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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.90 News Index
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1981年、ブラジル生まれ。
南アメリカ、ドイツ、そして日本と各地のF3選手権に参戦、チャンピオンの栄冠を獲得。
'06年からSUPER GTのドライバーとして活躍、KONDO Racingでは'07年から4年連続でエース・ドライバーを務める。
同郷のWTCCドライバー、アウグスト・ファルファス選手とは親友関係。
1983年、滋賀県生まれ。
'01年にCIK-FIAカートレースイン鈴鹿FAクラスでチャンピオンに輝き、翌年SRS-Fのスカラシップを獲得。
スーパー耐久やフォーミュラ・ドリーム、FCJなどで活躍、'06年にはSUPER GTの300クラスに参戦。GT500クラスは'08年にスポット参戦を経て、'09年からレギュラー。今季からKONDO Racingの一員に。
2010年のSUPER GTも前半3戦が終了。今シーズンはADVANユーザーのKONDO Racingが、見事な2年連続となる開幕戦優勝を飾って幕を開けた。
そして間近に迫る第4戦セパン・ラウンドも、KONDO RacingとJ-P・デ・オリベイラ選手が得意としている1戦。KONDO RacingのSUPER GT参戦二年目となる2007年に初優勝を飾ると、翌2008年もセパンを制して強さを見せている。
また、今シーズン移籍してきた安田裕信選手にとっても、セパンは昨年初優勝を果たした地。
そこで、セパン・マイスターのお二人に、開幕戦優勝とセパンに向ける熱い思いをお聞きした。
まずは、GT500では初となるタイヤ無交換作戦での優勝を果たした、開幕戦について両選手が振り返る。
 
 
−まずはSUPER GT開幕戦優勝おめでとうございます。

安田裕信選手(以下、安田選手) :
ありがとうございます。

J-P・デ・オリベイラ選手 (以下、オリベイラ選手) :
アリガトウ。


−開幕戦、オリベイラ選手がスタートドライバーを務めました。スタートの時から優勝の可能性は感じていたのでしょうか?

オリベイラ選手 :
いやいや。できる限りプッシュすることは考えていたし、ベストを尽くそうとは思っていたけど、勝てるとまでは考えていなかったよ。
ただ、僕ら以外の全部のマシンがピットストップを終えた後、僕の目の前はクリアでラップタイムも速かったし、ここで『勝てるかもしれない』と思い始めたね。安田に交代してから、その思いは強くなっていったよ。
スタート前は、小雨が降るコンディションだったし僕らはハードコンパウンドのタイヤを選択していたからね。勝てるイメージは全く持っていなかったよ。


−オリベイラ選手はスタートダッシュに定評がありますが、フォーメーションラップで何か特別な事をしているのでしょうか?

オリベイラ選手 :
特別なことは何もしていないよ。
開幕戦のように路面が濡れていたり、特に難しいコンディションの時には、注意して念入りにタイヤを温めるようにはしているけどね。
例えば先日の(第3戦)富士のように暖かいコンディションではタイヤは普通に温めれば何の問題もないけれど、あの鈴鹿だけは1周まるごとかけて、ずーっと温めた。少し雨が降っていたことと、僕らはハードタイヤを選んでいたからね。
普段は、アクセルワークとブレーキングで、縦方向の動きでタイヤを温めるんだけど、鈴鹿の時にはステアリングワークで、横方向の動きも使ってタイヤを温めていたんだ。


−タイヤが温まったな、という判断は、どういう部分でするのですか?

オリベイラ選手 :
GTではそういった判断がすごく難しいんだけど、縁石とか、路面のバンピーなところかな。
そこを乗り越えるときの感触やマシンの挙動で、内圧が高まって、タイヤが温まったな、って判断するんだ。
 
 
開幕戦ではGT500クラスの大クラッシュが原因でセーフティカーが導入されました。
このリスタートでもオリベイラ選手はポジションを守りきり、さらには他車のコースアウトによりポジションアップを果たします。
−リ・スタート前のセーフティカー・ランの時には、どんなことに気をつけていたのでしょうか?

