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日程・レポート・結果表 2011年のWTCC WTCCを戦うタイヤ
[LINK] 公式ウェブサイト 参戦車両の概要 主な参戦車種
Preview|次戦のプレビュー
2005年の発足から7シーズン目を迎えているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)も、いよいよこの週末に開催されるマカオ・グランプリで最終戦を迎える。発足から最終戦の舞台として用意され続けているマカオだが、2006年にADVANがワンメイクコントロールタイヤとなって以降は、併催されるF3インターコンチネンタルカップもADVANワンメイクであることから、まさにレースウィークのマカオはADVAN一色に染まることになる。

最終戦の注目ポイントは、何といってもドライバーズチャンピオンの行方に尽きる。前戦・上海天馬ラウンドを終えて、ランキングはトップをイヴァン・ミューラー選手が守り400点の大台に乗せた。一方で追うロブ・ハフ選手は380点としており、両者の差は20点。3番手のアラン・メニュ選手は323点となりミューラー選手との差が77点と開いているため、チャンピオンの権利はトップの2人に絞られたことになる。

マカオでのストリート・バトルは、アクシデントも多く何が起こるか全く予想もつかない。その上、コース全長こそシリーズ最長となるものの、狭くテクニカルな山側区間が多くを占めることから、パッシングの機会は非常に限られるタフなレースとなる。

そこで、前戦・上海天馬のプレビューと同様に、過去のデータを紐解いて勝者の予想を立ててみよう。予想にあたってのポイントは、やはり市街地を舞台にしたストリート・バトルであることから結論を導いてみたい。
まず、過去のマカオ戦について見ると、昨年と一昨年の第1レース、さらに2008年の第2レースとハフ選手はこれまでに3勝を挙げている。対するミューラー選手、これが意外なことにシボレー移籍後はもちろん、セアト時代を含めて優勝した経験が無いという事実が見えてくる。

さらに視野を拡げて、市街地コースに強いのは誰なのか、という点についても検証してみよう。
2005年のシリーズ発足から先の上海天馬戦までの間で、WTCCは全152戦が開催された。このうち、マカオを含めた市街地コースを舞台にしたレースは28戦が行われている。
市街地コースでの戦い、そこで最も優勝を獲得している人は、ともに6勝を挙げているメニュ選手とハフ選手。5勝で続くのはBMWを駆っていたアンディ・プリオール選手とアウグスト・ファルファス選手、残念ながら両者は既にWTCCの舞台から去ってしまっている。この4人に続くのは2勝のガブリエレ・タルクィーニ選手となるので、現役勢ではメニュ選手とハフ選手が圧倒的に市街地を得意としていることがわかる。

こうなると、チャンピオン争いは現在のところ2番手で追う立場にあるハフ選手に有利、という結論がデータからは導かれることになる。そこでもうひとつ、市街地ならではの特徴であるパッシングの困難さに注目してみたい。
決勝でのパッシングが困難、ということは予選のポジションが重要になるということだ。この点についてもデータでは数字で明確に現れており、一般的なサーキットコースでのポール・トゥ・ウィン率が43.5%であるのに対して、市街地コースは64.28%と高くなっている。
更に細かく見ると、第1レースのポール・トゥ・ウィン率は市街地の場合で実に85.7%。第2レースではそれよりも低くはなるが、それでも42.8%という数字が計算の結果となっているのだ。

つまり、まずは予選で誰がポールポジションを獲得するのかが大きな注目点となる。では、ポールポジション(非リバースグリッド)をこれまで最も多く獲得している選手は誰なのか。
それはずばり、タルクィーニ選手で13回。これに続くのはファルファス選手、そしてミューラー選手とメニュ選手が11回で並んでいるのだ。これを2011年、今シーズンに絞ってみても、メニュ選手とミューラー選手が4回ずつ、ハフ選手が3回で続いている。そう、今年はシボレー勢が予選トップタイムを開幕から独占し続けてきているのだ。

注目の予選、まずは1回目が行われたが、ここでシボレーのメニュ選手が13位に沈んで予選2回目への進出を果たせないという意外な展開となる。一方でダリル・オーヤン選手やアンドレ・クート選手といった地元勢は速さを見せて、トップ10に食い込んで予選2回目に勝ち進んだ。
そして日本時間の18日・17時03分からスタートした予選2回目。現地のコンディションは曇り/ドライだが、開始5分ほどでボルボのロバート・ダールグレン選手がクラッシュ。マシンのフロントを大破し、コース上にはオイルが出てしまった。この処理のために赤旗が提示され、予選2回目は長い中断に入ってしまう。
37分の中断を経て予選は再開、ここからは残り時間の10分ではなく、15分のフルタイムで走行することになった。そして注目の結果だが、トップタイムをマークしたのはハフ選手、2番手で続いたミューラー選手とは0.268秒という僅差でのポールポジション獲得となった。

