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WTCC Round 15&16
開催日
2012年7月21日〜22日
開催場所
クリティバ (ブラジル)
天 候
第1レース : 晴れ
第2レース : 晴れ
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 15周
第2レース : 16周
(1周 = 3,695m)
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前戦のポルトガルで、3月の開幕戦から続いていたヨーロッパ圏での転戦を締めくくっているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。およそ1ヶ月半のインターバルを経て、シリーズは海を渡って南半球へと大移動、ブラジルのクリティバ・サーキットを舞台に第15戦・第16戦が開催された。

クリティバはWTCCの開催2年目、ヨコハマタイヤがワンメイクサプライヤーに初めて指定を受けた2006年からカレンダーに毎年組み込まれてきた。2007年以降はシーズン開幕戦の舞台としてお馴染みとなっていたが、今年は2006年以来となる7月の開催とされた。

ヨーロッパ以外での開催ということで、レースウィークは金曜日に30分間設けれるテストセッションから幕を開ける。この時点から好調なタイムを刻んできたのがシボレー勢、残念ながら今シーズンいっぱいでのWTCCからの撤退が発表されたシボレーであるが、開幕から圧倒的な強さを見せているシーズンを象徴するような好走が光る展開となった。

テストセッションはアラン・メニュ選手がトップタイム、これにロブ・ハフ選手、イヴァン・ミューラー選手と続き、この3人だけが1分22秒台をマーク。土曜日には30分間のフリープラクティスが2回行われたが、2回ともにミューラー選手、ハフ選手、メニュ選手の順でトップ3を独占する速さを見せた。

その勢いは公式予選に入っても留まることなく、フリープラクティスと同じオーダーで公式予選1回目のトップ3はシボレー勢。上位12台が公式予選2回目に進出するが、4番手にミシェル・ニュケア選手、5番手はアレックス・マクドワル選手と、YOKOHAMAトロフィー勢でシボレー・クルーズ1.6Tを駆る選手が続き、クルーズがトップ5を占める速さを見せつけた。
なお、公式予選1回目の上位12台、そのうち6台をYOKOHAMAトロフィー勢が占めていた点も注目のポイントとなった。

公式予選2回目もシボレー勢の速さは変わることなく、ミューラー選手が1分22秒289でトップタイム。メニュ選手、ハフ選手、ニュケア選手と続いて、決勝第1レースのスターティンググリッドは、上位4台をシボレーが占める展開となった。また、10番手にノルベルト・ミケリス選手、9番手にトム・コロネル選手がつけたことで、第2レースのスターティンググリッドはフロントローにBMW勢が並ぶ流れとなる。

今大会はメインレースとなるWTCCに加えて、3つのサポートレースが組まれているスケジュール。
ただし南半球のブラジル開催ということで、ヨーロッパ圏との時差を考慮して、テレビ放送がヨーロッパの視聴者にとって見やすいものとなるように、現地時間の夕方に集中して決勝レースが行われるタイムスケジュールが組まれている。

第1レース(第15戦)のスタートは、ブラジル現地時間の15時05分。クリティバのスタートラインは、最終コーナーを立ち上がり980mのストレートに入ってまもなくのところにあるが、ローリング方式の第1レースは隊列が整い切らずフォーメーションを2周行った後にスタートが切られた。

先頭のミューラー選手、続くメニュ選手と順当に1コーナーへとアプローチしたが、3番手のハフ選手は真後ろのグリッドにつけていた5番手スタートのガブリエレ・タルクィーニ選手(セアト)に、一寸そのポジションを脅かされる。しかし、逆転王座獲得に向けた闘志を燃やすハフ選手は、タルクィーニ選手をしっかり抑えて1コーナーに入り、シボレーの3台による隊列は崩れない。

その後方では鈴鹿ラウンドからホンダに移籍することが決まったティアゴ・モンテイロ選手(セアト)が、アルバート・セルキ選手(BMW)と6ターンで接触、マシンにダメージを負って両者は結果的にリタイアとなってしまう。