オリベイラ選手 :
セーフティカー・ランの時は、とにかくコース上できれいなところを走ることに専念したよ。
タイヤが冷えちゃうのは仕方ないんだけど、タイヤかすを拾いたくなかったからね。


荒川 淳(横浜ゴム株式会社 モータースポーツ部 技術開発1グループ・リーダー/以下、荒川エンジニア) :
走っていく間に取れていくこともありますが、時間がかかってしまいますし、振動が出てしまいますしね。
特にリ・スタート時にゴミがついたままだと、それだけで抜かれる可能性もありますからね。
 
 
開幕戦のハイライトは、何といってもKONDO Racingの敢行したタイヤ無交換作戦。
GT300では成功を収めているこの作戦ですが、GT500では、未だかつてこの作戦で優勝したチームはありません。
オリベイラ選手 :
レース中、何回か無線で「無交換はいけそうか?」って聞かれたけれど、僕にそれについてのYes/Noは言えなかった。
今のタイヤの状況はアナウンスできるけれど、10周後、15周後にこのタイヤがどうなるかは分からないからね。
今の状況だけはレポートしたよ。だからあとは、チームの判断に任せることにした。


−無交換作戦の決定について、荒川エンジニアからはチームに何かアドバイスはしたのでしょうか?

荒川エンジニア :
スタート時にはもちろん、無交換というのは考えていませんでした。しかし、周りがうちより先にピットに入り始めて、アウトラップでかなりタイムをロスしているという状況があった。無交換を考え始めたのは、このあたりです。
我々としては、日曜の朝にユーズドタイヤのライフを確認できていたので、なんとか走りきれるだろうという考えはありましたから。
正直、逃げ切れるとは思っていませんでしたけどね。(2位の)6号車のSCには追いつかれるかなと。


−そんな6号車から見事逃げ切りを果たしたのが、後半スティントを担当した安田選手です。

安田選手 :
朝のフリー走行でロングのテストはしていたし、乗る前に不安もなかったんですけど、残り20周で、6号車とは16秒差でしょ。向こうはソフト目のタイヤで来てたから、1周1秒ずつ追いつかれたらパスされるって、初めはそういう不安はあったんですよ。
なので交代して最初の5ラップはがんがんにプッシュしました。その時のタイムが、ニュータイヤの6号車とほぼ同じだったんです。
そこで、『あ。勝てるかな』って。
そのあとは、トラブルとか、タイヤのフラットスポットを作らないようにとか、とにかくチャンスを逃したくなかった。後ろとのタイム差を考えてキープして、優勝だけ考えてました。


−モニターを見ていたオリベイラ選手はどういう気持ちでした?

オリベイラ選手 :
残り数ラップのところで近藤さん(近藤真彦監督)とスギさん(杉崎エンジニア)に言ったんだ。
「安田に伝えて。マージンは十分にある。リラックスして、コンスタントなラップタイムで走るんだ」ってね。


−勝てると確信したのは、いつぐらいですか?

オリベイラ選手 :
確信?確信したのは最終ラップだよ(笑)。
自分のスティントではラップリーダーを保ったし、何のハプニングも起きなかった。でもレースっていうのは、いつ何が起きるかわからないからね。最終ラップになってようやく喜ぶことができた。
僕のスティントが終わった時点で優勝への自信は高まったけど、さすがにその時点で確信はまだしていなかったよ。

安田選手 :
僕、1回コースをはみ出してますしね(苦笑)。300と絡んで。

オリベイラ選手 :
あの瞬間はもう、僕と近藤さんは頭を抱えたよ。思わず顔を見合わせてしまったね。
最後まで何が起きるかわからないのがレースだが、ドライバー2人のアグレッシブかつ冷静な走りと、チームの決断力が、2年連続の開幕戦優勝へと導いた。
次回は、そんなKONDO Racingの強さについて、チーム4年目となるオリベイラ選手、そして今季からチームにジョイントした安田選手のお二人に聞いてみよう。
 
         
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