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日程・レポート・結果表 2012年のWTCC WTCCを戦うタイヤ
[LINK] 公式ウェブサイト 参戦車両の概要 主な参戦車種
2012年のWTCC
2005年の発足から8年目のシーズンを迎えるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。発足当初はF1、WRC(世界ラリー選手権)と並ぶ三大FIA世界選手権のひとつとして、後にFIA GT1とWEC(世界耐久選手権)がFIA世界選手権に加わったことから、現在では6つあるFIA世界選手権のひとつに数えられている。
モータースポーツ界のピラミッドにおいて、頂点に位置するFIA世界選手権。その中ではツーリングカーによるスプリントレースの世界最高峰に位置づけられている。

基本的なレースフォーマットは発足当初から変わらず、土曜日に30分のフリー走行を2本行った後、45分間の公式予選となる。日曜日は15分のウォームアップが行われた後に、途中のインターバルをはさんだ決勝が2レース行われるという流れだ。
さらにイタリア、モロッコ、ブラジル、アメリカ、日本、中国、マカオの各大会においては、レースウィークの金曜日(マカオは木曜日)に公式テストセッションが設けられる。その時間はイタリアが終日、そのほかは30分間と定められている。


WTCCといえば一日に2回行われる決勝レースが、ともにスタートからフィニッシュまで手に汗握る接戦となる特徴がある。この特徴を生み出している大きな要素がリバースグリッド・システムだ。

土曜日の公式予選はQ1とQ2という2つのセッションで構成される。予選スタートから最初の20分間(市街地レースでは30分間)がQ1で、ここでは参加する全車が出走してベストタイムを競い合う。
このQ1でマークしたベストタイムの上位12台が続いて10分間(市街地レースでは15分間)行われるQ2に進出、再びタイムアタックを行うという流れになる。この点については昨年までは上位10台がQ2進出となっていたが、2012年は2台増やされることとなった。

そしてQ2での12台のベストタイムと、Q1の13番手以下のベストタイムの順位によって、決勝第1レースのスターティンググリッドが決せられる。その上で決勝第2レースのスターティンググリッドにはリバースグリッドが適用され、Q2の上位10台が下表のように配されることとなる。なお、Q1とQ2の間に燃料の補給や抜き取りを行うことは禁止されている。

また、決勝第1レースはローリング、第2レースはスタンディング方式のスタートを採用するのは従来通り。特に第2レースのスタンディング方式はFR(後輪駆動)車が得意とするところで、これまでにもしばしばロケットスタートで第1コーナーを奪うシーンが繰り広げられている。
なお、決勝レースは昨年までの最長50kmに対して、2012年は50km以上60km以下と定められ、距離/所要時間ともに若干伸ばされることとなった。
 
リバースグリッド・システム
予選2回目結果
(予選1回目の上位12台が進出)
1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位 12位
第1レース
スターティンググリッド
1番
(P.P.)
2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 10番 11番 12番
第2レース
スターティンググリッド
10番 9番 8番 7番 6番 5番 4番 3番 2番 1番
(P.P.)
11番 12番
 
WTCCは出場するドライバーの顔ぶれも興味深いラインナップ。参加資格はFIA国際B級以上のドライバーライセンス所持者となっており、若手からベテランまで多彩な顔ぶれが揃っている。

参加チームはマニュファクチャラー登録とYOKOHAMAトロフィー対象の2つに分けられる。わかりやすく言えば前者が“ワークスチーム”、後者は“プライベートチーム”と表現しても良いだろう。

時に「サーキットの格闘技」と称されるWTCCは、スタートからフィニッシュまで繰り広げられる超接近戦が最大の見どころ。しかし、決してルール無用のラフプレーが続くわけではなく、厳密なルールの下で世界トップクラスのドライバーが妙技の応酬を展開していることに注目したい。

スプリントレースということで戦略があまりないとも思われがちだが、トップクラスのドライバーはしっかりレースの組み立てを行ってスタートに臨んでいる。その上で例えば中盤までは先行するライバルをプッシュしてタイヤの消耗を進めさせ、終盤で一寸の間隙を突いて一気にトップを奪う、というような高度な駆け引きも日常茶飯事だ。
なお、2012年はシーズンを通じて3回の戒告処分を受けたドライバーについては、3回目のペナルティーを受けた後の最初のレースで10グリッド降格のペナルティーが自動的に課せられる。
事実、公式ウェブサイトでもレースウィーク中のペナルティ裁定については全ての文書が公開されているが、驚くほど細かい部分やラフプレーに対して競技運営団が目を光らせ、公正なレース運営が行われていることを垣間見ることも出来る。
WTCCのポイント制度は、ドライバーを対象としたものが選手権部門とYOKOHAMAトロフィー部門のふたつ。選手権部門は各決勝レースの順位に応じて、優勝から10位までの選手にF1と同様のシステムによってポイントが与えられていく。これにはYOKOHAMAトロフィー対象選手も含まれ、総合順位のトップ10に食い込めば選手権ポイントが付与される。
さらに2012年は予選2回目の結果に応じた予選ポイントも、上位5台に与えられることとなった。このポイントは決して小さくなく、選手権タイトルの行方に大きな影響を与える結果が予想されるところだ。

