成相線と角突山線の2本のみ。奴田原選手組は2回目のサービスで4本ともに新品のADVAN A050を装着して臨む。レッキ日の金曜日は夕方にスコールと表現したくなるほどの激しい雨が降ったが、土曜日はまぶしい太陽が最終ステージまでを照らした。奴田原選手組は2番手をキープ、9.1秒差でDay1をフィニッシュする。

その夜、関西や山陰の各地からは豪雨に関するニュースが次々と伝えられてきた。京丹後市も22時ころから雨が降り始め、夜のうちにSSは再びウェット路面へと転じていく。
日曜日のDay2、1号車のパルクフェルメアウトは8時ちょうど、選手たちがホテルをチェックアウトする7時ころの京丹後市内は小雨模様といった状況だった。

しかし、雨は勢いを弱めていき、この日のオープニングとなるSS9「大内線 1(5.15km)」は午前8時の時点で霧雨といった程度。路面はウェットで、完全に乾くまではいかないもののハーフウェット程度に転じる可能性は残されていた。

ところが気まぐれな空模様は、0カーが走りきった後の9時ちょうどぐらいから再び雨足の勢いを増してくる。この日は先頭となる勝田選手のスタート時刻は9時08分、このころには路面は完全なウェットとなっていた。

この路面で、前戦・モントレー同様にADVAN A050が圧倒的な高いグリップ性能を見せつける。奴田原選手組のタイムは3分39秒9、2番手の石田正史選手組をキロ1秒以上となる6.2秒上回る文句なしのステージベスト。対する勝田選手組は終盤にスピン、奴田原選手組の14.2秒遅れとなる。
これで5.1秒先行してトップを奪還した奴田原選手組。SS10、SS11と連続ベストでセクション4を終えて勝田選手組との差は11.8秒に拡大。

最終サービスに戻った奴田原選手組はこの日の朝に装着した新品タイヤをそのままに、残る2本ステージへと向かう。
路面はその間に再び変化、最後の一騎討ちはドライ路面での決戦となる。SS12「成相線 5」は勝田選手がベストで奴田原選手組との差を7.0秒に詰める。奴田原選手組はSS13の手前で限られた時間内でフロントタイヤをスペアとして搭載しておいたものに交換、これはサービスアウト時に想定していたもので佐藤選手とのコンビネーションワークも光る展開に。

そして最終のSS13「角突山線 5」はギャラリーも見守る中で6回目のステージベストを奪い、ターマック二連勝を飾ることに成功。Day2は満点デイポイントも獲得し、シリーズチャンピオン奪還に向けて大きな一勝を飾った。

JN2クラスはシリーズランキングリーダーの川名賢選手/小坂典嵩選手組が、2番手の天野智之選手組との“新旧ヴィッツ一騎討ち”を今回も繰り広げた。
川名選手組はDay1を天野選手組に対して11.8秒差の2番手であがり、Day2での逆転を目指す展開となる。そのDay2はウェット路面を想定してADVAN A050のG/2Sコンパウンドをチョイス。この選択が当たり、雨に加えてJN2勢が走るころには霧で視界も悪くなったSS9でベストを奪い、差を10.1秒に詰める。
さらにSS10でもJN3のトップタイムを上回るステージベストで猛追、天野選手組との差は7.4秒に。勢いは留まることなくSS11も3連続ステージベストでさらに0.9秒詰めていく。

残るステージは2本、17.82km。まずは注目のSS12「成相線 5」、ここで川名選手組は天野選手組を実に8.9秒上回るスーパーベストで一気に逆転、3.1秒のマージンを獲得。ところが、このままトップでフィニッシュかと思われたが、最終ステージで天野選手組がマキシマムアタック、惜しくも優勝は譲る結果となったが、しっかり2位でフィニッシュしてDay2は満点デイポイントも獲得、こちらも奴田原選手組と同様にチャンピオン獲得に向けてさらに一歩前進した。

