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3台のFFコンパクトハッチがADVANとともに参戦!
 
2010年9月9日から12日にかけて、北海道札幌市を拠点に開催された「Rally JAPAN」。WRC(FIA世界ラリー選手権)の第10戦としてカレンダーに組み込まれており、日本でのWRC開催としては2004年の初開催から数えて6回目となった。

2004年から2007年までは北海道帯広市を拠点としていたが、2008年から道都・札幌に拠点を移しての2回目。プロ野球やサッカーの舞台としてもお馴染みの札幌ドームに設けられたSSS(スーパースペシャルステージ)、そして今回は全日本ダートトライアル選手権も開催されているスポーツランドスナガワなどもステージに組み込まれ、林道を合わせて全26SS、ステージ総距離303.54km/総走行距離は1220.43kmで競われた。

WRCはワンメイクコントロールタイヤ制が導入されているが、これは2輪駆動クラスには適用されない。
この2輪駆動クラスには、ADVANラリータイヤを装着したマシンが3台出場、大いに注目を集める存在となった。

[クリックで拡大画像を表示します]俳優としてラリーを題材にした映画「SS−エスエス−」への主演をきっかけに、自らもラリードライバーとしての活動をはじめた哀川翔選手。お馴染み、フォード・フィエスタSTを駆り、安東貞敏選手とのコンビで2回目の「Rally JAPAN」挑戦を実現した。

哀川翔選手とともに、TEAM SHOWの一員として出場したのが奴田原文雄選手。全日本選手権やP-WRC(FIAプロダクションカー・世界ラリー選手権)ではランサーエボリューションを長く駆ってきた奴田原選手、今回は日本初登場となる最新型のフォード・フィエスタR2での参戦。奴田原選手にとっては十数年ぶりとなるFF(前輪駆動)車での実戦出場、マシンはもちろんADVANカラーをまとい、コ・ドライバーは佐藤忠宜選手という全日本選手権のディフェンディングチャンピオンコンビである。

そしてもう1台、スズキスイフトで参戦したのはCUSCO WORLD RALLY TEAMの炭山裕矢選手と加勢直毅選手のコンビ。
全日本選手権では番場彬選手がRally Hokkaidoでドライブしたマシンでの出場となった。

奴田原選手組のマシンは、お盆前に日本上陸を果たし、そこからメカニックが徹夜を続けて造り上げた。ゆえに事前のテストをじっくり出来る時間的な余裕が無く、実質的にブッツケ本番でのRally JAPAN出場となった。

日本初登場という未知のマシン、奴田原選手にとっても十数年ぶりのFF(前輪駆動)車での実戦出場。果たして無事にフィニッシュ出来るのか、途中で深刻なトラブルに襲われるのではないか? といった不安も入り混じる中でスタートを迎えることとなった。
 
思わぬトラブルを克服、快走を見せたADVANフォード・フィエスタR2
 
9日(木)の夜、札幌ドームでのSSS。奴田原選手が駆るフィエスタR2は実質的なシェイクダウン状態ゆえにまずはSS1・Sapporo 1(1.57km)でマシンチェックを兼ねて1分38秒7の総合32番手タイム。ここで各部の動作を確認できたことから続くリピートのSS2・Sapporo 2(1.57km)では1分35秒6にタイムアップ。

10日(金)は、いよいよ主戦場を林道ステージに移す。午前中に走った3本のステージを午後にリピート、夕方に札幌市内へ戻ってドームのSSSを2本走るというアイテナリー。

林道ステージでもフィエスタR2のパフォーマンスは遺憾なく発揮され、特に中高速コーナー主体のステージを中心にN4クラスのランサーやインプレッサ勢に割ってはいるタイムを連発。排気量1,600ccのノンターボエンジンを搭載するフィエスタR2だが、排気量2,000ccのターボエンジンを搭載する4WD勢に引けをとらない速さを見せたことは、フィエスタR2の高い戦闘力を実証していることにほかならない。

