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SUPER GT Round 1
開催日
2013年4月6日-7日
開催場所
岡山国際サーキット(岡山県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
決勝周回数
81周
(1Lap = 3.703km)
参加台数
40台
(ヨコハマタイヤ装着車 20台)
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サーキットへと向かう沿道には満開に近い桜が咲き誇る4月6〜7日、2013年シーズンのSUPER GTシリーズ開幕戦となる「OKAYAMA GT 300km RACE」が行われた。
うららかな日差しに包まれた金曜の搬入日から一転、爆弾低気圧の襲来が懸念される中、土曜の公式予選は冷たいウエットコンディションでの攻防に。今季から公式予選は全戦ノックアウト方式を採用、Q1、Q2の2セッションで構成されることとなっていたが、激しい風雨の中でスピンやコースアウトなどが続出。赤旗中断やセッションディレイが繰り返され、非常に厳しい条件下でのアタックとなった。

しかし、土曜の午後3時に始まったGT500のQ1セッションでは、ヨコハマタイヤ勢がパフォーマンスを遺憾なく発揮。セッション途中での赤旗中断の間に急速に変化する路面状況を的確に読み、スーパーソフトからソフトへと、コンパウンドの異なるレインタイヤをセッション中にトライした結果、「D'station ADVAN GT-R」の安田裕信選手が1分36秒490で3番手、さらにチェッカー提示後のラストラップで1分36秒600をマークした荒聖治選手の「WedsSport ADVAN SC430」が4番手に食い込み、無事トップ8に与えられるQ2進出権を手にする。

ところが、この後行われたGT300のQ2終了後に風雨が一層強まったため、協議の結果GT500のQ2はキャンセルに。このため、ポールポジションへのチャンスこそ失われたものの、GT500のADVAN勢が決勝スターティンググリッドの2列目、3〜4番グリッドに並ぶこととなり、翌日の決勝に向け大きな注目を集めた。

一方、GT300では「S Road NDDP GT-R」が2番手グリッドを獲得。4番手には「ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3」が、5番手には「ENDLESS TAISAN PORSCHE」が、そして6番手には「GSR 初音ミク BMW」が続く結果となった。

一夜明け、日曜には天候の回復が予想されていたものの、決勝日は予想外の冷え込みとなった。フォーメーションラップが始まる午後2時の段階で、気温11℃、路面温度21℃のドライコンディションながらも、冷たい風が吹き、時折雨がパラつく不安定な中、決勝レースが始まった。

フォーメーションで2番グリッドの「Epson HSV-010」が1コーナーでコースオフ、さらにアンドレ・クート選手の「WedsSport ADVAN SC430」までもがスピンを喫する等、タイヤのウォームアップの難しさが見とれる中、フォーメーションラップが2周となり決勝は81周の戦いに。

「D'station ADVAN GT-R」のミハエル・クルム選手、「WedsSport ADVAN SC430」のクート選手ともに苦しい立ち上がりとなってしまった決勝だが、レースが進むにつれペースを取り戻した「D'station ADVAN GT-R」は22周目に「REITO MOLA GT-R」をパス、「WedsSport ADVAN SC430」も25周目に同じく「REITO MOLA GT-R」を捕えるなど、ポジション挽回の気配を見せる。

しかしタイトでオーバーテイクの難しい岡山国際のコースレイアウトも災いし、なかなか上位進出を果たせない。さらに悪化するコンディションの中で力走を続けた両者は、「D'station ADVAN GT-R」は13位、「WedsSport ADVAN SC430」は14位で完走。結果は不本意なものとなってしまったが、次につながるチェッカーをしっかり受けてレースを締めくくった。


GT300では、序盤からヨコハマタイヤユーザーが果敢なレースを展開。好スタートを切った「S Road NDDP GT-R」の星野選手が、1周目のヘアピンで早くもトップに浮上。そのまま後続を引き離し続けたものの、後方から追い上げて来た「GAINER DIXCEL SLS」に10周目逆転を許してしまうも、星野選手はしばらく2番手をキープし続けた。

しかし、「S Road NDDP GT-R」のペースは思うように上がらず、やがて「ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3」の山内英輝選手、「GSR 初音ミク BMW」の片岡選手、そして「DIJON Racing IS GT-R」の千代選手の接近を許してしまう。必死にガードを固めた星野選手ながら、31周目に山内選手、32周目に片岡選手に相次いで逆転されてしまう。

そのバトルを繰り広げた4台のうち、最も早くピットに入ったのは「GSR 初音ミク BMW」で37周目。続いて38周目には「ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3」が、そして39周目には「DIJON Racing IS GT-R」がピットに戻り、それぞれ谷口選手、吉本選手、高森博士選手に交代する。そして、41周目には星野選手が佐々木選手にスイッチ。この中で最上位だったのは谷口選手で、前を走るのはまだピットに入っていない3台のみ。逆にピットでやや後れを取ってしまった佐々木選手は45周目のヘアピンで接触があり、その際にサスペンションにダメージを負ってしまう。このため「S Road NDDP GT-R」はピットでリタイアとなった。