YOKOHAMAトロフィー勢では、ランキングのトップに立つペペ・オリオラ選手(セアト)に注目が集まった。14番手と後方からのスタート、オリオラ選手は猛追を見せてノルベルト・ミケリス選手(BMW)やトム・コロネル選手(BMW)と、3台がテール・トゥ・ノーズ状態で前に出る隙を伺っていた。
4周目、コロネル選手に後ろからプレッシャーをかけていたミケリス選手が最終コーナーで仕掛けてインに入る。しかし、さらにそのイン側にオリオラ選手が陣取り、スリーワイドでストレート立ち上がりへ。この勝負はコロネル選手がポジションを守った一方、ミケリス選手はオリオラ選手に先行を許してしまった。

しかし、そう簡単に勝負が終わらないのがWTCC。特にオリオラ選手とミケリス選手はYOKOHAMAトロフィーを争うランキング1位と2位にあるため、5周目に入った1コーナーでミケリス選手が逆襲、オリオラ選手のインにつけて両者は接触を伴いながら1コーナーから2コーナーとクリアしていく。この接近戦は若きオリオラ選手が意地を見せて譲らず、ミケリス選手が後塵を浴びる結果に。
だが、9周目には再びバトルが勃発、先ほどと同じ1コーナーで今度はミケリス選手がしっかりとインを奪って、オリオラ選手の前に出た。

上位陣は大きな順位変動も無く周回を重ねていく。その実はミューラー選手は片時も気の休まる暇が無いフルプッシュ状態でチームメイトの追撃をかわしていたのだが、タイヤマネージメントも巧みに行ってミューラー選手が優勝。
YOKOHAMAトロフィーもシボレーを駆るミシェル・ニュケア選手が、同じくシボレーで走るチームメイトのアレックス・マクドワル選手をを振り切って優勝。
シボレー勢が表彰台を完全独占して、改めて強さを見せつける結果となった。

今回は南半球での開催ということで、時差の関係から欧州でのテレビ視聴者の利便性を考慮したタイムスケジュールとなっていたクリティバ戦。第1レースが終わると慌ただしく各チームは準備を整え、1時間もないほどの短いインターバルで第2レース(第16戦)の決勝を迎えた。

BMWの2台がフロントローにつけたスターティンググリッド、スタンディング方式のスタートでは順当にミケリス選手、トム・コロネル選手とグリッド順のままに1コーナーをクリアしていく。その後方で巧みなスタートを決めたのはタルクィーニ選手、6番手スタートからポジションを3番手にまでアップさせた。
2周目に入った1コーナーではインからコロネル選手をかわして、タルクィーニ選手は2番手に浮上。さらに前を行くミケリス選手に容赦なくヘッドライトを浴びせてプレッシャーをかけていく。

しかし3周目にレース展開を大きく左右するアクシデントが発生。ターン4でチャールズ・カキン選手(BMW)が最終コーナーでクラッシュ、車両回収のためにセーフティカーが導入された。
セーフティカーは3周介入して7周目からリ・スタート。当然、ローリングスタートでのレース再開となるので、スタンディングスタートから序盤でBMW勢が稼いだマージンが帳消しとなり、逆にパワーで勝るシボレーにとって有利な展開となる。

リ・スタート時点でトップはミケリス選手、以下タルクィーニ選手、ハフ選手、ミューラー選手というオーダー。仕切り直しのスタート、まずはアウトから1コーナーにアプローチしたタルクィーニ選手が職人芸を見せてトップを奪う。この後、2番手にドロップしたミケリス選手に容赦なくシボレー勢が襲いかかり、ミケリス選手は5番手に後退。

そして後半に入ってヒートアップするトップ争い、ハフ選手が何度となくタルクィーニ選手に仕掛けるそぶりを見せてプレッシャーをかける。対するベテランは冷静にこれを抑え、心理的な駆け引きも注目の展開に。
その決着は11周目の1コーナーでつけられた。先ほどタルクィーニ選手がトップに立った瞬間を再現するかのように、今度はハフ選手がアウト側から綺麗にタルクィーニ選手をパス。前に出たハフ選手は一気にペースをあげてマージンを稼いでいく。