ミューラー選手が2年連続3回目のタイトルを手中におさめて黄金時代を磐石なものとしていくのか。それともWTCC発足初年度からシボレー一筋にステアリングを握り続けてきたハフ選手が、悲願の世界チャンピオン獲得を実現するのか。
ランキング上位陣の得点差が小さく、大接戦となっているYOKOHAMAトロフィーの行方とあわせて、絶対に今年の最終戦・マカオからは目を離せない展開となりそうだ。
 
RANKING|ランキング
【選手権ポイントランキング (第22戦終了時点)】
順位 No. ドライバー 車 両 ポイント
1 1 イヴァン・ミューラー シボレー・クルーズ 1.6T 400
2 2 ロブ・ハフ シボレー・クルーズ 1.6T 380
3 8 アラン・メニュ シボレー・クルーズ 1.6T 323
4 15 トム・コロネル BMW 320TC 203
5 3 ガブリエレ・タルクィーニ Sunred SR Leon 1.6T 177
6 18 ティアゴ・モンテイロ Sunred SR Leon 1.6T 113
7 11 クリスチャン・ポールセン BMW 320TC 106
8 5 ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 82
9 12 フランツ・エングストラー BMW 320TC 74
10 30 ロバート・ダールグレン ボルボ C30 72
11 17 ミシェル・ニュケア Sunred SR Leon 1.6T 66
12 20 ハビエル・ヴィラ BMW 320TC 58
13 29 コリン・タルキントン BMW 320TC 46
14 9 ダリル・オーヤン シボレー・クルーズ 1.6T 43
15 6 カルロス・ブエノ シボレー・クルーズ 1.6T 25
16 25 メルディ・ベナニ BMW 320TC 14
17 26 ステファノ・ディアステ BMW 320TC 12
18 74 ペペ・オリオラ Sunred SR Leon 1.6T 10
19 7 フレディ・バース Sunred SR Leon 1.6T 7
20 10 谷口 行規 シボレー・クルーズ 1.6T 6
21 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン 2.0 TDI 4
22 51 チャールズ・カキン BMW 320TC 1


【YOKOHAMA TROPHY ドライバーランキング (第22戦終了時点)】
順位 No. ドライバー 車 両 ポイント
1 11 クリスチャン・ポールセン BMW 320TC 127
2 5 ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 104
3 17 ミシェル・ニュケア Sunred SR Leon 1.6T 98
4 12 フランツ・エングストラー BMW 320TC 97
5 20 ハビエル・ヴィラ BMW 320TC 92
6 9 ダリル・オーヤン シボレー・クルーズ 1.6T 83
7 74 ペペ・オリオラ Sunred SR Leon 1.6T 54
8 29 コリン・タルキントン BMW 320TC 49
9 25 メルディ・ベナニ BMW 320TC 48
10 26 ステファノ・ディアステ BMW 320TC 37
11 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン 2.0 TDI 31
12 7 フレディ・バース Sunred SR Leon 1.6T 30
13 10 谷口 行規 シボレー・クルーズ 1.6T 26
14 51 チャールズ・カキン BMW 320TC 5
15 13 イブラヒム・オキアイ BMW 320si 3
16 65 マーチー・リー BMW 320TC 3
17 21 デビッド・シガチェフ BMW 320TC 2
18 68 加納 政樹 BMW 320TC 1
19 21 ファビオ・ファビアーニ BMW 320si 1
 
CIRCUIT|サーキット
ギア・サーキット (マカオ)

日頃は生活道路として多くの車や人が行き交う公道をクローズして、特設コースとして競われるマカオ・グランプリ。全長6,117mのコースは、大きくわけて広いバイパス道路のハイスピードな海側区間と、狭くテクニカルな山側区間にわけられる。

もちろんストリート・バトルゆえにエスケイプゾーンは皆無と言える。その上、山側区間でのパッシングは事実上不可能とも言えるため、海側区間のスタート部における加速合戦、そして山側区間の入り口でのブレーキング合戦が最大の見どころだ。

特に山側区間の入り口となるリスボア・コーナーは多重クラッシュの名所とも言えるポイントで、昨年の第1レースでもオープニングラップでクラッシュが発生してセーフティカーが導入される展開となっている。

マカオラウンドは他のシリーズ戦と比べて変則的なスケジュールで開催され、木曜日に30分のテストセッションが設けられる。金曜日は朝と昼に各30分のフリープラクティスが行われ、今年の場合は現地時間の15時25分から公式予選がスタート。そして土曜日はWTCCの走行はお休みとなり、一日置いて日曜日に朝のウォームアップ走行を経て9周の決勝が2回行われるという流れだ。

なお、これまでのコースレコードは、2008年の予選でシボレーのアラン・メニュ選手がマークした2分30秒285(平均車速146.60km/h)、決勝のファステストラップは2009年にセアトのティアゴ・モンテイロ選手によって記録された2分32秒076(平均車速144.87km/h)となっている。。
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