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JDC Round 3
開催日
2012年5月27日
開催場所
オートスポーツランドスナガワ
(北海道)
天 候
曇り のち 晴れ
路 面
ドライ (一部ウエット)
参加台数
100台
(ヨコハマタイヤ装着車 24台)
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全日本ダートトライアル選手権第3戦は、第2戦の九州から一気に北上し、北海道砂川市の「オートスポーツランドスナガワ」に舞台を移し開催された。

全国でも屈指のハイスピードコースと言われているこのコースは、北海道遺産にも登録されている石狩川に面した広大な河川敷を利用して常設されている。
上段には長いストレートとタイトターン、下段は連続する高速S字コーナーが主体という異なる性格のコースを組み合わせたレイアウトで、上段はパワー勝負、後半はテクニック勝負というマシンとドライバーの総合力が問われるコースだが、今回は思わぬ落とし穴が待ち受けていた。

公開練習日の土曜日早朝から降り出した大雨が、コースコンディションを一変させてしまったのだ。翌日の決勝日には天候が回復し晴れ間が覗いたものの、第1ヒートは完全なウエット路面。
第2ヒートはウエットからドライ路面へと変わるが、SA2クラス以降は、そのドライ路面でも第1ヒートのタイムを更新できないという状況になったのだ。

原因は、コース下段のあちらこちらにできた"穴"だ。前日の雨の影響でたっぷりと水分を含んだ路面は、表面が乾いても深層部は濡れたままという状態。しかも下段は、上段からの雨水が流れ込むだけではなく、今年の雪解けが遅かったということも重なり、かなりの量の水分を含んでいる。
そのため、下段の各コーナーのレコードラインを中心に路面が掘れ始め、次第にそれが"大きな穴"にまで成長してしまったのだ。

その穴を避けて走ると、当然アウト側に土砂が溜まった部分を走らなければならない。逆にレコードライン上の穴を全開で攻めれば、ギャップの衝撃でマシントラブルを引き起こしてしまう可能性が高い。しかも、コース上には硬質ダートと軟質ダートが点在するという難しいコンディション。
第2ヒートは、同じクラスの中でウエット用タイヤを選択するドライバーと、超硬質ダート用タイヤを選択するドライバーが混在するという、最近のダートトライアルでは異例の状況となった。

そんな中、SA2クラスの荒井信介選手は、超硬質ダート用のADVAN A036を選択。
しかし、結果的には「路面は掃けているのでADVAN A036向きの路面だと思ったけれど、実際には滑りやすく、コーナーでマシンが外に逃げていく分、タイムロスしてしまった」と、第1ヒートのタイムを更新できずにクラス3位に後退した。

同じく今年Dクラスに移った谷田川敏幸選手も、「路面的にはADVAN A036なんだけれど、確かに固い路面と軟質な路面が混在している。穴に落ちたり、アウト側のフカフカな部分を走ることを考えると、オールラウンダー的な性格のADVAN A035も考えられるが、トータル的にはADVAN A036だと思う。ハイスピードレイアウトの上段にはギャップがないわけだし、路面も固くしっかりしているからね」とADVAN A036を選択。
しかし、Dクラスが走行する頃になると路面コンディションがさらに悪化。それでも谷田川選手は自己ベストタイムをわずかに更新したが、結果的には順位を上げるには至らなかった。

そのような厳しい状況の中、北海道出身の若手ドライバーが奮闘し、上位入賞を果たした。
SA2クラスの川戸惟寛選手は、現在は広島県在住だが、北海道に住んでいた学生時代はスナガワで腕を鍛えたひとりだ。
その川戸選手、第2ヒートでは「ADVAN A031で走った第1ヒートは、トラクションを重視してクルマをなるべく横に向けないようにして走ったのですが、ADVAN A035を履いた2本目は、横に向けつつも縦トラクションを逃がさないように走ろうと思いました。実際には走り始めたら変なスイッチが入ってしまって、1コーナーは抑えることができたのですが、そのあとはあまり覚えていなくて……(笑)。気持ちよく走ることはできました」と、1本目の自己ベストタイムを約1.2秒更新してクラス2位に浮上。川戸選手にとって初となる表彰台を獲得した。

