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JDC Round 4
開催日
2012年6月24日
開催場所
輪島市門前町
モータースポーツ公園(石川県)
天 候
晴れ
路 面
ハーフドライ → ドライ
参加台数
145台
(ヨコハマタイヤ装着車 39台)
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全8戦が組まれている全日本ダートトライアル選手権は、折り返しとなる第4戦を迎えた。舞台は、石川県の「輪島市門前モータースポーツ公園」。輪島市が運営するダートコースは、森の斜面を利用し、ニュージーランドのラリーコースを想定した逆バンクコーナーやダイナミックな走りを堪能できるギャラリーコーナー、全開で駆け抜ける全国随一の300mストレート区間など、バリエーション豊富なコースレイアウトが特徴だ。

だが、今回のコースは、地元の選手が「今までに経験がない」と言うほど、前例のないレイアウトが敷かれていた。スタートからゴールまでコースが交差する区間が一カ所もなく、いわゆる1ウェイ方式、一筆書き状に描かれたレイアウトは、ストレート区間がほとんどないというテクニカルな設定。
さらに前半区間の路面は2本目に入っても細かな砂利が路面に乗った状態で滑りやすく、さらに赤土が踏み固まった状態の後半区間は、1本目に2回、2本目前に1回行われた散水の影響もあり、硬い路面と軟弱な路面が入り混じった状態だ。
また、例年であれば2本目は硬質ダートが顔を出すのだが、今年はギャップとともに逆に深い轍が刻まれるという状況。路面変化とともに轍をいかに使うかがタイムアップの大きな鍵を握り、のちにこの路面が多くの選手の頭を悩まされる結果ともなった。

晴天に恵まれた決勝日、パドックにはギャラリーとともに選手からも注目を集める一角があった。
FIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)で2度のチャンピオンに輝いた田口勝彦選手が、16年ぶりに全日本ダートトライアル選手権に復帰したのだ。
もともとはダートトライアルがモータースポーツを始めるきっかけとなった田口選手は、三菱ランサー・エボリューション]を駆りSC3クラスに参戦。果たしてアジアの王者はどんな走りを披露するのか注目を集めたが、残念ながら1・2本目ともスタート直後に電気系トラブルが発生し、結果を残すことができず、ほろ苦い復帰第1戦となってしまった。
だが、その実力は誰もが認めるところ。マシンの熟成とともに、SC3クラスの台風の目となるのは間違いないところだ。

田口選手も、「期待されながら、満足に走ることもできず不甲斐ない結果で終わってしまい、残念というよりも申し訳ないという気持ちでいっぱいです。でも、ニューマシンにはこういった初期トラブルがありがちなのも確か。1日も早くセッティングを煮詰め、期待に応えられるように頑張ります」と力強くコメントした。
今シーズンは残りすべての大会に出場予定ということなので、今後の田口選手の活躍に期待したい。

路面と散水のタイミングに悩まされた第4戦、SA2クラスの荒井信介選手も路面変化に翻弄されてしまったドライバーのひとりだ。1本目は、SA1クラスの前に散水が入ったことにより、荒井選手が走行するまでには路面が乾かないと判断し、タイヤをADVAN A031に変更。その読み通り、1本目は2番手の好ポジションにつけ、2本目はADVAN A035で逆転を狙ったが、残念ながらタイムアップは果たすものの順位を上げることは果たせず2位に終わった。
「自分が最も得意としているADVAN A036が使える路面になってくれることを願っていたけれど、今年の2本目は細かな砂利がまだ路面に残っている状態で、走る直前までどちらのタイヤで行くかという迷いが結果に出てしまったのかもしれないね。次戦からは負けられない状況が続くだけに、今回の2位を生かすためにも次はしっかりと優勝を狙います」と、第5戦以降の巻き返しを図る。
そのSA2クラスでは、4位に上村智也選手が入賞。今シーズンは第2戦でも6位に入賞し、後半戦は表彰台獲得にも期待がかかる。