トップの「GAINER DIXCEL SLS」が46周目、最後にドライバー交代を行い、コースに戻った時の谷口選手との差は約5秒。逆転の期待もかかったが差は広がる一方で、谷口選手はポジションキープに徹することとなる。そして、その後方では「ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3」の吉本選手が「HANKOOK PORSCHE」と激しく3番手を争い、終盤のレースを盛り上げた。プレッシャーに屈することなく、必死にガードを固め続けていた吉本選手ながら、最終ラップのアトウッドカーブで強く降っていた雨に、後続車両が止まり切れず追突。何とかコースに踏み留まって、吉本選手はチェッカーを受けることとなった。

結果、「GSR 初音ミク BMW」が準優勝を獲得し、3位の「ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3」とともに表彰台を飾った。また、最終ラップのアクシデントもあり、竹内浩典選手と土屋武士選手が走らせる「OKINAWA-IMP SLS」がひとつ順位を上げて4位に。そして6位も黒澤治樹選手と加藤正将選手の「LEON SLS」が獲得。
優勝こそ叶わなかったものの、開幕戦からヨコハマタイヤユーザーが上位フィニッシュを飾る結果となった。
 
Driver's Voice
ミハエル・クルム 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 13位】
スタートの時、厳しくなるのは分かっていました。最初の段階で下げてしまったポジションを、後から追い上げて行くにはちょっとペースが足りなかったと思います。
ただ、良い感じではありましたし、途中「REITO MOLA GT-R」を抜くことができました。さらにピットでは「KeePer TOM'S SC430」までかわすことが出来て、ポイント圏内の10位以内に入れるのでは、とも思いましたが、残念ながらピットアウト後の1コーナーでコースアウトがあって。今日のコンディションでは、タイヤのウォームアップが非常に難しかったと思います。
次の富士ではヨコハマタイヤに良いコースだと思いますから、なんとしてもポイントを獲りたいですね。頑張ります!
荒 聖治 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 14位】
非常に苦しいレースになってしまいましたね。タイヤ本来のパフォーマンスを引き出せないままに終わってしまった感じです。
アンドレがフォーメーションラップでスピンしてしまったのもそうですし、僕のセカンドスティンドでも同じようにタイヤが温まらず苦しみました。途中24号車について行けそうなところもあったのですが、終盤はそれも難しい状況で……。
予選が良かっただけに非常に悔しいのですが、富士に向けてはテストも良かったですし、仕切り直して表彰台を狙えるような戦いをしたいですね。
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 2位】
6番手からのスタートで、2位でゴール出来たことにすごく満足しています。開幕戦として上々の滑り出しになったんじゃないでしょうか。自分たちとしては100点の仕事が出来たと思いますし、昨年の開幕戦と比べると、すごくクルマに力を感じるのでシーズンを考えると明るい材料です。
早めに入って、その間に稼ぐっていう作戦も当たりましたし、さらに燃費もだいぶ良かったようで、ルーティン(のピットストップ)が終わった後、一気に15秒とか20秒も離すことが出来ました。
スピードと燃費、両方あったので、今後もこういうレース運びが増えるんじゃないかと思います。
谷口信輝 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 2位】
スタートを担当してくれた片岡選手が、うまく抜き続けてくれて、本当に我々は順調にこなしていくことができました。
ピットで「ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3」の前に出られるか分からなかったんですが、みんながしっかり仕事をこなして前に出ることが出来て。内心はトップも食いたかったんですが、ちょっと今回ばかりは勝負になりませんでした。別にマージンを守ろうとしていたわけじゃなくて、一生懸命走っていたんですが。
最後に雨が来て大変なことになるかも、と思ったんですが、後ろも迫っていなかったし、あと1周なので、危ない状況を乗り切ることができました。
山内英輝 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
スタートは無難に切れて、その後は「SUBARU BRZ R&D SPORT」のペースが良くなかったのですぐに抜くことが出来たのは良かったものの、「S Road NDDP GT-R」を抜くのに手間取ってしまって。無理して抜きに行くのはリスクが大きかったんで、しばらく様子を見ることにしたら徐々に厳しくなっていたので、少し追い詰めたらアトウッドで向こうがミスをして。
そのチャンスを逃さずヘアピンで刺しました。そこは僕自身、ちょっと成長したなと思った瞬間でした。その後はペースも上げられたし、代わった吉本選手は速くて強いドライバーなので、必ず表彰台で帰って来てくれると信じていました。
吉本大樹 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
まず、JLOCにシートのないところを拾ってもらえて移籍して、緒戦でこうやって結果を残せたことが、素直に単純に嬉しいです。
レースに関して情報やデータがあまりなかったのですが、マージンを持って走るようなことはせず、レース全部をプッシュしようと山内選手とは話していました。思った以上に山内選手は、戦略的に強いであろうと思っていたGT-Rにずっと食らいついて、一瞬のミスを突いて抜いてくれました。僕のスティント大半、95%ぐらい藤井選手(誠暢 : HANKOOK PORSCHE)につかれていたのでしんどいレースだったけれど、何とか守り切って。最終ラップはアトウッドが濡れていたために追突され、スピンしてしまったけれど3位のままで帰って来られたから良しとします。
JLOCは3台いてデータも多いので、今回のデータも生かして、この先も良いレースを続けて行きたいですね。
 