N2クラスでは、かつてシリーズチャンピオンを獲得した宝田芳浩選手の息子、宝田ケンシロー選手が、その非凡な才能の片鱗を見せてくれた。
昨年、全日本にデビューとなるスナガワラウンドでクラス4位に入賞した宝田選手は、「今年は表彰台に登ることが目標」と、雨の公開練習日の第1ヒートはADVAN A031、第2ヒートでは「路面が濡れている状態でドライ用タイヤのフィーリングを確かめておきたかった」と、ADVAN A035で走行。その努力が、決勝日に実を結んだ。
「土曜日の時点で、勝負は決勝日の2本目だと思っていたので、どうしても雨の土曜日のうちにADVAN A035を履いてみたかったのです。おかげで、仮に決勝日の第2ヒートがまだ乾ききっていない状態でも、絶対にADVAN A035で行くんだと確信できました」と言う宝田選手は、その第2ヒートで自己ベストタイムを約4秒更新。結果的にはシードゼッケンのドライバーに0.7秒逆転されたものの、念願の表彰台2位をしっかりとその手に掴んでみせた。

SC1クラスでは、ADVAN A053を履く田口都一選手がクラス3位に入賞。SC3クラスでもADVAN A053を装着する中本吉彦選手がクラス2位、同じく太田雅文選手がクラス3位と表彰台を獲得。
IRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)など海外ラリーで活躍するADVAN A053は、ナンバーなしの改造車クラスで使用することができるグラベルタイヤだが、ハンドカットやタイヤの山をコントロールすることで幅広い路面に対応できる優位性を、今回も発揮する結果となった。

想定を超えた路面状況に思わぬ苦戦を強いられたADVAN勢だが、中盤戦突入となる第4戦門前での巻き返しと活躍に期待だ。
 
Driver's Voice
荒井信介 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 2位】
決勝日の第2ヒートは、ギャップというよりも穴が多いという状況でした。もちろん慣熟歩行の時に穴の位置や、自分のクラスが走行する頃までに新たにできそうな穴も確認したのですが、それでも昨年以上の穴の多さでした。
タイヤはADVAN A036を選択しましたが、結果的には路面に合っていなかったということですね。見た目は固そうな路面が多いですが、土質のせいなのか、路面に騙されてしまったという感じです。
まだ前半戦を終えたばかりなので、中盤戦ではしっかりと巻き返しを図っていきたいですね。
谷田川敏幸 選手
 【今回の成績 : Dクラス 3位】
第2ヒートの路面はADVAN A036で間違いなかったと思います。タイムが思ったより伸びなかったのは、第1ヒートのセミウエット路面と、第2ヒートのギャップでのタイムロスが相殺されてしまったということですね。
第3戦に向けてサスペンションを中心にセッティングを進めてきて、そこそこのレベルまでは来たと思いますが、まだまだやっていかなければならないことも分かりました。自分自身、Dクラスにはチャレンジャーの気持ちで来ているので、これからもいろいろなことに挑戦していくしかない。やるしかない!という気持ちで、早く期待に応えられるよう頑張ります。
佐藤秀昭 選手
 【今回の成績 : PNクラス 4位】
第1ヒートはADVAN A031がベストマッチしてくれてトップタイムをマークすることができましたが、第2ヒートはADVAN A035にはまだちょっと早い路面でしたね。丁寧に走ったつもりでしたが、コーナリングの途中はADVAN A035、立ち上がりは荒れていたのでADVAN A031という路面でした。立ち上がりはデミオでもホイールスピンしてしまうような状況でしたから。このクラスはなかなか勝たせてくれない、厳しいクラスですね。まずは移籍後の1勝が早くできるよう、これからも頑張ります。
宝田ケンシロー 選手
 【今回の成績 : N2クラス 2位】
正直、勝ちたかっただけに、悔しい気持ちの方が大きいです。
第2ヒートは、下段から上る途中の穴のところで失敗しました。穴を避けようとしたらラインが乱れてしまって、それでも踏み続けてはいたのですが……。今まで経験した中で、一番手応えがあった大会ではありました。それだけに、やっぱり悔しいです
川戸惟寛 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 2位】
イケイケ状態でしたが、穴に対しては冷静でした。穴は、リヤを接地してやれば、フロントがギャップで吹っ飛んでしまっても、ハンドル操作してやればちゃんと曲がってくれる。そういう練習はよくしているので、ギャップは嫌いではないです。
第2ヒートはADVAN A035を選択しましたが、これは路面というよりも僕の走り方に合っていると思って履きました。そういう意味では正解だったと思います。
田口都一 選手
 【今回の成績 : SC1クラス 3位】
タイヤは両ヒートともADVAN A053で、雨の第1ヒートはウエット用にカットしています。第2ヒートは3分山程度のタイヤです。両方とも路面に合っていたと思いますね。
あとは、ドライバーの問題だと思います。勝てるクルマなのですが、1年乗ってこの成績ですから、次はもっとドライバーが頑張らなきゃダメですね。
中本吉彦 選手
 【今回の成績 : SC3クラス 2位】
第1ヒートも第2ヒートともADVAN A053ですが、第2ヒート勝負なのでタイヤカットなしに交換しました。でも、下段はタイヤ云々ではない状況だったと思います。ああいう路面に慣れている人が速かったということだと思いますね。
実はスナガワは初めてだったのですが、速いコーナーが好きなので、上段は気持ち良く走れました。下段の穴は、ただ避けるだけです(笑)。クルマが仕上がってきたので、気持ち良く走ることができました。次はボディが新しくなるので、もっと頑張りたいですね。
太田雅文 選手
 【今回の成績 : SC3クラス 3位】
今日は両ヒートともADVAN A053のカットタイプを履きましたが、まあ、正直なところ、今日はギャップがすべてだったかなと思います。第1ヒートで下段から上段に上るところのギャップで大きく跳ね飛ばされてしまって、後半のリズムをなくしてしまいました。調子が良かっただけに残念でした。中間タイムまではそれほど悪くはなかったですからね。
ADVAN A053は、不安な挙動がなく思った通りの挙動をしてくれる素直なところがいいですね。
 