初日は順調に走りきった奴田原選手組のフォードフィエスタR2。しかし、11日(土)のDAY2ではヒヤリとさせられる場面が待ち構えていた。
今回、奴田原選手のマシンにはTEAM SHOWにより車載映像をライブでストリーミング配信する装置が搭載されており、多くのファンがその走りを見守っていた。しかし、今回のRally JAPANで最長のステージとなるSS12・KAMUYCEP 1(33.76km)を走り終えたところで、映像にはボンネットを開けて奴田原選手と佐藤選手が何かをしているシーンが映し出された。

そのころチームには佐藤選手から一本の電話が。
「ブレーキフルードが漏れている」
先程の映像は、クルーが搭載しておいた予備フルードの補給を行うなどの応急措置を施している場面だった。

9.55kmのSS13・KINA 1を残してサービスインとなるが、SS走行後にサービスが設けられている札幌市内の月寒ドームまで30km以上の移動距離がある。
もちろんリエゾン区間は一般車両との混合交通ゆえ、支障があるようなら走行は断念しなければならない。

しかし幸いなことに応急措置が功を奏し、SS13でも大きく後れをとるようなことはない総合32番手タイムで走りきり、月寒ドームのサービスパークまで帰還。メカニックの手により原因となったボルトの緩みを修復、各部点検を行ってフィエスタR2は無事にDAY2後半の戦いに向かっていた。
 
格上のクラスに食い込む高いパフォーマンスを見せた!
 
ところでタイヤについてはADVAN A035の185/65R15と185/60R15という2つのサイズが用意されていた。
奴田原選手は木曜日のSS1とSS2を65サイズで走り、金曜日は60サイズに交換。そして土曜日は午前中を60サイズで走り、サービスで65サイズに交換して午後のセクションに臨んでいた。
これは特に土曜日は路面の悪化に対応するため。リピートステージはWRカーなどがワダチを深く掘ることになるため、路面の悪化が著しい。そこで65サイズを装着して少しでも地上高を稼ごうというチョイスなのだ。

DAY2後半に入り、最初のステージとなるSS14・Nikara Short 2 (17.68km)を12分23秒7であがると、総合順位を24番手にアップ。ブレーキトラブルが完治したことはタイムからも一目瞭然、この日最後の札幌ドームは今回のRally JAPANで5回目のドームSSS走行となったが、自己ベストタイムを叩き出して総合25番手で最終日を迎えることとなった。

そして最終日も危なげ無い走りでフォード・フィエスタR2とADVANラリータイヤの高いポテンシャルを見せつけた奴田原選手。最後の最後、札幌ドームのSSSで壁にヒットする場面もあったが、マシンへのダメージは少なく、これもご愛嬌。最終結果は総合23位、スペック的に格上の2,000ccターボ勢に割って入り、高い存在感を見せつける結果となった。


また、哀川翔選手組は、初日にパワーステアリングのトラブルに襲われて無念のデイリタイア。修復に必要なパーツの手持ちがチームになく万事休すかと思われたが、チームがラリー前から運営していたツィッターで協力者を求めたところ、札幌在住のフィエスタSTオーナーからパーツ提供の申し出があり、サービスパークで緊急の"移植作業"を実施。
メカニックが夜遅くまで奮闘した結果、DAY2からスーパーラリーでの出走が叶って、最後は多くのファンが待つセレモニアルフィニッシュに登壇した。

もう一台、スイフトを駆る炭山裕矢選手組はDAY1後半で荒れた路面の影響からロアアームを破損。何とかサービスにこの日は戻って総合45位でフィニッシュ、DAY2へと臨んだ。しかしDAY2のSS12・KAMUYCEP 1(33.76km)でボールジョイントが抜けてしまい再びロアアームを破損、残念ながらデイリタイアとなってDAY3はスーパーラリーで出走。
日曜日のDAY3も炭山選手は不運に襲われてしまった。この日2本目のステージとなるSS20・NAEKAWA 1(17.86km)で丸太にヒットしてしまいロアアームとドライブシャフトを破損。惜しくもこの時点で、2回目のリタイアを喫した。
 
