Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / WTCC 2012 / Round 3 & 4 News Index
  ひとつ前にもどる  
WTCC Round 3&4
開催日
2012年3月31日〜4月1日
開催場所
ヴァレンシア・サーキット
(スペイン)
天 候
第1レース : 晴れ
第2レース : 晴れ
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 13周
第2レース : 13周
(1周 = 4,005m)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
イタリア・モンツァの開幕戦では、ディフェンディングチャンピオンのイヴァン・ミューラー選手(シボレー)が2連勝を飾って強さを見せている、2012年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。二週のインターバルを置いて第2大会のレースウィークに突入、次なる舞台はスペインのヴァレンシア・サーキットだ。

ヴァレンシアでの大会は、ここ二年はヨーロッパラウンドの締めくくりとして9月に開催されてきたが、今年はカレンダーが大きく入れ替わったことから3月末〜4月初旬という時期となった。しかし、そこは温暖な気候で知られるヴァレンシア、天候にも恵まれたことから日中の気温は20度を超えて半袖でも過ごせる陽気となった。

土曜日の予選から、コース上のガブリエレ・タルクィーニ選手やアレクセイ・デュデュカロ選手ら、セアト勢には特に大きな声援が観客から寄せられた。ご承知の通りセアトはスペインを本拠するフォルクスワーゲン・グループの自動車メーカーであり、地元ということでファンの応援にも一層の熱が入っている。

そんなファンの期待に応えて、Q1でトップタイムを叩き出したのはタルクィーニ選手。デュデュカロ選手も3番手につけて、しっかりとQ2への進出を果たした。
Q1の上位12台が出走したQ2。さらなるタイムアップへの期待がかかったタルクィーニ選手は1分42秒591とQ1のタイムを0.342秒上回るタイムをマークしたが、ラストアタックで勢い余ってラインが膨らんでしまいこれ以上のタイムアップは叶わず。一方でシボレーのイヴァン・ミューラーはラストアタックで1分42秒228をマークして、モンツァでタルクィーニ選手に奪われたポールポジションの座を奪還することに成功した。
また、デュデュカロ選手は8番手につけたが、走行終了後のパルクフェルメでマシンから出火。ヒヤリとさせられたが幸いに迅速な消火活動でダメージを最小限にくい止め、修復叶って決勝スターティンググリッドにつくことが出来た。

日曜日の決勝も快晴に恵まれたヴァレンシア。眩しい太陽がコースを照らす中、13周の決勝はまずローリング方式で第1レース(第3戦)のスタートを迎えた。

左回りのヴァレンシア・サーキット、長いストレートはアウト側にポールポジションのミューラー選手、イン側にセカンドグリッドのタルクィーニ選手が陣取る。レッドシグナルが消灯して各車が一斉にスタート、その中で好ダッシュを決めたのは2番手のタルクィーニ選手。長いストレートで一気に加速、ミューラー選手のマシンに対して半身を前に出すところまで詰め寄ったが、1コーナーはミューラー選手がしっかりキープして順位は入れ替わらず。

ここからはミューラー選手がディフェンディングチャンピオンの貫祿を見せつけて周回毎にマージンを拡大、1周を終えて1.328秒だった差がストレートを通過する度に増えていき、7周を終えて4.443秒差にまで拡大。
事実上の“ひとり旅”状態でレースの主導権をキープしたミューラー選手が、最後は6.988秒にまでリードを拡げて、堂々の開幕三連勝を飾ることに成功した。

その後方ではタルクィーニ選手とBMWのトム・コロネル選手が2番手争いを展開。コロネル選手は土曜の予選、Q1のスタート前に急遽ドライブシャフトの交換作業を行い、Q1はぎりぎりのタイミングでコースしてQ2への進出を果たし、3番手グリッドを獲得している。
決勝の中盤では軽く接触も伴う激しい追い上げを見せたコロネル選手だったが、やや強引なドライビングに対して警告を意味する白黒旗が提示されたこともあり、終盤は大人しめのドライビングに。しかし、さらに後ろからポジションアップを目論むロブ・ハフ選手とアラン・メニュ選手といったシボレー勢を抑えきってチェッカー、久しぶりにシボレー、セアト、BMWの3メーカーが表彰台を分け合うかたちとなった。