その後、13周目にはメニュ選手もタルクィーニ選手をパスしたが、タルクィーニ選手はチェッカーまでミューラー選手のプッシュを抑えきって3位でフィニッシュ。2戦連続のシボレー勢による表彰台独占を阻止する力走を見せた。
YOKOHAMAトロフィーはポールポジションからスタートしたミケリス選手が、総合5位フィンイッシュで優勝。オリオラ選手が2レースとも下位に沈んだのとは対照的に好成績を残したミケリス選手が、ランキング争いでも逆転してトップに立つことに成功した。
 
Driver's Voice
イヴァン・ミューラー 選手
 【今回の成績 : 第15戦 優勝/第16戦 4位】
今日は第1レースをポールポジションから優勝することが出来て、とても嬉しく思っています。
この勝利は、とても重要なものでした。外から見ているとそんなに苦労せずに勝ったように見えるかもしれませんが、実際にはハフ選手とメニュ選手が激しくプッシュしてくるので、私は常に100%の走りをしなければなりませんでした。
シリーズランキング争いでは、ハフ選手に対して17点のリードを私が持っています。しかし、選手権の道のりはまだまだ長く、何が起こっても不思議ではありません。
私が安心するのは、最終戦の最終ラップで、ランキング争いをリードしている時なのです。
ロブ・ハフ 選手
 【今回の成績 : 第15戦 3位/第16戦 優勝】
タルクィーニ選手の前に出ることは、本当に難しかったですね。しかし、私がシリーズランキング争いにおいて生き残るためには、タルクィーニ選手の前に出なければならないことを十分に理解していました。パッシングする際に、タルクィーニ選手は紳士的なドライバーですから、危険を感じるようなドライブをすることは全くありませんでした。
そして、結果的にタルクィーニ選手はミューラー選手を抑えてくれたので、私にとってはとてもありがたかったです。
この結果は私にとって、とてもハッピーなものです。私はミューラー選手に対して1ポイント、差を詰めることができました。
我々は、全員にとって初めてのサーキットとなるソノマ(アメリカ)に向かいます。そこで形勢を見てみましょう。
 
FEATURED DRIVER
■ミシェル・ニュケア 選手 (bamboo-engineering)

ニュケア選手は1979年9月にデンマークで生まれた32歳。

1998年、19歳でデンマークのグループN選手権に参戦、以降5シーズンに渡って出場を続け、5年目の2002年にはセアト・イビーザを駆ってシリーズチャンピオンを獲得した。

翌年からはデンマーク・ツーリングカー選手権に出場、こちらは実に7年連続で参戦、5年目にセアト・レオンで、7年目にはシボレー・ラセッティでシリーズチャンピオンに輝いた、デンマークを代表するツーリングカー使いのドライバーだ。

WTCCには2010年から参戦を続けており、初年度と2年目はセアト・レオンTDiを勝った。2011年、初めて鈴鹿サーキットを舞台して開催されたWTCC Race of JAPANでは、2レース続けてYOKOHAMAトロフィーを制して表彰台に立ったことは、印象に残っているという日本のファンも多いことだろう。

今大会は、急病で欠場したパスカーレ・デ・サバティーノのピンチヒッターとして、バンブーレーシングから出場したニュケア選手。チームに優勝をプレゼントする、素晴らしい働きを見せてくれた。
 
TECHNICAL INFORMATION
クリティバ・サーキットは1967年に完成したコースで、45年の歴史を持つブラジルを代表するサーキットのひとつ。ただ、必要に応じた補修は施されているものの、路面はやや粗い部分もあり、タイヤにとっては特に摩耗に厳しいコースであると言える。

今年のWTCCは、2006年以来となる7月開催。これまでは開幕戦の舞台として3月のカレンダーが恒例となっていたが、南半球のブラジルであるため、開催時期は夏から初冬に移されたこととなる。
ゆえに気温は低めとなり、第1レース(第15戦)のスタート時点では25度となっていた。また、昨年までは日中に50度近くまで上昇していた路面温度も、今年は30度程度に下がっており、元々の夏場の開催でもタレなどの問題はなかっただけに、より気温/路面温度的には戦いやすいコンディションであった。

ちなみにこの時期のブラジルは一日のうちで寒暖の差が大きく、朝方の最低気温は一桁にまで下がるので、タイヤサービススタッフも適切な服装を状況に応じて使い分けるなど、体調管理にも気をつかって万全の体制でレースを支えた。
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