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WTCC Round 1&2
開催日
2013年3月23日-24日
開催場所
モンツァ・サーキット
(イタリア)
天 候
第1レース : 雨
第2レース : 雨
路 面
第1レース : ウェット
第2レース : ウェット
決勝周回数
第1レース : 12周
第2レース : 10周
(1周 = 5,793m)
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発足から9シーズン目となる2013年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)が、昨年に引き続きイタリアのモンツァ・サーキットを舞台に開幕した。
レースウィークの月曜日は、ヨーロッパを寒波が襲い各地で降雪が見られた。この影響でドイツのVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)が中止となるなどモータースポーツにも少なからず影響があったが、モンツァは幸いにコースサイドの日陰に若干の雪が残っていたもののレースは予定通りに開催され、土曜日にはフリープラクティス2本と予選が行われた。

25台が参戦した開幕戦、シボレーがメーカー活動を昨年限りで終了した一方、ホンダは2台体制でマニュファクチャラーとして参戦し、YOKOHAMAトロフィーのZengo Motorsportもシビックにマシンをスイッチした。また、ミュニッヒ・モータースポーツがセアトの3台体制で新規参入するなど、大物ドライバーの移籍も含めて話題の多いシーズンインとなったが、フリープラクティスからトップタイムをマークして速さを見せたのは昨年までに続いてシボレーを駆るイヴァン・ミューラー選手。

昨年までのマニュファクチャラーチームとしてのシボレー、その母体となっていたRMLが独自のチームとして参戦を継続、持てるノウハウとミューラー選手の研ぎ澄まされたテクニックがリンクしたかたちで、予選でもQ1、そしてQ2とトップタイムを独占し続け、開幕戦のポールポジションを獲得した。さらに昨年はフォードを駆って参戦、今年はミューラー選手のチームメイトとなったトム・チルトン選手がQ2で0.859秒の僅差で2番手を獲得し、RML勢がフロントローを独占する。
そして3番手はバンブー・エンジニアリングからYOKOHAMAトロフィー登録で参戦するアレックス・マクドワル選手で、第1戦のスターティンググリッドはトップ3をシボレー勢が占める結果に。4番手はセアトのペペ・オリオラ選手となり、ここまでの4選手がコースレコードを更新した。
シリーズ屈指の高速型コースであるモンツァ。昨年と比べてマシンの進化はもちろんだが、コースも最終コーナーの手前からメインストレートにかけて路面改修が施されており、これによって最終コーナーの脱出速度とストレートでのトップスピードが向上したことも、予選タイムのアップにつながったようだ。

予選が行われた土曜日から一夜明けた決勝日は、朝から冷たい雨がコースを濡らすコンディションに。決勝第1レース(第1戦)のスタート時点で気温は7℃、路面温度は9℃という寒さにモンツァは包まれた。

ワンメイクサプライヤーとしてヨコハマタイヤがWTCCを足元から支えるようになって今年で8シーズン目、その開幕戦は全車がウェットタイヤを装着してスタートを迎えることとなった。第1戦はセーフティカースタートとされて、当初予定の10周から11周に決勝周回数が増やされてフォーメーションラップが始まった。

ローリングスタートの第1レース、1周目を先導したセーフティカーがコースを離れて2周目でグリーンフラッグが振られる。上位陣は慎重な走りで1コーナーのシケインを通過、グリッド順のままで隊列走行が続く。一方、後方から猛追してきたのは、昨年のチャンピオンで今年はセアトを駆るロブ・ハフ選手。予選では他車との接触によりタイムを残せずQ1で姿を消したハフ選手、最後尾から雨の中を気迫の走りで周回し、5周を終えて11番手にまでポジションを回復した。

また9番手スタートのホンダ・シビックを駆るガブリエレ・タルクィーニ選手も、じわじわと順位を上げてきた一人。4周目にはセアトのマルク・バッセン選手をかわして6位に浮上した。しかし昨年のFIA GT1選手権チャンピオンでもあるバッセン選手も逆襲、メインストレートでサイド・バイ・サイドに持ち込んで5周目に突入。ターン1のシケイン、タルクィーニ選手は縁石に足元をひっかけて一寸姿勢を乱す。そこを突いてバッセン選手がマシンの鼻先をインにねじこんで来たが、タルクィーニ選手もしっかり防戦して横に並ぶことを許さない。
両者のバトルが熱を帯びてきたが、ここでステファノ・ディアステ選手が単独クラッシュを喫したためにセーフティカーが導入され、バトルは“水入り”に。

7周目にレースは再開、決勝周回数は12周となる。スタートからトップ3を守ってきたシボレー勢はポジションをそのままに、後続との差を拡げにかかる。一方、タルクィーニ選手は猛チャージ、この周回でジェームス・ナッシュ選手(シボレー)をパスして5番手に浮上すると、後方ではハフ選手も9番手にポジションアップ。

