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奴田原文雄 選手
>> 公式サイト
昨夜はスリランカの中心都市・コロンボから6時間をかけての大移動で、競技が開催される「FOXHILL」近くの町までやってきました。
今回ご紹介するのは「FOXHILL SUPER CLOSS 2009」というイベント。
前夜祭に招待されて行ってみると、なんとその会場はスリランカ軍の施設内!
聞いてビックリ、このイベントは軍と民間モータースポーツクラブが共同で開催しているというのです。
日本では想像できない環境に驚きつつも、公式予選では今回初めてお会いするスリランカのドライバー、ディネシュさんが2番手を獲得したと聞いて期待が膨らみます。
そしていよいよ「FOXHILL SUPER CLOSS 2009」は、決勝レースの日を迎えました。
どんな会場で、どんな競技が行なわれるのか、期待に胸をふくらませての会場入りです。
驚きの前夜祭から帰って眠りにつき、いよいよ決勝レースが行なわれる土曜日の朝を迎えました。
レースの会場は、スリランカの中央部高原地帯に位置しています。
このあたりは、世界的に有名な紅茶のブランド名「セイロンティー」の産地として名高い場所。周囲の山肌には茶畑が広がり、清流が流れ、澄んだ空気が漂っています。

また標高は1,000mを超えている為に、朝、晩は肌寒いほどで、ここが熱帯の島国であることさえ忘れてしまいそうですが、日中の日差しはとても強烈で、肌に突き刺さるような感覚です。

ここに、昨夜訪れたスリランカ陸軍士官学校の施設があり、その広大な敷地の中に今回の会場となる「FOX HILL」があります。

「FOX HILL」は、硬質の赤土でしっかりと整備された、常設のサーキットコース。
もちろん路面はダートで、1.2kmほどの周回コースと、観客席を備え、また内周にはモトクロス・コースもある、本格的な施設です。
しかし、そんな常設コースではあるものの、パドックのいたるところには空の「薬きょう」が落ちていて、子供たちが無邪気に拾い集めていたりします。これを見て、改めてここが軍の施設内であることを実感させられます。

「FOXHILL SUPER CLOSS 2009」は、Slardar Championshipの第2戦にあたり、今年で開催7年目。スリランカでも1、2を争うほどの観客を集める、有名なレースだそうです。
なにせ、観客動員数は主催者発表が3万人!これは大げさに思いましたが、実際の見た感じでも1万人は入っていたでしょう。
またスリランカ全土にテレビの生中継もされているようで、モータースポーツ人気の高さを感じさせられました。
このスリランカでADVANカラーのランサーエボリューション]を駆って活躍しているディネシュさんとにお会いしたのですが、想像していたとおりの紳士でした。
出発直前に彼のウェブサイトのアドレスを知り、チェックを入れてはいたのですが、初対面とは思えぬほど意気投合することができました。

いや、ラリードライバーという人種自体が、もともと同じ目的意識でラリーに取り組んでいるので、人種や言葉の壁などまったく関係ないのです。
昨年まで参戦していた、PWRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)でも色々な国のドライバーがいましたが、ラリーを通じての仲間意識はとても強いものがあります。

話しがそれてしまいましたが、ディネシュさんは1996年ランサー・エボリューションIVでモータースポーツにデビュー。
2002年から2007年の間、毎年、スリランカ国内で開催される数々のシリーズ・タイトルを獲得してきたチャンピオンなのです。
同年代ということもあり、またお互い長年の三菱ランサーユーザーでもあり、そして昨年、2008年はタイトルを取り逃がしているというところ、これも、私の境遇ととても似通っていて、他人事とは思えずに親近感が沸いてきます。

ディネシュさんも、昨年から最新のエボリューション]を競技マシンとして実戦投入しました。しかし、新型ゆえのマイナートラブルや、パーツのデリバリー遅れなどにより、完成されつくされたエボリューションIXの後塵を浴びることが多かったそうです。
それはまさに私の2008年シリーズとまったく同じ境遇。
しかも話してみればみるほど、そのトラブル内容がまったくの同じであったことも驚きでした。
レースは2ヒート制で午前、午後の2レースが行なわれます。
エンジンの排気や車両カテゴリーなどによってクラス分けがなされていて、4輪のみならず、2輪のクラスも設けられています。
モトクロスは一部、内周のジャンプ区間を走行するので、派手なアクションもあり、転倒もありと、これもまた見ていて面白い。
スターティング・グリッドは前日の予選タイムによって決められるのですが、このグラベル・コースでは、後方から追い越すことはかなり難しそうに見えました。

さてこの大会のメーン・イベントとなるのは、ディネシュさんも参戦する、スーパーカー・クラス。
出走車は、ランサーエボリューションやインプレッサで、輸入車の関税率が300%超えのスリランカでは文字通りの「スーパーカー」と言うことになるのです。

ディネシュさんは予選タイム2番手。なんと上位6台が、0.6秒差の中にひしめくという激戦になっています。
メイン・スタンド前からシグナル・スタートで、1ヒート6周のレースがスタート。ディネシュさんも、果敢に前を行くクルマを攻め立てるのだが、きっちりとインをキープされ、逆転は惜しくも叶いませんでした。
このグラベル路面では、アウトにラインを取ると、とたんに砂でグリップが下がるわけで、レース中のオーバーテイクは、相手のミスを待つしかなく容易ではないでしょう。
いかに予選で好タイムをだし、スタートで前方グリッドを確保できるかにかかっているようでした。

2ヒート目も順位の変動はなく、ディネシュさんは2レースともに2位でチェッカー。
しかし、シリーズポイントを考えると、このポイントは好得点でしょう。
それにしても、10台ものハイパワー4WDカーが、土煙りを巻き上げながらバトルを繰り広げるさまは、メーンイベントにふさわしい迫力がありました。
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