【2010 Rally JAPAN RESULT】
2010年9月9日-12日  北海道札幌市近郊  晴れ/ドライ
順位 No. クラス ドライバー コ・ドライバー 車 種 トータルタイム トップ差 タイヤ
1 2 A/8 S・OGIER J・INGRASSIA シトロエンC4 WRC 3:10:26.4 -  
2 11 A/8 P・SOLBERG C・PATTERSON シトロエンC4 WRC 3:10:32.1 +15.7  
3 4 A/8 J-M・LATVALA M・ANTTILA フォード・フォーカスRS WRC09 3:10:52.4 +26.0  
23 75 A/6 奴田原 文雄 佐藤 忠宜 フォード・フィエスタ1.6(R2) 3:55:31.1 +45:04.7 ADVAN装着車
52 105 N/3 哀 川  翔 安東 貞敏 フォード・フィエスタST 5:48:04.8 +2:37:38.4 ADVAN装着車
- 76 N/2 炭山 裕矢 加勢 直毅 スズキ・スイフト スポーツ Retire - ADVAN装着車
※赤文字はADVAN装着車。
 
2回目のRally JAPANを戦った、哀川翔選手に聞く
 
2008年に公開された映画「エスエス -SS-」。ラリーを題材としたこの作品への出演をきっかけに、自らもラリードライバーとしての活動を開始した、俳優の哀川翔選手。
映画でも使われたフォード・フィエスタSTを駆り、2008年のRally JAPANをはじめ、全日本ラリー選手権やパイクスピークスなどへの出場を重ねるとともに、出演したテレビ番組などでもラリーの魅力を大いに語り、今では俳優とラリードライバーという二つの顔を持つことで広く知られています。

2年ぶりの参戦となった今回のRally JAPAN。惜しくもトラブルにより目標としていた完全完走は果たせなかったものの、スーパーラリーでの再出走で三日間を走りきり、最終日には多くのファンが待つセレモニアルフィニッシュを迎えました。


[クリックで拡大画像を表示します]−今回のRally JAPANをふり返ってどんな戦いでしたか?

哀川選手 :
「トラブルはありましたが、自分なりにはとても充実した戦いでした。路面が悪い割りには良く走ってきたな、という感じがしますね」


−2年前のRally JAPANから今回までで自分の成長を感じる部分は?

哀川選手 :
「自分では判らないのですが、なんというか"あるモード"に入ると身体が勝手に車を走らせているようなところがあるみたいですね。本来ならそれが頭で理解出来て、身体が反応した結果なら良いのですが、正直なところまだ頭はついていっていないんですよ(笑)。
ただ、コ・ドライバーの安東選手から指示を受けて、それに対して身体が反応することが、ある程度は出来ていると思います」


−前回のRally JAPANより走っていて楽しいですか?

哀川選手 :
「楽しいというか、変な固さが無いというか。自分でも分かるのですが、いつも前半は固いんですよ。力がはいちゃっているな、って。特に30kmを超えるような距離の長いステージではそうで、10kmを過ぎたあたりから良い感じに走れるんですよ」


−特に注意したステージなどはありましたか?

哀川選手 :
「NAEKAWA(17.86km)はかなり危ないので気をつけました。危ないポイントがたくさんあって、ミスすると落ちちゃう。今回のラリー中には片側の2輪が浮いちゃうような場面もあって、ヒヤリとした場面もありました」


−怖いからラリーをやめよう、と思うようなことは?

哀川選手 :
「自分的には、一回転がったりすれば、ひとつそれも自信になるのではないかと思っています。でも色々なことを考えるとクラッシュはやってはいけない。
ラリーを初めて今年で3年経ちました。スタートが40代後半からで、自分も来年は50歳。そこでラリーというものに新たなチャレンジを始めたことを考えると、やはりまずテーマとなるのは完走。完走をテーマにしてれば速くなるのは当然として、そこから先どうするのか?ということも出てきます。
今の目標は完全完走。今回も残念ながらトラブルが出てしまって成し得なかったのですが、今の自分にとっては完全完走をしっかり果たすために、まだまだチャレンジを続けていきます」
 
       
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