さらにタルクィーニ選手は、WTCCと併催のETCC(ヨーロッパ・ツーリングカー・選手権)にもエントリーして優勝を飾っているペペ・オリオラ選手(セアト)をパスして4番手、表彰台まであと一歩と迫るも追撃はここまで。

結果、イヴァン・ミューラー選手がポール・トゥ・ウィンで初戦を飾り、チームメイトのトム・チルトン選手とRMLのワン・ツー・フィニッシュを達成。3番手にはYOKOHAMAトロフィーでトップとなるマクドワル選手が入り、シボレー・クルーズ勢が初戦の表彰台を独占した。

第2レース(第2戦)は、Q1の結果によるトップ10のリバースグリッド。ポールポジションはBMWのダリル・オーヤン選手、2番手グリッドはラーダのジェームス・トンプソン選手が予選でのクラッシュにより不出走となったため、繰り上がりでバッセン選手がついた。

スタンディングスタート方式の第2レース、本来ならFR(後輪駆動)のBMW勢が得意とするところだが、ウェットコンディションの下で驚異的なロケットスタートを披露したのはタルクィーニ選手だった。
レッドシグナル消灯と同時に絶妙のスタートを切ったタルクィーニ選手は、マシンをアウト側の5番手グリッドからイン側へと振り、一気にオーヤン選手に詰め寄っていく。ターン1のシケイン進入こそオーヤン選手がトップを死守したものの、インから攻めたタルクィーニ選手はシケインを立ち上がったストレートで一気にオーヤン選手をパスしてトップに浮上した。
さらにスタートではやや出遅れたバッセン選手が、ミシェル・ニュケア選手(シボレー)やミューラー選手とともにオーヤン選手をかわして、第1レースの借りを返さんとばかりに再びタルクィーニ選手を追撃にかかる。

ただ、4周目のターン1、その出口でバッセン選手が犯した小さなミスを見逃さなかったのは、真後ろにつけていたミューラー選手。一寸の隙をついてバッセン選手をかわすと、タルクィーニ選手の背後にピタリとつけてプレッシャーをかけていく。そしてついにターン10の先でタルクィーニ選手をパス、ミューラー選手が第1戦に続いてレースリーダーの座を手中におさめた。

ここからのミューラー選手は、リーダーに立って視界が開けたこともあってタルクィーニ選手との差を拡げていく。トップに立ったばかりの4周終了時点では0.391秒だった差が、5周を終えて2.435秒、6周を終えて3.476秒と、周を重ねる毎に拡大。

一方、バッセン選手は6周目のターン1シケインを真っ直ぐ通過してしまい、3番手のポジションをニュケア選手に明け渡してしまった。ニュケア選手はバッセン選手の追撃をかわしながらも前を行くタルクィーニ選手に食らいついていく。7周目に入って一度はニュケア選手がコーナーでタルクィーニ選手の前に出るも、ストレートでの加速でタルクィーニ選手が挽回して2番手争いが白熱。サイド・バイ・サイドの攻防が続いたが、後半のアスカリで再びニュケア選手が前に出て今度はガッチリと2番手のポジションを奪う。

こうした激しい攻防戦をよそに、トップを奪ってからは誰にもそのポジションを脅かされることなくミューラー選手はチェッカーまでマシンを運び、昨年に続いて開幕のモンツァで2連勝を飾ることに成功。2位はニュケア選手が続いてYOKOHAMAトロフィーを制した。そして3位ではタルクィーニ選手がフィニッシュ、ホンダ・シビックを駆っての開幕戦で表彰台を獲得することに成功した。
 
