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WTCC Round 15&16
開催日
2013年8月2日-4日
開催場所
アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド (アルゼンチン)
天 候
第1レース : 晴れ
第2レース : 晴れ
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 12周
第2レース : 11周
(1周 = 4,806m)
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ヨーロッパラウンドを終えて、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は一気に南アメリカへと戦いの舞台を移した。WTCC初開催となるアルゼンチン、首都・ブエノスアイレスから北西におよそ1,000km離れたアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで第15&16戦が行われた。

このコースは2008年にオープンしているが、近年になって全面改修を受けた。ゆえに舗装も新しくコース幅も広い南米屈指の国際サーキットに生まれ変わっている。ただ、全体的な改修のスケジュールは遅れ気味のようで、観客席に加えてピットガレージもまだ完成していない。ゆえに仮設スタンドと大型テントによるピットが設けられていた。

ヨーロッパを離れての大会ということで、金曜日に30分間のテスト走行が行われるところからレースウィークが本格的にスタート。まずは長旅を経てアルゼンチンまで運ばれたマシンのチェックや、コースの習熟を各チームは進めていく。

土曜日はお昼までに30分のフリープラクティスが2回行われる。ここまで、テスト走行と1回目のプラクティスはイヴァン・ミューラー選手(シボレー)がトップタイム、RMLのチームメイトであるトム・チルトン選手(シボレー)が2番手で続き、2回目のプラクティスではポジションを入れ替えてチルトン選手がベスト、ミューラー選手がセカンドタイムを刻んできた。

予選になっても両者の速さは変わらず、Q1こそチルトン選手が6番手に留まったものの、Q1の上位12台によって競われるQ2ではミューラー選手が唯一の1分47秒台となる1分47秒920をマークしてトップに立つと、0.503秒差の2番手でチルトン選手が続いた。
また、今回はシビック勢もシボレー勢に割ってはいる速さを披露。Zengo Motorsportのノルベルト・ミケリス選手が3番手、JAS HONDAのガブリエレ・タルクィーニ選手が4番手、同じくティアゴ・モンテイロ選手が7番手を獲得。もう一人、地元アルゼンチンでツーリングカーの使い手として知られているホセ・マリア・ロペス選手(BMW)も、Q2で10番手を獲得して第2レース(第16戦)のポールポジションを射止めることに成功した。

レースウィークを通じて天候に恵まれたアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド。南半球ということで季節は冬だが、ウォームアップが行われた朝方こそ気温は10℃と低かったが、決勝第1レース(第15戦)のスタートが切られる14時20分には23℃にまで上昇。路面温度は40℃というコンディションで、アルゼンチンで初めてのWTCCは決勝レーススタートの時を迎えた。

2周のフォーメーションラップを経てローリング方式で切られたスタート、レッドシグナル消灯と同時に抜群の加速を見せて1コーナーを奪ったのはミューラー選手。その後方ではミケリス選手がチルトン選手をかわしてポジションをひとつあげて2番手に躍進する。さらにタルクィーニ選手とオリオラ選手が続いてチルトン選手をかわしたが、その後にタルクィーニ選手はコースを外れてしまい、7番手にまでドロップしてしまった。

ミューラー選手が序盤から後続を引き離す一方で、熾烈さを極めていったのが2番手争い。ミケリス選手をオリオラ選手が激しくプッシュ、しかし一度は二人の先行を許したチルトン選手が猛追してオリオラ選手の真後ろにつける。3周目にはバックストレートエンドでオリオラ選手がミケリス選手の横に並ぶも、前に出るまでは至らず。それどころか、オリオラ選手は逆にチルトン選手に詰め寄られるかたちとなり、ターン7で先行を許してしまう。

順位を入れ替えたシボレーの両者は、引き続きミケリス選手を追う。バックストレートエンドでまずはミケリス選手にアウトからチルトン選手が並ぶが、完全に前には出られずサイド・バイ・サイドの攻防が続く。しかし最終コーナーで一寸の隙を見逃さなかったチルトン選手がミケリス選手をかわし、さらにこれにオリオラ選手も続いてミケリス選手は4番手に後退する。

こうしたバトルを尻目に、ポールポジションからスタートしたミューラー選手は“一人旅”が続いた。結果的には誰にもポジションを脅かすことなくマシンをチェッカーまで運び、今季6勝目を飾ることに成功した。また、2番手はオリオラ選手、3番手はチルトン選手となり、シボレー勢が表彰台を独占。
YOKOHAMAトロフィーは10番手スタートから5番手にまでポジションをあげてフィニッシュした、地元からの初参戦ドライバー、ロペス選手が制して強さを見せた。

第1レースのスタートからちょうど2時間後、現地時間の16時20分にスタートした第2レース(第16戦)。第1レースで5位フィニッシュのロペス選手がポールポジション、2番手にはYOKOHAMAトロフィーのランキングトップに君臨するミシェル・ニュケア選手(シボレー)というフロントローだ。