Dクラスは、クラス移籍によりマシンセッティングがなかなか進まない谷田川敏幸選手が、第3戦のスナガワを終えて「エンジンに力がなくなってきたことを確認できたので、新たにパワーアップを図ってきた」と新たな気持ちで戦いに挑み、1本目は2番手につけたが2本目に逆転され、惜しくも3位となった。
だが、「ドライバー的にはうまく走れていたつもりだったが、意外にタイムが伸びなかったという感じ。パワーが上がったことで2速のホイールスピン量が若干増えたのは確か。改造車クラスの場合、そういった時にはドライバーが細かいアクセルワークを行うことで調整するのだけれど、今回はそこがうまくいかなかったのかな。いずれにしても調子は戻ってきている。いつまでもこの順位にいるわけにはいかないから、次からはしっかりと巻き返しを図りたい」と、手応えのあった1戦ともなった。

また、第2戦で転倒してしまった奥村直樹選手がマシンを修復し4位に入賞。第3戦のスナガワで5位に入賞した山本康徳選手が、「2本目に轍にひっかかり転倒しそうになって、そこからアクセルを踏めなくなってしまった」とタイムアップとはならなかったものの、1本目のタイムで6位に入賞と健闘した。

そのほか、PNクラスでは佐藤秀昭選手が第2戦に続き2位に入賞、N3クラスでは星盛政選手が「2本目はギャップが多くて抑えすぎてしまった」と反省するものの5位に入賞、SA1クラスでは1本目で2番手につけていた岡田晋吾選手が5位に入賞、SC1クラスでは中島孝恭選手が2位、福山重義選手が4位と地元勢が健闘。
さらに今年2戦目のクラス成立となったSC2クラスでは京都のベテラン塩見智康選手が3位に入賞、SC3クラスでは地元の三枝重光選手が3位、ボディをGDBインプレッサに変更し、「エンジンの仕様を変え、サスペンションも含めすべて見直してきました」という中本吉彦選手が4位に入賞と、各クラスでADVANを装着する選手たちが健闘をみせた。
 
Driver's Voice
荒井信介 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 2位】
1本目はADVAN A031、2本目はADVAN A035を選択しました。1本目はウエット路面が多く、タイヤ選択は正解だったと思います。逆に2本目は路面的にはADVAN A035の路面だったのですが、細かい砂利が多く、路面の上だけを引っ掻くような走りになってしまいました。ADVAN A036の路面になってくれると良かったんですけどね。こればっかりは仕方がない。
2本目は小さな失敗が重なってトップ逆転するには至らなかったので、次はしっかりとミスなく走ろうと思います。クルマにはうまく乗れているので、第5戦はしっかりと優勝したいですね。
谷田川敏幸 選手
 【今回の成績 : Dクラス 3位】
1本目、2本目ともADVAN A036を選択しました。もちろん、1本目の路面状況は砂利が多く、ADVAN A036にはちょっと早いかなとも思ったけど、自分の場合は悩んだ時にはADVAN A036と決めているので、タイヤ選択は間違いじゃなかったと思います。もう少し砂利がある場合でも、ADVAN A036の方が自分の走りに合っていますから。
マシンの状態も良い方向に向かってきて、トップとのタイム差も前回より詰まってきました。あとはドライバーがマシンをどうコントロールするかにかかっているかと思うので、次はしっかりと走って結果を出したいですね。
佐藤秀昭 選手
 【今回の成績 : PNクラス 4位】
第2戦では散水直後の2本目にADVAN A031、第3戦ではまだ路面がまだ濡れている状況なのにADVAN A035と、タイヤ選択がちぐはぐだったんです。今回は確実な線を狙おうと、2本目はADVAN A031を選びました。
結果は、路面状況に応じたタイヤ選択はもちろん、そのタイヤが持っている特性をうまく引き出す走らせ方というものを感じることができました。そういった意味では、第2戦でも2位でしたが、今回の2位は次につながる収穫の多い2位だったと思います。特にローパワーのクルマの場合、タイヤの選択はもちろん、特性を生かした走らせ方といった状況に合わせた対応も、勝つためには重要ですね。
上村智也 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 4位】
1本目は轍をうまく使えず、フラフラしすぎました。走りが悪すぎましたね。1・2本目ともタイヤはADVAN A035ですが、2本目はリズム良く走れ、轍もうまく使えたと思います。
でも、後半セクションでベストラインを外してしまうことが多く、結果的にはその積み重ねが表彰台を逃す4位という結果になったとも思います。次はミスを少なく走り、表彰台を獲りたいですね。
中島孝恭 選手
 【今回の成績 : SC1クラス 2位】
地元だけに、勝ちたかったんですけれどね。今季初表彰台でもあるので、まあ良かったかなとは思っています。
タイヤは、海外ラリー用のADVAN A053を使っていますが、砂利が多かった1本目はグルービングを多めに、砂利が少なかった2本目は少なめのものを選びました。路面状況には合っていたと思います。自分的にはマイルドな挙動が好きなので、2本目はもう少しグルービングを入れても良かったかなとも思っています。それぐらいグリップ感が強く、シャープな効きだった印象ですね。
塩見智康 選手
 【今回の成績 : SC2クラス 3位】
タイヤは1本目がADVAN A035、2本目がADVAN A031です。みんなと逆だと思うんですが、要するに路面的には1本目もADVAN A031が正解でしたが、僕がタイヤ選択を失敗してしまったというわけです。1本目は最下位でしたから。今まであまり門前を走ったことがなく、路面というよりもコースが分からなくて、慣熟歩行しても「あれ? 次のコーナーは右だっけ? 左だっけ?」という状態でしたから。
コースが分からないこともあって、1本目は轍を外しっぱなし。そういった意味でも、2本目は轍の中をしっかり狙って走れるADVAN A031が僕の走り方にも合っていたと思います。
三枝重光 選手
 【今回の成績 : SC3クラス 3位】
ここはホームコースなので、欲を言えばもっと上を狙っていたんですけど、そうは甘くなかったということですね(笑)。一カ所、致命的なミスを犯してしまい、中間過ぎにあるストレートの上りで轍を外し、ラインがフラフラになってしまったのが痛かった。思いっきりロスしちゃいましたから。結果的にはそれも実力ということで、そういうミスが出ないように鍛えないといけないですね。
タイヤはADVAN A053のグルービングなしを使いました。特に2本目の硬質路面と少し砂利が載っているような路面には合っていたと思います。
 
