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41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
41th. ADAC 24h Rennen Nurburgring
ニュルブルクリンク24時間レースとは 今年のニュルブルクリンク24時間レース ヨコハマタイヤとニュルブルクリンク
ニュルブルクリンクは、スポーツカーの聖地とも呼ばれる名門コース。このコースが見える多彩な表情は、自動車の運動性能を厳しく鍛え上げ、幾多の自動車メーカーが開発の重要なステージとして捉えている。
それは自動車の走りを司るタイヤについても同じ。ヨコハマタイヤは長年にわたってニュルブルクリンクでタイヤ開発を進め、24時間レースをはじめとしたモータースポーツの最前線でもタイヤの性能を磨き上げている。
タイヤ開発の重要なステージとして
ニュブルクリンク24時間レースで数多くのユーザーをサポートするヨコハマタイヤは、レース活動のほか、ニュルブルクリンクでタイヤ開発を実施。多くの自動車メーカーやパーツメーカーと同様にテストセンターを設置し、1980年代からレーシングタイヤや市販のハイフォーマンスタイヤの開発を行ってきたのだが、ヨコハマタイヤがニュルブルクリンクで開発を行っている理由が独特の路面形状と路面コンディションだと言えるだろう。

同コースは他のサーキットと違って大胆なカントが付けられているほか、路面コンディションも気まぐれな天候の影響により、ドライとウェットのパートが入り交じっているのだが、エンジニアによればこの条件がタイヤ開発において極めて重要になっているという。
独特のコンディションを走ることで他のコースでは得られない様々なデータを収集することが可能。さらに新しい技術の善し悪しや方向性の検証も、ニュルブルクリンクであればすぐに判断することができるのだ。

また、ニュルブルクリンクはヨーロッパでのブランドイメージが高く、日本にとっての鈴鹿サーキットや筑波サーキットのように、ノルトシュライフのラップタイムが "物差し"のような存在となっていることから、技術的な部分だけでなく、マーケティング的にもニュルの重要性は高い。つまり、同コースを拠点にパフォーマンスの高いタイヤを作ることができれば、プロモーションにおいても絶大な効果が期待できるからだ。

2006年にはコースに隣接するテストセンター(写真)を増設するなど開発体制が強化したヨコハマタイヤ。レース専用タイヤはもちろんのこと、市販のハイパフォーマンスモデルの進化にも、ここニュルブルクリンクが重要な存在となっているのだ。
モータースポーツから生まれる新技術
「レースは走る実験室--」とは、モータースポーツシーンでよく耳にする言葉だが、タイヤ開発に関してもモータースポーツ活動で得た技術とアイデアを市販タイヤへフィードバックするケースは少なくない。
ヨコハマタイヤにおいてもニュルブルクリンク24時間レースやSUPER GTなど国内外のレース活動の経験が、ADVAN Sport V105やADVAN NEOVA AD08Rなどのハイパフォーマンスタイヤに注ぎ込まれている。

タイヤを構成する要素である構造、コンパウンド、トレッドパターンのどれもについて、多くの新しい技術がモータースポーツ活動から生まれ、それらの組み合わせで開発したタイヤをプロトタイプとしてモータースポーツ競技に投入することも多い。過酷なモータースポーツの現場でグリップや耐久性などのデータを確認したうえで、その技術が市販モデルに導入されているのだ。

もちろん、全ての技術が市販化されるというわけではなく、モータースポーツ専用のタイヤで使われるに留まることもある。
しかし、新しいアイディアやコンセプトの善し悪しを確認するためにモータースポーツは最適なフィールドで、短い時間で極限的な状況下での性能までを見極めることが出来るのだ。

つまり、ADVAN Sport V105の新構造による俊敏なハンドリングも、剛性の最適化による快適な乗り心地も、そのエッセンスの核になっているものは、モータースポーツで培われた技術と言っても過言ではない。さらにADVAN NEOVA AD08Rのグリップ力の高いコンパウンドも、元をただせばモータースポーツのなかで検証されてきた技術と言えるだろう。