なお、デュデュカロ選手は5周目でサスペンショントラブルにより無念のリタイア。
しかし、同じセアト勢から17歳の若きドライバー、ペペ・オリオラ選手が素晴らしい戦いぶりを披露する。予選4番手と好位置につけていたデュデュカロ選手は、ハフ選手とメニュ選手の先行こそ許したものの、同じYOKOHAMAトロフィーを争うノルベルト・ミケリス選手(BMW)の追撃を振り切ってチェッカーまでマシンを運んだ。これで前戦・モンツァの第1レースに続いてYOKOHAMAトロフィーの2勝目を飾り、シリーズ争いの主役としてその地位を固めることとなった。

第1レースに続いて好天の下でスタートを迎えた第2レース(第4戦)。気温20.6度、路面温度39.4度、湿度は30%ととても過ごしやすいコンディションの下、スタート前には日産240SXを使ったドリフトパフォーマンスも行われて、サーキットに足を運んだ観客は大いに盛り上がる。

スターティンググリッドはポールポジションにYOKOHAMAトロフィーのランキング3番手につけるステファノ・ディアステ選手(BMW)がつけ、2番手はメニュ選手、3番手にデュデュカロ選手という配置になる。

スタンディング方式のスタートとなる第2レース、レッドシグナル消灯と同時にエキゾーストノートが高まるが、唯一の例外となってしまったのがデュデュカロ選手。完全なスタートミスで出遅れたが、幸いに後ろにいたミケリス選手らはこれをかわして大事には至らず。
一方で8番手スタートのコロネル選手はイン側から一気に数台をパスするロケットスタートで、4番手に浮上して1コーナーをクリアしていく。

先頭はディアステ選手、これをメニュ選手や2周目の3コーナーで3番手にポジションを上げたコロネル選手が追う展開で進んでいく序盤戦。じわじわとディアステ選手に背後からプレッシャーをかけていくメニュ選手は6周目にコーナーでディアステ選手のインを奪いにいくが、ディアステ選手のマシンの側面に接触してバランスを崩させてしまう。そこでメニュ選手は一旦退いて2番手のポジションをキープ。

仕切り直しとなった7周目、1コーナーの出口でサイド・バイ・サイドに持ち込んだメニュ選手は、そのまま2コーナーで前に出てトップを奪うと、ここから一気に猛チャージ。9周目にはコロネル選手もディアステ選手をかわして追撃してくるが、これを寄せつけることなくメニュ選手が13周を走りきって、昨年のマカオ・第1レース以来となる優勝を飾った。

YOKOHAMAトロフィーはディアステ選手が総合3番手でフィニッシュ、表彰台下のパルクフェルメでは喜びを全身で表して、チームメイトや熱戦を展開したメニュ選手、コロネル選手らに祝福を受けた。
また、第1レースを12番手でフィニッシュしていたフォード・フォーカスのジェームス・ナッシュ選手は、11番手と好位置を走行していたが接触アクシデントによって9周目に無念のリタイア。ヴァレンシア郊外にはフォーカスを生産するフォードの工場があり、セアトと並んでこちらも地元でのレースとなっていたのだが、残念な結果になってしまった。
 
Driver's Voice
イヴァン・ミューラー 選手
 【今回の成績 : 第3戦 優勝/第4戦 8位】
私は最高の車をドライビングできる幸運に恵まれています。そして、チームの皆が完璧な仕事をしてくれました。
昨年のヴァレンシアでは、タルクィーニ選手が好スタートを決めて私からトップを奪ったことを良く覚えているので、今年は私がスタート後の1コーナーを必ず彼の前でクリアすることに集中しました。
重量差などによってタイヤへの心配もありましたが、後方でポジション争いが行われている様子を見たときに、この間にマージンを拡大するチャンスだと考えました。
そして2番手争いはしばらく続きましたが、これは私がマージンを拡げることを手助けしました。タイヤマネージメント的にも楽になり、私にとって完璧なシナリオとなりました。
ペペ・オリオラ選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAトロフィー 第3戦 優勝/第4戦 4位】
私はシボレー勢を従えて走ることは出来ませんでした。私はアウト側のラインにいたので、ハフ選手がスタートで私の前に出ました。さらにメニュ選手は私よりも明らかに速かったのです。
しかし、私に求められているのはYOKOHAMAトロフィーでの勝利なので、マニュファクチャラー勢の彼らを敵にして戦うことでリスクを冒すことはしたくありませんでした。
終盤はミケリス選手が猛追してきたこともあり、とても厳しい戦いの中で掴んだ勝利でした。
アラン・メニュ選手
 【今回の成績 : 第3戦 5位/第4戦 優勝】
私にとって、とてもエキサイティングなレースとなりました。好スタートを切れましたが、BMW勢がよりスタンディングスタートの第2レースを得意としていること、そして私はタイヤマネージメントにも気をつかわなければならないことは承知していました。
ディアステ選手をかわすのには時間がかかりました。(6周目で)前に出ようとした時、ブレーキが遅れてしまったせいか接触してしまいました。これにとって、コロネル選手が差を詰めてくることにもなりました。
(7周目の)2コーナーでようやくディアステ選手をかわし、あとは差を拡げていくことが出来ました。ただ、慎重すぎた走りのせいか、最終ラップではコロネル選手に詰め寄る隙を与えてしまいました。
ステファノ・ディアステ選手
 【今回の成績 : YOKOHAMAトロフィー 第3戦 5位/第4戦 優勝】
チームはとても良い仕事をして、マシンも非常に速く、私たちにとって素晴らしい週末になりました。
第2レースはスタートもうまくいって、1コーナーもミスなくクリアしました。そのうちにメニュ選手が追い上げてきて、接触もありましたが、それは故意ではなかったことは明白です。接触の後、メニュ選手は後ろに下がって私のポジションをそのままにする紳士的な対応を見せてくれました。
その後、メニュ選手が私を追い抜き、しばらくしてコース上のオイルに影響されたこともあって、コロネル選手に2番手を明け渡す結果となりました。最後はメニュ選手とコロネル選手がトップ争いをしていましたが、私も差を詰めていました。ですが、私は無理に攻めることなく、3位のポジションをしっかりと守りきりました。
 
