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FIA 世界ツーリングカー選手権
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日程・レポート・結果表 2013年のWTCC WTCCを戦うタイヤ
[LINK] 公式ウェブサイト 参戦車両の概要 主な参戦車種
PREVIEW
壮絶な接近戦が随所で演じられた、前戦・ハンガロリンク。第1レース(第7戦)ではシボレーのイヴァン・ミューラー選手がポール・トゥ・ウィン、第2レース(第8戦)は3番手スタートのロブ・ハフ選手がオープニングラップとセーフティカー解除後のともにターン1で鮮やかなパッシングを披露して、待望のセアトでの初優勝を飾った。

また、ハンガロリンクで表彰台には届かなかったものの、見応えのある戦いを演じてくれたのがBMWのトム・コロネル選手だ。アグレッシブにプッシュを続け、先行するマシンに食らいついていくドライビングだったが、その背景には巧みなタイヤマネージメントがあることも忘れてはならない。

距離にして50〜60kmの決勝レースで競われるWTCC。分類としてはスプリントレースとなるが、長丁場の耐久レースと同様に決勝でのタイヤマネージメントはときとして勝敗を分ける大きな要素となる。特にハンガロリンクは路面がやや粗いこともあって、決勝の中盤から後半にかけての展開を見据え、ここ一番の勝負どころで高いグリップを得るためのタイヤマネージメントが必要となってくるのだ。
前戦のコロネル選手は、ドライブするBMWがFR(後輪駆動)車ということでFF(前輪駆動)車よりもタイヤの摩耗性能が優れる。このメリットを活かして、中盤から終盤にかけて激しい順位争いを演じた戦いぶりだったと言えるだろう。

さて、次の戦いはオーストリアのザルツブルグリンクが舞台。昨年初めてWTCCが開催されたコースだが、ここはハンガロリンク以上にタイヤに対するシビアリティが高いコースだ。事実、昨年の大会では第1レースこそセーフティカーの導入もあって上位陣に大きな波乱は無かったものの、第2レースではスタートから激しいポジション争いが演じられた結果、最終ラップでまさかの大逆転劇が演じられることとなった。

12周のレースは終盤になってシボレー勢がトップ3を奪う。しかし、8周目に3番手を走っていたアラン・メニュ選手と第1レースで優勝を飾っていたアレックス・マクドワル選手がコースオフして戦線を離脱。さらになんと、最終ラップではトップを走っていたミューラー選手がバーストからポジションをドロップ、代わってトップに立ったハフ選手までもが最終コーナー手前でバーストに見舞われてしまい、結果としてステファノ・ディアステ選手の大逆転へとつながった。

もちろん各選手、チームともに事前のフリープラクティスなどを通じて、ザルツブルグリンクのシビアリティが高いことは充分に理解していた。ヨコハマタイヤとしても適切なインフォメーションを発しており、タイヤマネージメントにはいつも以上に気をつかって臨んでいた。
しかし、それでも実際にレースが始まると、ギリギリまで攻めた走りをするのがWTCC。FF車に厳しい展開が現実となってしまったわけだが、チームや選手はヨコハマタイヤの高いポテンシャルや耐久性能に信頼を寄せているからこそ、最後まで攻めの走りを続けられたとも語っていた。
昨年は初開催ということもあって、思わぬ波乱の展開となったザルツブルグリンク。もちろん各選手やチームは昨年の経験を踏まえて、今年はよりタイヤマネージメントに気をつかったレースの組み立てをしてくるだろう。
ただ、マシンのポテンシャルがこの一年で大幅に向上している点は見逃せない。ハンガロリンクでは予選タイムでQ2の上位9台が昨年のレコードタイムを上回り、ミューラー選手は自身がマークしていたレコードを1秒ほど上回ってきた。

もうひとつ、補正ウェイトにも注目したい。ザルツブルグリンク戦では次のような重量が科されると発表されている。

+40kg : シボレー・クルーズ、ホンダ・シビック
+20kg : セアト・レオンWTCC
±0kg : BMW 320TC
-20kg : ラーダ・グランタ

当然、ウェイトが重くなればタイヤをはじめマシンへの負担は大きくなる。特にFF車はザルツブルグリンクの場合、左フロントタイヤへの負担が大きいのでドライバーには配慮が求められる。
逆に元々タイヤへの負担が軽いFR車、BMWはシボレー・クルーズやホンダ・シビックより40kg軽い設定となることもあり、有利な展開が予想される。予選で上位グリッドの獲得に成功すれば、第1レースは序盤でトップに立っての逃げきりで、得意のスタンディングスタート方式となる第2レースでは後方から一気にジャンプアップで上位進出、というシナリオも現実味を帯びてくるところだ。