ややダスティなコースコンディションの下で、レッドシグナルが消灯してスタンディング方式で第2レースがスタート。車両特性的にこの方式を得意とするBMWのロペス選手が好スタート、一方のニュケア選手はやや出遅れてしまい、コースセンターからダッシュしてきた4番手スタートのティアゴ・モンテイロ選手(ホンダ)に1コーナーを奪われてしまう。

2周目に入り、主力勢がトップグループ争いに加わってくる。10番手スタートのミューラー選手は次々に先行者をパスして5番手にポジションアップ。また、7番手スタートのタルクィーニ選手も同様にポジションを上げてきたが、ニュケア選手を捉えてアウトからかわしにいくも、その前を走っていたチームメイトのモンテイロに進路をふさがれるようなかたちになって、アンラッキーなコースオフ。

この隙にミューラー選手とジェームス・ナッシュ選手(シボレー)が先行して、それぞれ3番手と4番手となる。しかし3周目にナッシュ選手と、猛追したニュケア選手が接触してタルクィーニ選手が両者をかわして4番手にポジションを回復、激しい上位争いはますます白熱していく。

ロペス選手は中盤に入っても快調に周回を重ね、モンテイロ選手の追従を許さない。逆にモンテイロ選手はミューラー選手の激しいプッシュを受ける立場となるが、5周目にアクシデントが起こった。
このコースで重要なパッシングポイントのひとつとなるバックストレートエンド、そこに向けて激しくスリップストリームの奪い合いが演じられるのだが、コーナー進入でブレーキングしたモンテイロ選手にミューラー選手が追突。モンテイロ選手のシビックは大きくコースを外れ、ミューラー選手は2番手となった。しかしこの接触に対してミューラー選手にドライビングスルーペナルティが科せられて、ミューラー選手は万事休す。

これでトップを走るロペス選手を追う2人が後退、ロペス選手は約4.5秒後ろにいるタルクィーニ選手との差だけを気にすれば良い立場になった。経験豊富な大ベテラン、しかし地元でコースを知り尽くしているロペス選手が優位に立っていたのは間違いない。
大歓声が送られる中でロペス選手はファイナルイン、そのまま母国で初開催となったWTCCのウィニングチェッカーを受け、サーキットは興奮に包まれた。
 
Driver's Voice
イヴァン・ミューラー 選手
 【今回の成績 : 第15戦 優勝 / 第16戦 13位】
今日の勝利は私自身のみならず、チームの全員にとって嬉しいものです。チームは素晴らしい仕事をして、私に最高のクルマを提供してくれました。そしてアルゼンチンで初めてのWTCCに勝利して喜ぶことが出来たのです。
コースは高速レイアウトで幅も広く、パッシングも難しいものではありませんでした。
スタート直後に後ろから誰かに接触されましたが、それが他の選手が詰め寄ってきた唯一の瞬間でした。そこからは幸いにしてバトルは私の後ろでのみ展開され、タイヤに無理な負担をかけることもなく速いラップを刻んでいけました。
ホセ・マリア・ロペス 選手
 【今回の成績 : 第15戦 5位(YOKOHAMAトロフィー 優勝)/ 第16戦 優勝(YOKOHAMAトロフィー 優勝)】
ポールポジションから(第16戦の)スタートを迎えることは緊張しました。
ウォームアップ走行ではクルマの状態がとても良いことを確認出来ていました。第1レース(第15戦)では良いペースで走ることが出来たので、第2レース(第16戦)での勝利を予感していたのです。
スタートを巧く決めて、新品タイヤで最初の数周でマージンを稼ぎました。しかし背後からミューラー選手が迫ってきているのを見て、これは難しい勝負になると思い始めたのです。ところがミューラー選手の姿が消えて、これで勝てると感じました。
素晴らしいトップドライバー達と競い合うことで、まさか勝てるとは思ってもいなかった今回のレースですが、夢が叶いましたね。
 
Technical Information
初開催となったアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド。改修を受けたばかりの施設はピットガレージが仮設テントであるなど施設の不備も見える部分があったが、コースそのものは選手からの評判も良かったようだ。
全般的に起伏はそれほど大きくないが、舗装が新しいことから路面そのもののグリップは低め。ゆえにスライドを誘発しやすくタイヤの温度も上昇傾向が見られたが、タイヤへのシビアリティという面では決して高くはない部類に入る。2レースとも、トップグループのみならず随所で激しいポジション争いが演じられたが、ファイナルラップまでADVANレーシングタイヤは選手たちの熱い走りをノートラブルで支え続けた。

なお、サーキットの周囲には砂漠があり、細かい土が風に乗って運ばれてくる。さらにWTCCならではのアグレッシブな走りがランオフエリアの土をコース上に出すことから、レースを通じて路面は土埃によりダスティな状態が続いていた。
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