TOPICS
■「D'station ADVAN GT-R」に新加入
  経験豊富なミハエル・クルム選手に 寄せられる大きな期待


今季「D'station ADVAN GT-R」を走らせるKONDO RACINGに新たに移籍、安田裕信選手とコンビを組むこととなったミハエル・クルム選手。全日本GT選手権時代の1997年には、その後F1で活躍したペドロ・デラロサ選手と組んでスープラでチャンピオンを獲得、2003年にはGT-Rで2回目の栄冠を勝ち獲った他、FIA GT1選手権のタイトルも獲得するなど、常に第一線で活躍して来たベテランドライバーだ。

速さと経験を兼ね備えたクルム選手の加入に、チームメイトの安田選手も、
「やはりクルム選手は勝ち方を知っているドライバーで、これまでずっとトップで走って来ている人ですからね。レースで勝つために、何をどのように持って行くかなど、凄く勉強になっています」と語るなど、チーム内での"マイケル効果"は大きなプラス要素。

残念ながら今回「D'station ADVAN GT-R」でのクルム選手の初レースは、
「レースペースが落ちないタイヤを選んで行ったわけですが、その分タイヤのウォームアップに時間が掛かってしまった。熱が入った後のペースは良かったんですが、温まりの速いライバル勢に序盤に抜かれてしまったのは、もう仕方なかったでしょうね。でも問題は、その後グリップが上がり、前のマシンよりもペースが良いときがあったものの、この岡山のコースは狭く追い抜きが難しくて。富士や鈴鹿だったら、もう少し状況は違っていたと思います」と、厳しいものとなってしまったが、クルム選手は苦戦の中にもポジティブな部分を感じていたという。

「それでも全体としてパフォーマンスを感じることが出来ました。チームのピットストップも凄く頑張ってくれたし、近藤監督の無線での指示なども良く、ドライバーのモチベーションを上げてくれた。厳しい一日でしたが、ある意味楽しいレースが出来たんじゃないかと思います」

ヨコハマタイヤでのクルム選手の戦いは始まったばかりだが、早くも高まる周囲からの期待に大ベテランが結果で応えてくれる日は遠くないだろう。
 
ENGINEER VOICE
オフシーズンには昨年の戦いの中から感じていた、レースペースでの安定性向上など、いくつかの課題を念頭にタイヤ開発を進めて来ました。そのあたりは、既に昨シーズンの後半に掛けて行っていた流れのアプローチですが、開幕戦に関してはオフのテストの中で見つかったいくつかの対策を盛り込んで来たという形ですが、時間の掛かるものもあるので、今季なるべく早い段階でそういったものを注ぎ込んで行けるようにしたいと考えています。

今回の岡山では予選が雨となり、GT500では2台ともにQ1セッション終盤の雨量の減った状況に合わせ、レインタイヤのソフトコンパウンドでアタックしましたが、予選2列目という良い結果を得ることが出来ました。ただし、ドライに関しては雨が降らず晴れれば路面温度が30℃付近まで上がることも想定して準備して来ていたために、冷え込んだ決勝ではウォームアップに非常に苦しんでしまいました。「WedsSport ADVAN SC430」「D'station ADVAN GT-R」ともに、ウォームアップに時間が掛かってポジションを下げ、さらにコンディションのせいかピークのグリップレベル自体も、思ったほど良くなかったようです。パフォーマンスがほとんど発揮出来ないままに初戦が終わってしまったと言う感じで本当に残念で悔しい限りです。

GT300に関しても、ADVANユーザーはFIA GT3勢が多いので、給油時間の短いJAF GT3勢を警戒していたのですが、終わってみれば他社製タイヤを履くFIA GT3マシンに勝たれてしまったということで、非常に反省すべき点だと捉えています。
GT500、GT300ともに既に富士に関しては準備が始まってしまっているのですが、岡山の週末を振り返り、どういう要素があるのかなどを精査して、早い段階で勝てるようなタイヤを準備して行きたいと思います。
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