また、-20kgとされたラーダ・グランタの存在も侮れない。まだ表彰台を獲得するには至っていないが、ハンガロリンクではウォームアップで5番手タイムをマークするなど、マシンは順調に仕上がってきていることも実証されつつある。既に選手権ポイントの獲得や予選でのQ2進出もなし遂げており、110やプリオラといった過去のラーダ車と比較しても潜在能力が高いことをうかがわせている。
 
STANDINGS
 
【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第8戦終了時点)】
順位 クラス No. ドライバー 車 両 ポイント
1 12 イヴァン・ミューラー シボレー・クルーズ 1.6T 160
2 3 ガブリエレ・タルクィーニ ホンダ・シビック 114
3 1 ロブ・ハフ セアト・レオン WTCC 68
4 23 トム・チルトン シボレー・クルーズ 1.6T 67
5 Y 14 ジェームス・ナッシュ シボレー・クルーズ 1.6T 65
6 15 トム・コロネル BMW 320TC 64
7 Y 17 ミシェル・ニュケア シボレー・クルーズ 1.6T 60
8 Y 9 アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 53
9 74 ペペ・オリオラ セアト・レオン WTCC 49
10 5 ノルベルト・ミケリス ホンダ・シビック WTCC 48
11 18 ティアゴ・モンテイロ ホンダ・シビック 48
12 Y 25 メルディ・ベナニ BMW 320TC 31
13 38 マルク・バッセン セアト・レオン WTCC 28
14 Y 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 4
15 Y 55 ダリル・オーヤン BMW 320TC 4
16 Y 26 ステファノ・ディアステ BMW 320TC 2
17 Y 73 フレディ・バース BMW 320TC 1
17   10 ジェームス・トンプソン ラーダ・グランタ 1
17 Y 7 チャールズ・カ・キン BMW 320TC 1
※Y : YOKOHAMAトロフィー



【YOKOHAMAトロフィー ドライバー部門・ポイントランキング (第8戦終了時点)】
順位 No. ドライバー 車 両 ポイント
1 14 ジェームス・ナッシュ シボレー・クルーズ 1.6T 59
2 9 アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 53
3 17 ミシェル・ニュケア シボレー・クルーズ 1.6T 52
4 25 メルディ・ベナニ BMW 320TC 38
5 55 ダリル・オーヤン BMW 320TC 29
6 26 ステファノ・ディアステ BMW 320TC 21
7 73 フレディ・バース BMW 320TC 21
8 19 フェルナンド・モンヘ セアト・レオン WTCC 14
9 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 13
10 7 チャールズ・カ・キン BMW 320TC 11
11 13 ジョン・フィリップ・ダイオー BMW 320TC 5
12 20 ヒューゴ・ヴァレンテ セアト・レオン WTCC 4
13 37 レネ・ミュニッヒ セアト・レオン WTCC 2
13 22 トム・ボードマン セアト・レオン WTCC 2
 
CIRCUIT
ザルツブルグリンク (オーストリア)

レッドブルリンク(旧・A1リンク)と並ぶ、オーストリアを代表する大規模なサーキットコースがザルツブルグリンク。モーツアルト生誕の地としても知られるザルツブルグ市の東、およそ15kmに位置している。

コースそのものは1968年に築かれ、これまでにどちらかというと2輪の国際レースなどが多く開催されてきた経緯がある。ゆえに4輪のレースファンよりも、モーターサイクルスポーツファンの方に広く知られた存在と言えるだろう。

コースマップを見ると、独特の“ひょろ長い”レイアウトが特徴的。2本のストレートをヘアピンでつないだようなコースであるが、この両端部にあるターン1と最終ターンが曲者で、ともに大きなバンクがつけられている。タイヤに対しては縦の荷重が強くかかることから、如何にスムーズに過度な負担をかけずにコーナーリングしていくかも重要なポイントだ。

全長は4,241m、初開催となった昨年マークされたレコードタイムは、イヴァン・ミューラー選手(シボレー)の1分27秒346(平均車速 174.79kph)。決勝ファステストラップはアラン・メニュ選手(シボレー)の1分27秒820(平均車速 173.85kph)。前戦のハンガロリンクから一転してスロバキアリンク同様に平均車速の高いコースとなる。
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