FEATURED DRIVER
■SA2クラス : 藤原広明 選手

地元北海道在住の藤原広明選手は、昨年のスナガワで2位に入賞するなど、スナガワのことならなんでも知っているスナガワ・スペシャリストだ。
今回も、トップドライバーたちが藤原選手の近くに寄り、コース情報を聞くシーンが何度も見受けられた。

「本当は地元以外のコースもしっかり知っておかなければならないのですがね(笑)。ギャランVR-4時代からここで育ったので、路面がどう変わっていったとか、どこが掘れやすいだとか、どこの山に雲がかかったら雨が降るだとか、そういうことには自然と詳しくなったのは確かです」と藤原選手。

昨年は今庄で転倒してしまい、シリーズの途中から出場していないが、今年は全戦出場を目指すレギュラードライバーのひとりだ。

今回のスナガワは、「日曜日は絶対に晴れると思っていたので、逆に雨の公開練習は走るだけ無駄というか、壊してしまっては元も子もないと思って走りませんでした。とにかく決勝日の2本目に集中しようと思って走ったのですが、ギャップに入る時にちょっとミスしてしまい、リヤのサスペンションを曲げてしまったんです。自分のミスなので、悔しいですね」と、クラス8位に終わった。
今年はシリーズを転戦する藤原選手、目標は「スナガワ以外で表彰台に上がること」ということだ。
 
TECHNICAL INFORMATION
ここ最近は荒れることが多いスナガワだが、第1ヒートは前日の雨がコースに残り完全なウエット状態だったので、Dクラスを含めてADVAN A031がベストチョイスの状態だった。
第2ヒートは、急激に路面が乾いたことと、土壌が軟弱だったことが重なって、コース上にADVAN A036、ADVAN A035、一部にはADVAN A031の特性が合う路面が混在するという稀に見る特殊な状況となった。

1周のトータルで見ればADVAN A036だろうが、コース上の穴を避けるのであれば、ADVAN A035が適している。こういった場合、タイヤが持つ特性というよりはドライバーがどう走るかによって選択が大きく変わることになり、タイヤ選択がそれぞれ異なる結果となった。
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