FEATURED DRIVER
■ペペ・オリオラ 選手 (Tuenti Racing Team)

1994年・スペインのバルセロナ生まれ。年齢はまだ17歳、日本で言えば高校3年生になったばかりという若きドライバーは、昨シーズンから世界最高峰のツーリングカーレースであるWTCCの舞台に立っている。

2004年、9歳にしてレーシングカートにデビュー。スペインの「フォーミュラ・カタルーニャ・カーティング・シリーズ」でランキング2位を獲得して頭角を現す。その後はカートの世界で実績を重ねながら、並行して2007年にセアト・レオン・ユーロカップで4輪レースにデビュー。デビューイヤーながら1勝を飾り、15歳にしてツーリングカーレースで表彰台の真ん中に立った。

2008年には、カートの西ヨーロッパ選手権で6番手を獲得、CIKアジア・パシフック選手権にも出場。一方で四輪レースは2009年にカタルーニャ・ツーリングカー選手権でシリーズ2位、2010年はセアト・レオン・ユーロカップのシリーズ4位とセアト・レオン・スーパーコパのシリーズ5位を獲得するなど、素晴らしい成績をおさめてきた。

こうした実績が認められて、2011年にSUNREDからWTCCに参戦。同年は最高位が2回獲得した総合8位、シリーズランキングはYOKOHAMAトロフィーの8位という成績であった。
2012年は、車種としては同じセアト・レオンを駆るものの、Tuenti Racing Teamからの参戦となった。そして、開幕のモンツァで総合6位に食い込み、悲願のYOKOHAMAトロフィー初優勝を飾った。この栄冠を手土産に故郷・スペインへの凱旋レースとなった今回も活躍、第1レースでモンツァ同様に総合6位、堂々のYOKOHAMAトロフィー今季2勝目を飾ることに成功。

現在はアイルランドのダブリンにあるカレッジに通っているオリオラ選手。さらなる活躍が期待されるWTCC最年少ドライバーには、ぜひこれからも注目していただきたい。
 
TECHNICAL INFORMATION
スペインのヴァレンシア・サーキットは、開幕戦の舞台となったモンツァほどではないが、長いストレートを持つことからトップスピードは高めのコースだ。そのため1コーナーへの進入はブレーキングもハードなものとなり、タイヤに対するシビアリティも高くなる。さらに縁石をまたいだインカットもしやすいため、タイヤのタフさも試される一戦と言える。
マシンについては1,600ccターボ化されたことでパワーやトルクがアップ、全体的なラップも速くなっている。

こうした中でADVANレーシングタイヤは、ヴァレンシアでもタイヤに関するトラブルは皆無でレースをしっかりと支えた。
車両の進化、それに伴うバトルのレベルアップに対して、優れた耐久性能とコントロール性能を持つADVANレーシングタイヤは、“サーキットの格闘技”とも称される魅力にあふれるWTCCのレースにとって、欠かせない存在となっている。
ひとつ前にもどる