同じく選手権ポイントはマニュファクチャラーに対しても付与される。こちらは決勝で各マニュファクチャラーの上位2台に対して得点が与えられていくシステムで、参加台数が少なくてもハンデとはならない仕組みが構築されている。

ちなみに過去の結果を見ると、2005年から2007年はBMWが三連覇。2008年と2009年はディーゼル・パワーを炸裂させたセアトがタイトルを奪い、2010年と2011年は初年度から地道に参戦を続けてきたシボレーが連覇して黄金期を迎えている。

一方、非マニュファクチャラー登録のドライバーやチームを対象としたYOKOHAMAトロフィーも、白熱した戦いが繰り広げられる。こちらは各決勝の上位8台に加点される仕組みだが、選手権と大きく異なるのは最終戦のマカオ大会が2倍のポイントというボーナス・ステージに位置づけられていること。
もちろんチームを対象としたポイントも与えられているが、最終戦までタイトル争いがもつれこむことはYOKOHAMAトロフィーの方が多く見られる傾向にある。
 
ドライバー・選手権得点基準
(各レース決勝結果ポイント)
優勝 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
25点 18点 15点 12点 10点 8点 6点 4点 2点 1点
 
ドライバー・選手権得点基準
(予選2回目結果ポイント)
1位 2位 3位 4位 5位
5点 4点 3点 2点 1点
 
YOKOHAMAドライバートロフィー得点基準
(第1戦〜第22戦)
優勝 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位
10点 8点 6点 5点 4点 3点 2点 1点
 
YOKOHAMAドライバートロフィー得点基準
(第23戦、第24戦)
優勝 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位
20点 16点 12点 10点 8点 6点 4点 2点
WTCCを戦うタイヤ
選手権が発足した2年目の2006年から、ワンメイクタイヤサプライヤーとしてWTCCを足元から支え続けているのが横浜ゴム。
7シーズン目を迎えるパートナーシップはますます強固なものとなっており、ドライバーやチームから寄せられる信頼も厚い。

供給されるタイヤはドライ路面用のスリックとウェット路面用のレインが各1スペックずつ。全車種共通のスペックとされる背景には、参戦コストの抑制を目指すWTCCならではの合理的な思想がある。

ただ、その為にタイヤにとっては装着する車両を選ばないパフォーマンスが求められることとなった。FF(前輪駆動)とFR(後輪駆動)という駆動方式の差異にはじまり、重量や特性の異なる車種が装着した時に、決して特定の車種にだけ有利にならないようなイコールコンディション性がコントロールタイヤには求められる。

この点について横浜ゴムでは、2006年からの供給開始に向けて専任プロジェクトを発足させ、それまでに国内外のさまざまなモータースポーツシーンで蓄積してきた技術と経験、データを余すところなく活用。以降、自然吸気の2,000ccガソリンエンジン車にはじまり、ディーゼルターボエンジン車の登場、そして1,600ccガソリンターボエンジンへと変遷していく車両規則に対して、常にしっかりと世界最高峰の走りを支えている。
また、2010年からはオレンジオイルを配合した「エコレーシングタイヤ」を供給している。

なお、タイヤの使用本数規定は、開幕のイタリア大会についてはドライ4セット(16本)までとなっており、第2大会以降はドライ5セット(20本)まで、そのうち新品タイヤは12本までと規則に明記されている。レインは全ての大会において4セット(16本)までの使用が許されている。
ドライ用は第2大会以降、ユーズド品を8本まで使えるようになり、フリープラクティスでの慣熟やセットアップでは程度の良いユーズドタイヤを用いることも多い。ゆえに主力チームでは、先の大会を見据えたタイヤマネージメントも、重要な戦略のひとつとして考えられている。

ちなみにWTCCでは、出走前にタイヤに熱を加えるタイヤウォーマーの使用が認められており、予選や決勝ではコースイン直後からアグレッシブな走りをファンは堪能出来るのも魅力のひとつだ。
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