Driver's Voice
イヴァン・ミューラー 選手
 【今回の成績 : 第1戦 優勝 / 第2戦 優勝】
第1戦は予想していたよりもタフな展開でした。特に私のマシンは2周目を終えて、ワイパーが動かなくなってしまったのです。しかし、幸いにもこの時点でトップに立っていましたから、2番手以降のポジションで先行車の水しぶきを受けるようなハンデを負うことはありませんでした。
プッシュを重ねてリードを拡げた時にセーフティカーが導入されるのは残念なことですが、これもまたレースであるということです。
第2戦は前の車のテールランプすら見えないような状況の中、10番手グリッドからのスタートは決して簡単ことではありませんでした。走行中はベストなブレーキポイントを見いだすことも慎重さを要し、時には自分の居場所がわからなくなってコーナーの約500mも手前からブレーキングをしてしまいました。
しかし、これらは誰にとっても同じ条件でした。そんな中で私は勝つことよりも上位5台の中でフィニッシュするために、集中して周回を重ねていきました。
一歩一歩ミスを犯さないように前進を続けた結果、ライバルたちが犯した小さなミスが私にとってポジションを上げることの助けになっていったのです。
アレックス・マクドワル 選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAトロフィー 第1戦 優勝(総合 3位) / 第2戦 12位(総合 20位)】
開幕戦の表彰台に立てるのは素晴らしいことです。しかし正直に言えば、これは少しばかり予想外の結果でもあります。
難しい路面コンディションゆえ、私はコース上にしっかり留まっていれば大丈夫だろうとおもっていました。先行車の巻き上げる水煙で視界がとても悪かったので、RMLの2人についていくのは難しいと思いました。だから私はコースをしっかり捉えることに集中して、彼らを無理には追いませんでした。
そのうちにタルクィーニ選手が背後からプッシュしてきたので、終盤ではペースアップを試みようとしました。しかし、シケインをショートカットして突っ切ってしまいました。このことは良い教訓にもなりました。ミラーに彼のヘッドライトが写っていても、二度と同じことを繰り返しはしません。
ミシェル・ニュケア 選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAトロフィー 第1戦 12位(総合 20位) / 第2戦 優勝(総合 2位)】
今日は本当に難しいレースでした。第2レースではドライブシャフトが破損したのですが、それでも総合2位を獲得できたのでチームスタッフともども嬉しく思っています。バッセン選手とタルクィーニ選手を追い抜くのは難しいことでした。しかし、タルクィーニ選手は私の友人であり、これをパスすることが出来たのは嬉しいことでした。
マクドワル選手とナッシュ選手、さらに他にも多くの選手が私と同じシボレー・クルーズで戦っており、強豪が揃っています。そんな中で私は、総合5位以内のポジションを獲得していきたいと思っています。もちろんそれが容易な事ではないことも、十分に理解していますが。
 
FEATURED DRIVER
■マルク・バッセン 選手 (ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)

2013年のWTCCは新規参戦も多いが、最も注目を集めているチームがMunnich Motorsport(ミュニッヒ・モータースポーツ)。2006年にレネ・ミュニッヒ選手が興したチームであり、自らが経営するウェブホスティングサービスやドメイン管理を行う企業の名を冠して活動を拡大してきた。

2012年にはFIA GT1選手権でチャンピオンを獲得。しかし、その一方ではチームオーナーでもあるミュニッヒ選手自身が、鈴鹿サーキットで開催されたWTCC日本ラウンドにSpecial Tuning Racingから参戦していた。

そして2013年、新たな戦いの場としてWTCCを選んだチームは、3台体制での参戦を決定。1台はミュニッヒ選手自身がドライブ、もう1台には昨年のチャンピオンであるロブ・ハフ選手が乗ることで話題を集めている。そして、残る1台を駆る選手もビッグネームだ。

そのドライバーこそが、FIA GT1チャンピオン経験者であるマルク・バッセン選手。1978年12月生まれのドイツ人で、レーシングカートからモータースポーツ歴をスタートさせている。その後、ポルシェ・カレラカップやルノー・スポーツ・クリオトロフィーなどで実績を重ねてレーシングドライバーとしての頭角を表した。

2007年にはデイトナ24時間レースのGTクラスで優勝を飾るとともに、ニュルブルクリンク24時間レースのGT3クラスでも3位表彰台を獲得。2009年にもデイトナやニュルブルクリンクの24時間レースで好成績をおさめ、2010年からはFIA GT1選手権にステップアップして3シーズンを戦ってきた。

2013年はWTCCの開幕を前に、デイトナ24時間レースでアウディ R8 LMSを駆り、ワン・ツー・フィニッシュに貢献。満を持してのWTCC初戦となったモンツァでも好走を披露、第2戦では表彰台まであと一歩と迫る4位でフィニッシュした。
トップドライバーの移籍や新興勢力の進出など、チャンピオン争いの行方を占うのが難しい2013年のWTCC。そんな中で主役の一人となりそうなのがマルク・バッセン選手であることは、間違いなさそうである。
 
Technical Information
レポートにもあるように、モンツァは最終コーナー手前からストレートにかけて施された路面改修により、最終コーナーのパラボリカのグリップ力が上がったことも要因となって予選では全般的にタイムアップが見られた。マシンもオフシーズンに進化した部分が大きく、結果として予選では上位4台がコースレコードを更新したが、ADVANレーシングタイヤがそのポテンシャルをしっかり受け止めていたのは言うまでもない。
なお、改修を受けていないコースの大半は舗装が古く、ドライコンディションでも路面μは低めである。今回は決勝がウェットコンディションとなったこともあり、全体としてFF(前輪駆動)勢に有利な展開となったようだ。

シビックが表彰台を獲得した第2レースは、第1レースよりやや雨量が多めとなった。そんな中でウェットの経験がテストにおいて少ないシビックであったがトラクション性能が昨年よりアップしているようで、スタートにおける好ダッシュやコーナー出口での速さを見せていた。
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