FEATURED DRIVER
■SC3クラス : 田口勝彦 選手

1990年、18歳の時にダートトライアルを始め、20歳で全日本チャンピオン(当時のA4クラス:三菱ランサーエボリューションT)を獲得し、その後は三菱ワークスの一員として海外ラリーに参戦。
1999年と2006年にはFIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)のシリーズチャンピオンを獲得した田口勝彦選手は、日本を代表するトップラリードライバーのひとりだ。
その田口選手が全日本ダートトライアルに復帰し、その走りに注目を集めたが、電気系トラブルによるエンジン不調により、その実力を発揮するに至らなかった。

「改造クラスに装着が義務付けられているカットオフスイッチが不調になったのが原因です」と田口選手。
シェイクダウンテストも「まるでプールになったような丸和で1回走ったのみで、その後はエンジントラブルもあってなかなか走り込む機会が少なかったんです。今回はセッティング不足であることは確かだったので、ノーマルエンジンとノーマルCPUの書き換えタイプのCPUを装着してきましたが、それでも初期トラブルを抑えることができませんでした。すべてが準備不足でしたが、今はとにかく焦らず、まずはマシンもドライバーも走り込むことが重要だと思います。久々のダートトライアルでしたけど、スタートに並んでいる時の緊張感とか集中力というのは、今も昔も一緒ですね。海外ラリーとは走る距離がまったく違いますが、長距離も短距離も、走る前の気持ちの作り方は一緒です。リラックスした状態で集中するという感じですね」

本番を終え、「ダートラコースを2本ともゆっくりと走ったのは生まれて初めての経験」という田口選手だが、どんな結果に終わっても、注目を集める選手のひとりであることは確か。ダートトライアルの活性化にはかかせない選手のひとりとして、今後の活躍に期待したい。
 
TECHNICAL INFORMATION
1本目は、今シリーズでは初のクラス間散水があったり、例年であれば2本目は硬質ダートに切り替わるはずがいつまでも砂利が多いなど、イレギュラーな部分が多く、これまで門前のノウハウを蓄積してきた選手ほど、その判断に悩むことが多い傾向が見られた。
その中でも、状況変化に対応して上位入賞を果たしたドライバーは決して少なくなく、惜しくも優勝は逃してしまったものの、収穫のあった選手も多い。ここがダートトライアルの難しいところでもある。
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