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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.45 News Index
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"アジパシ"と呼ばれるFIAアジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)を戦うCUSCO RACING。
ラリーをはじめ多彩なモータースポーツシーンで活躍する名門チームとして知られています。
同チームからAPRCにチャレンジを続けている柳澤宏至選手と長瀬努監督に聞くシリーズの最終回は、APRCそしてラリーの魅力について想いを語っていただきました。

CUSCO APRC GALLERY
写真1〜4枚目提供 : 株式会社キャロッセ
 柳澤宏至 選手
1969年・神奈川県出身。
2006年からAPRCにフル参戦を開始、シリーズ2位の成績をおさめた。
 長瀬 努 監督
クスコレーシングワールドラリーチームの監督としてAPRCを戦う。自身もドライバーとして全日本ジムカーナ選手権のタイトルを獲得した経験を有する。

−「アジア・パシフィック・ラリー選手権」の参戦環境とは?

 
長瀬監督 :
場所によってはとても過酷なものがあります。基本的に食事は現地で調達していますが、インドネシアやマレーシア、中国では難しい部分もありますね。
もちろん日本からもカップラーメンなどは持参するのですが、水の質が悪い場合もあるのです。
熱帯地域での走行では、現地の人から「リタイアしても車から降りるな」と脅かされたことがありました。どうしてだろうと聞いてみると「コブラがいるから」という答えが返ってきてビックリしました(笑)。
アドバイスとして「コブラは動きが遅いから大丈夫だけど、別の種類のヘビは機敏だから気をつけろ」と言われても、果たしてどうしたものか?という感じですよね。
 
 
−現地の人からの情報は活用しているのですか?
 
柳澤選手 :
やはり現地の方々の経験は有効ですよね。例えば天候の変化などについては私たちがどうやってもかなわない情報を持っていますしね。
 
長瀬監督 :
スタート時に雨が降っているというのであれば何とかなりますが、スタート地点とジャングルの中のステージで全然コンディションが異なる場合もあるのです。
例えばスタート時に快晴なのでADVAN A035eを装着したら、まわりの車はADVAN A031を装着していたことがありました。
「そのタイヤ選択は無いだろう」と思っていたのですが、いざジャングルの中に行ってみると前日までの雨が残って路面は乾いておらずグチャグチャだったのです。
周囲のチームや現地の人からすれば、私たちのチームこそ「その選択はありえない」ことをしていたということですよね。
 
柳澤選手 :
そのように行ってみるとコンディションが全然予想と違った場合は、もう見た目で路面状態を判断して走るしかないですよね。
道のかたち自体はペースノートに記してあるものと変化していませんから、路面の色を見て滑りそうかどうかを判断しながら走っていきます。
 

−日本におけるラリーを取り巻く環境は変化していますか?

 
柳澤選手 :
やはり世界ラリー選手権(WRC)が開催されるようになって、ラリーファンは増えていると思います。全日本選手権を観戦に来る方も増えたのではないでしょうか。
これは出場している身としてはとてもありがたいことです。
ただ、まだ"ラリーの楽しみ方"は広く認識されているとまでは言えないように思います。海外ではもっと身近な「お祭り」という感じで、近所のおじちゃん、おばちゃんがたくさん観戦に来ていますからね。
 
長瀬監督 :
最近はラリージャパンなどではお客さんも慣れてきたようで、スバルと三菱の旗を両方持って、走ってきた車に合わせて振っていたりしますよね。
賢い人になると、踏み切りのところでラリー車が来るのを待っているんですよ。日本では踏み切りではどんな車でも必ず一旦停止しますよね。そこでじっくり車を観察したり、写真を撮ったりしているのです。
 
柳澤選手 :
家の前を走っていくラリー車については、タダで見ることが出来るのがラリーという競技。APRCの日本ラウンドにあたる「Rally Hokkaido」は運営面もしっかりしていますし、ギャラリーも多い。あれだけAPRCで人が集まる大会は海外でもあまり無いと思います。
 
長瀬監督 :
今年の「Rally Hokkaido」ではセレモニアルスタートで花火を打ち上げたりして、とても良かったですね。
 

−最後になりますが、"ラリー観戦のススメ"をファンのみなさんに。

 
長瀬監督 :
参加している私たちとしては、ラリーをはじめとしたモータースポーツ全体を盛り上げたいという思いを持っています。
今年はニューカレドニアやニュージーランドでの大会で、観光客や現地在住の日本人が応援してくれました。セレモニアルスタートは観光名所的な場所で開催されることも多く、そこにたまたま来た観光客の目に「日の丸」をつけている私たちが留まるのでしょう。
こうした色々な場面でファンの裾野を拡げていけば、観戦に来るファンも増えるでしょう。
勝ち負けも大切ですが、このようなファンを増やす姿勢も重要ですよね。
 
柳澤選手 :
ラリーは「気軽に見られる」というイメージがまだ薄いのかもしれません。
しかし、全日本選手権でもアジパシでも、とにかく一度見てほしいですね。
グラベル(未舗装路)を全開で走るのは見ていても面白いと思いますし、激しいアクションも楽しめますよ。
 
世界選手権の開催などで日本でもラリーへの注目度が高まるようになって数年が過ぎました。
しかし、まだまだラリーを自分自身の眼で観戦したことがあるという方は少数派というのが現実でしょう。
自然と、そして地域コミュニティとの距離感が最も近いモータースポーツであるラリー。ぜひ一度会場に足を運んで、その迫力を全身で体感されてみてはいかがですか?
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