このようにモータースポーツは市販タイヤの開発に欠かせない要素で、激しいバトルシーンのなかで新しい技術とアイディアが磨かれているのである。
ニュルは市販タイヤ開発に最適な環境
■石黒 禎之 (横浜ゴム MST開発部 技術開発1G
SUPER GTのGT300クラスをはじめ、世界各国で多くの車種がモータースポーツシーンを飾っているFIA GT3車両など、グランドツーリングカーのレーシングタイヤ開発を担当するエンジニア。
ニュルブルクリンクはアップダウンが激しいし、国内のサーキットと違ってカントも付いていますからね。それに特有のウェザーの影響で路面コンディションが東と西、北と南で異なるので技術的には得る物が多いと思います。
最近はSUPER GTなどの国内レースをメインに開発が行われていますが、ニュルでは耐久性を含めてパフォーマンスを確認できるので、市販タイヤの開発には最適な環境だと思いますよ。

もちろん、特殊なコンディションなので、レース用タイヤも得る物が大きいですね。24時間といっても1スティントの距離はだいたい決まっているので、基本的にニュルブルクリンク24時間レース用のタイヤはSUPER GT用のタイヤとスペック的には大きく変わらないんですけれど、ナイトセッションがありますからね。路面温度が低いので、ソフトタイヤなどコンパウンドのバリエーションを増やすようにしています。
あとはタイヤの加工が許されているので、カットスリックなんかもニュルブルクリンク24時間レースならではの特徴と言えるでしょう。

今大会はシュルツ・モータースポーツのニッサン・GT-Rなどユーザーの多くがトラブルに見舞われましたし、悪天候の影響でレースが中断になったりと様々なハプニングがおきました。しかしレース再開後は、GT-Rが8分47秒台で走行していたので、タイムを見る限り、スリック、カットスリックのパフォーマンスは悪くなかったと思います。
耐久性も問題はありませんでしたが、ウェットに関しては予想以上に路面温度が低くなっていたので、多くの課題が見つかったことも事実です。

今年のニュル24時間のデータをもとに、ベースアップしていきたいと思います。
ニュル24時間はタイヤメーカーにも重要な一戦
■関口 和義 (YOKOHAMA Europe GmbH)
モータースポーツの企画業務を経て、現在はドイツ・デュッセルドルフのYOKOHAMA Europe GmbHに在籍。欧州全域のマーケティングやプロモーションにモータースポーツも幅広く活用している。
ニュルブルクリンク24時間レースは数多くの自動車メーカーが参戦していますので、タイヤメーカーとしてはタイヤのパフォーマンスを証明する絶好の機会。自動車メーカーに対するプレゼンテーションとして重要なレースになっています。

それに1980年代からヨコハマタイヤはテストセンターを設置してタイヤの開発を行って来たことからも分かるように、技術的にもメリットが大きい。ニュルブルクリンクは過酷な環境なので、耐久性の確認にもベストなコース。ニュルブルクリンクで問題なければ、どこのサーキットでも問題ないですからね。
FIA-GT3モデルのタイヤはSUPER GTのGT300クラスで開発されていますが、ヨーロッパのレースで戦うためには特有の路面コンディションで走れないといけないので、日本のレースで作ったタイヤをニュルブルクリンク24時間レースやVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)で確認しています。

もちろん、ニュルブルクリンクはドイツでメジャーなサーキットなので、レースの成績やラップタイムは自動車メーカーだけでなく、プライベーターを中心とするその他の参加者に向けてもPRの効果は高いと思います。

それにノルトシュライフを走行している人の多くがハイパフォーマンスをタイヤを選んでいるので、市販モデルに関してもニュルブルクリンク24時間レースはモータースポーツファンやエンスージアストなどの自動車愛好家に対するプロモーションに最適です。
このようにニュルブルクリンク24時間レースは、タイヤメーカーにとって技術的にもマーケティング的にも重要なレースになっています。
[UPDATE : 5.Jul.2013]
         
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