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GT500 Class GT300 Class TIRE ENGINEER
 
2011年、毎年激戦が続くGT500クラスには、昨年同様KONDO RACINGが走らせる「ADVAN KONDO GT-R」に加え、GT500にステップアップを果たしたGT300チャンピオン経験チームであるLEXUS TEAM WedsSport BANDOHの「WedsSport ADVAN SC430」がエントリー。ADVAN陣営はニッサンGT-RとレクサスSC430という2台のユーザーにタイヤを供給することとなった。

ユーザーが増えたことでコンペティションという点はもちろん、ADVANとしてタイヤ開発という部分でも一層のパフォーマンス向上が求められるシーズンとなったわけだ。
事実上の開幕戦となった第2戦富士で「WedsSport ADVAN SC430」が怒濤の追い上げを見せ劇的な3位表彰台を勝ち獲り、続く第3戦以降は「ADVAN KONDO GT-R」がセパン、SUGOと連続4位入賞を飾るなど安定感ある戦いを展開するも、惜しくも優勝、そしてチャンピオンという頂点には届かなかった。

2011年の激闘を終えた「ADVAN KONDO GT-R」の近藤真彦監督、そして「WedsSport ADVAN SC430」の坂東正敬監督に、今シーズンの総括、そして来るべき2012年シーズンへの思いを聞いた。
 
チーム2年目となる安田裕信選手を若きエースドライバーに据え、新たに速さと経験を兼ね備えたビヨン・ビルドハイム選手を迎え、新体制で2011シーズンに臨んだ「ADVAN KONDO GT-R」。

事実上の開幕戦となった第2戦富士では、雨の決勝で序盤にビルドハイム選手がトップに立ち、いきなり優勝かと思われたが、予期せぬ視界不良というトラブルで後退し7位に。その後岡山では9位も、セパン、菅生と連続して表彰台目前の4位を獲得。オートポリスでも5位を得るなど非常に安定した戦いぶりを見せたものの、惜しくも2007年から毎年必ず1回はマークしてきた優勝には手が届かなかった。

「確かに今季はこれといって大きく目立ったレースは出来なかったかもしれませんが、ことタイヤに関しては"凄く強くなったな"と感じたシーズンでした」と振り返るのは、KONDOレーシングの近藤真彦監督。

「もちろんコンディションによって一発が出なかったりだとか、雨で今ひとつだったりということはありましたが、通常のドライコンディションでの決勝を通じたアベレージなど、タイヤのパフォーマンスとしては、ここ3年くらいの中では一番良かったと思います。そういう意味でADVANのタイヤとしての完成度は高いものがあったと言えるでしょうね」と、手応えを口にする。

では、自身のチーム、ことさらふたりのドライバーについての評価はどのようなものだったのだろうか。

「ビヨン選手に関しては他メーカーの陣営から移籍して来て、初めて乗るGT-RやADVANのタイヤに彼なりに戸惑った部分がかなりあったように思います。しかし安田選手に関しては、もう若手じゃないと思っていますし、ニッサンの日本人ドライバーの中では僕は一番買っているドライバーです。
ただ、本山哲選手、松田次生選手といったニッサンの先輩ドライバーたちを思えば、ニッサンのGT500に乗る日本人ドライバーとして、あれぐらい走って当たり前かなと。とはいえ安田選手には一発もあるし、ヨーロッパのドライバーのような、"なにかやってくれるんじゃないか"と思わせる部分がある。
タイヤに関して今季は彼にすべて任せていますし、きっと彼は今ドライバーとして大事な成長期にあるんでしょうね」

では、来季に向けてのポイントはどこにあるのだろうか。

「やはりタイヤの開発をしっかりやる、というのがポイントですね。これまでインターミディエイトがうまく使えないことが多かったのですが、テストを踏まえて臨んだJAF GPでは、うまくインターミディエイトのパフォーマンスを引き出すことが出来た。
そういった進歩、手応えを感じているので、来年、再来年とさらに良いタイヤを作って行くことが大事だと思います」

来るべき来季に向けて、「2012年は年に1回は、なんて言わず2回くらい優勝して、チームについてもタイヤについても周囲からうらやましがられるくらいの戦いを見せたいですね」と結んだ近藤監督。2011年の「ADVAN KONDO GT-R」は、跳躍を前にした足場固めのシーズンだったのかもしれない。
 
GT300を制し、GT500へとステップアップしたLEXUS TEAM WedsSport BANDOHが走らせた「WedsSport ADVAN SC430」。GT500初挑戦というチームと、片岡龍也選手と荒聖治選手というGT500経験豊富なドライバーのタッグは、雨中決戦となった緒戦の富士でADVANタイヤとともに予選14番手から激走、いきなり周囲をあっと驚かせる3位表彰台を獲得してみせた。

しかし、開幕前に充分なテストが出来なかったことも影響し、その後はSUGOで8位、オートポリスで7位を得たものの、GT500初年度は苦しい戦いの連続となった。

「3月にクルマが組み上がり、事実上の開幕戦となった雨の富士で3位表彰台を得たわけですが、あそこまではADVANタイヤやレクサスSC430というクルマのポテンシャル、そして経験豊富なドライバーに助けられている状態だったと思います。震災などの影響で、他チームも充分なテストが出来ていなかったという状況もあったでしょう。
ですから3位表彰台とはいえ、何かが見えていたわけではなかったんです」とLEXUS TEAM WedsSport BANDOHの坂東正敬監督は、いきなりの表彰台を自己分析する。

「しかしシーズンを終えた今、今年は自分たちに何が足りなかったのかをある程度理解できた1年だったと思いました」と語る坂東監督は、「道具や環境こそ違えど、同じくGT500に新規参入してきたMOLAさんがタイトルを獲った。彼らはGT300時代と同じ流れのまま、ドライでもウエットでも安定して強さを発揮するチームだったわけで、彼らに比べれば自分たちは20点くらいだったかもしれない。
けれど、チームとしてもっとスタッフや周囲の関係者と密なコミュニケーションをとっていかなければGT500では成績を残せないことも分かりましたし、今季足りなかったことや来季チャレンジすべきことが今は見えています。

だから、今シーズンの満足度は20%だったかもしれないけれど、来季に向けた意欲という点では120%とか140%といったものが出て来ている状態で、オフ、そして来季が楽しみで仕方がないんです」と、非常にポジティブな状態にあると笑顔を見せる。

「GT300同様、GT500でもADVANといっしょにチャンピオンを獲るという夢が僕にはありますし、テストが出来るようになって徐々にその成果は結果やタイムに現れて来ています。チャンピオンを獲るためには、いつも4番バッター頼みでは、その選手が不調になったら結果は望めませんよね。
でもウチは他のチームに無い結束力があると思っていますので、全員野球も出来る。それでいて、これから4番バッターを軸とするチームにも変化して行けるフレキシブルさがあるわけで、非常に楽しみだし、来季に向けたモチベーションの高まりを感じているところです」

シーズン後半にはタイヤ開発も進み、セットアップの方向性も見出すことが出来た「WedsSport ADVAN SC430」。2年目の来季は、"GT500ルーキー"というエクスキューズはもう必要なさそうだ。
来季に向けて飛躍を誓った両監督の言葉に期待が高まるGT500のADVAN勢。

次のページでは、壮絶なタイトル争いを最終戦まで繰り広げ、勝って決着をつけて悲願のチャンピオンを獲得した谷口信輝選手/番場琢選手組の活躍を中心に、GT300クラスの2011年シーズンを振り返ります。
[UPDATE : 9.Dec.2011]
         
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