JN1クラスは序盤からRX-8の難波巧選手/石下谷美津雄選手組が快走。ライバルがリタイアやペナルティで沈んでいったこともあり、早々に独走態勢を構築。7本のステージでベストタイムをマーク(SS5はキャンセル)して二連勝を飾った。
また、前回のモントレーはイノベーションクラスでの参戦だった日産リーフの国沢光宏選手/木原雅彦選手組が、今回はJN1クラスで出場。リニューアルした「BluEarth-A(ブルーアース・エース)を装着、“電費”にも貢献しながら優れたパフォーマンスで走りを支えた。その結果、電気自動車として全日本ラリー選手権では初めてとなる3位表彰台を獲得した。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 優勝】
Day2は朝からウェットだったので、前日までの9.1秒というビハインドをオープニングのSS9でどう詰めていくかがひとつの鍵でした。結果的にはこちらの戦略が当たりましたし、勝田選手がスピンで遅れたこともあり、ここだけで逆転することが出来ました。しかし、最終セクションのステージ2本は急速に路面が乾いたので、SS11を終えた時点で持っていた11.8秒のマージンでも決して安心出来るものではなく、最後まで気を抜けない展開でした。
ターマックを二連勝出来たことは、シリーズを戦う上で大きな意味がありますね。係数の大きい次戦のRally Hokkaidoが天王山になるでしょうが、そこへシリーズリーダーとして臨めることは間違いなく有利ではないかと思います。
川名賢 選手
 【今回の成績 : JN2クラス 2位】
Day2はADVAN A050のG/2Sコンパウンドでスタートして、3本を走り終えてサービスでG/Sコンパウンドに交換。前半がウェット、後半はドライに転じて行ったのでタイヤ選択は正解でした。SS12で天野選手を8.9秒上回って、それまでの6.5秒差を一気にひっくり返したのですが、最終のSS13で逆に6.4秒やられてしまって再逆転されて……、悔しいです!
2位は残念でしたが、2日目はトップのデイポイントを獲得出来て良かったです。
難波巧 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 優勝】
気がつけば周りがいなくなっていたので、独走で勝つことが出来ました(笑)。モントレーで雨は経験していますから、そんなに飛び出しそうにもならずに走りきれました。マシンの仕上がりも良くて、そんなに「危ないな」と感じる場面もありません。ただ、まだ長いアールのところとクネクネ道が得意ではありません。ドライバーのせいなのか、それともJN1では大きめのRX-8によるものなのか。逆に言えばそこが速くなれば、RX-8のポテンシャルはさらに底上げされていくと思います。
今年は残るターマック2戦に出場しますが、新城の雁峰林道は典型的なクネクネ道なので辛そうですね。ただ、パワフルなロータリーエンジンなので、2速や3速を使う場面は結構楽しいんですよ(笑)。
 
TOPICS
昨年に続いて2回目となる全日本選手権開催となった「丹後半島ラリー 2013」。京都縦貫林道にスペシャルステージを設け、スキー場を中心とした総合レジャー施設「丹後森林公園 スイス村」にギャラリーステージを用意して昨年同様の盛り上がりを見せた。

さらに今年は新しい試みとして、京丹後市中心部から車で15分ほどのところにある「丹後あじわいの郷」にラリーパークを開設した。この施設は京都府の農業公園であり、道の駅としても運用されている。

甲子園球場8個分に相当する34ヘクタールの敷地には、収穫体験農園や体験工房、動物と触れ合える場などがある。さらに四季を通じてさまざまな花が園内を彩るほか、アスレチックやパターゴルフ場、ゴーカードなど家族で一日楽しめる充実した施設だ。

ホテルも併設された人気のスポットだけに、ラリーパークではリグループを受ける選手やマシンを間近にして楽しんでいる家族連れの姿も多かった。主催者は将来的に広い敷地を活かしてギャラリーステージを設けたいという構想も持っており、これからの展開が楽しみなところである。
 
AREA GUIDE
ホストタウンの京丹後市は2004年に6つの町が合併して誕生した市であるが、2つの伝説が広く知られている。

「天女の羽衣伝説」は旧・峰山町に伝わっており、1200年以上前に書かれた「丹後国風土記」にも記されている。

一方、旧・大宮町に伝わっているのが「小野小町伝説」。絶世の美女と言われる平安期の歌人、小野小町が晩年を過ごして当地で生涯を終えたという言い伝えがあり、五十河地区には小町の墓(写真)が残されている。この墓は小町塚と呼ばれ、周辺は小町公園として憩いの場になっている。

また、五十河という地名も小町によって付けられたと伝えられており、日本各地に伝承されている小町伝説の中でも最も良くしられたもののひとつである。
 
TECHNICAL INFORMATION
前線の影響で不安定な天候となった丹後半島ラリー。南国のスコールにも似た強い雨によるウェット、それが止むと急速にドライに転じ、目まぐるしく変化する路面がタイヤの対応領域幅を試す展開となった。
そんな中で勝敗を分ける鍵となったのがウェット路面。ADVAN A050は持てるポテンシャルを遺憾なく発揮して、前戦のモントレー同様に優れたグリップ&コントロール性能が光る結果となり、ウェットとなったDay2のオープニングステージで奴田原文雄選手組の逆転劇が実現した。
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