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2011・IRC参戦概要 IRCで見せたい“ジャパン・パワー”
2011年のIRCに参戦を正式発表した、日本を代表する二人のトップラリースト。
国内外のラリーシーンで幾多の栄冠を掴んできた二人は、互いに似て非なる道をこれまで歩んできた。
そして2011年、二人は同じステージに立つ。
ラリーマシンとタイヤ、互いに新たなチャレンジへのスタートを待つ今の心境や如何に。

1984年にラリーデビュー、'92年にBクラスで全日本ラリー選手権のチャンピオン。'97年に2回目の全日本王座に輝くと、翌'98年にはWRCに参戦を果たし活躍の場を世界に拡げる。
'99年のチャイナラリーでWRCのグループN初優勝。'05年と'07年にはPWRCのチャンピオンを獲得、日本人ドライバーとして史上初のFIA世界選手権チャンピオンという、歴史に大きな1ページを刻む。モナコで行われたFIAの表彰式に紋付袴姿で出席したことも記憶に新しいところだ。
1986年にラリーデビュー、'89年にJAF地方選手権のA地区戦でBクラスのチャンピオンを獲得。'90年から全日本ラリー選手権に本格参戦、'94年にADVAN Rally Teamの一員となる。
その後は国内で圧倒的な強さを見せ続け、'02年〜'06年の5連覇など、9回のチャンピオンを獲得。
海外ではPWRCを主な戦いの場として、'06年には日本人として初めてモンテカルロラリーで優勝。同年は日本とキプロスも制して、シリーズ2位の成績をおさめた。
−まず最初に、お二人から見てIRCというのはどんなシリーズという印象ですか?

新井敏弘選手 :
「WRC(FIA世界ラリー選手権)との比較で言えば、最近のWRCは参戦車種がちょっと少なくなってしまっています。それに対してIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)は、主にヨーロッパのメーカーがこれまで真剣な戦いを繰り広げてきていて、出場している台数や車種も多いですね。

シリーズの違いで言えば、感覚的にはWRCがなんというか“ドライ”な感じで、IRCの方はもうちょっと“ウェット”な感じとでも言うのでしょうか。
具体的に言うと、WRCは色々な規定が細かくて、朝のスタート時間からとても厳密に管理をされています。その点、IRCでは各大会の自由度が高くて、『ツール・ド・コルス』なんかは競技日程の三日間でそれぞれ違うところに泊まったりするなど、昔ながらのラリーが多いような気がします」


奴田原文雄選手 :
「新井選手が言ったのと同じように、私もIRCはそれぞれの大会の特徴が強く出ているという印象です。
今年で言えば開幕戦の『モンテカルロ・ラリー』のようにナイトステージがあったりとか、『ツール・ド・コルス』のようにバリエーションの豊かなステージが用意されていたりとか。
それぞれのラリーが本来持っている伝統や特徴を重んじているように思えますね」
 
−新井選手はADVANタイヤで実戦に参戦するのはかなり久しぶりだと思いますが?

新井選手 :
「ラリーを始めて24歳まではADVANを使っていましたが、それ以来ですから久しぶりですね。
IRCに向けてはADVANラリータイヤの開発にも携わることになりましたが、グラベルタイヤはライバルと比べてもかなり良いところに行っています。
あとは細かい部分で摩耗性能はどのくらいなのかとか、硬質な路面ではどうなのかとか、ラリーならではの色々な条件下でのポテンシャルを詰めていこうという段階です。これから改良すべき点も見えている分だけ、かなり良いタイヤが出来上がると思っています。
私にとってはこれまでと違い、今回のIRCではタイヤの開発に携わることが出来ています。私たち専用みたいなタイヤが出来るのであれば、それは戦う上で凄いアドバンテージになるでしょうね」


−奴田原選手は“スバルWRX STI”での実戦出場は初めてですが、車の印象は?

奴田原選手 :
「私にとってはフォード・フィエスタで昨年出場したのRally JAPANを別にすると、国産車で三菱以外を使うのは本当に久しぶり。新井選手がまだ、いすゞに乗っていた頃と同時期なので、もう20年近く前の話になります。

スバルWRX STIには、これまでにテスト走行でドライブして、グラベル(未舗装路)もターマック(舗装路)も経験することが出来ました。

スバルWRX STIは一言で表現すると『走っていて、楽しいクルマ』ですね。許容範囲が結構広くて、ドライバーが攻め込んでいくとどんどん車が応えてくれるんです。だから、乗っていて楽しい、というのが正直な感想ですね」
 
−新井選手にとってADVANラリータイヤ、奴田原選手にとってスバルWRX STIは、ともに新しくタッグを組む存在。この組み合わせに興味を持たれるファンも多いと思いますが、何か不安を抱いているようなことはありますか?


新井選手 :
「クルマに対しては自分で全部なんとかしちゃうんだけれど、タイヤとかについては難しい。タイヤの美味しいところを使って瞬間的にタイムを出すことと、逆に平均的なタイムを継続してひとつのラリーでタイヤを持たせて走るっていうのは、それぞれが本当に経験値からくるものなんですよ。
だから、実質的に初めて使うADVANのラリータイヤに対して、その部分では不安もあります。

そう、不安もあるんですけれど、今はヨコハマタイヤのエンジニアが一所懸命にやってくれているし、私の中にもタイヤについてのノウハウは色々と持っているので、それを巧く出せれば大丈夫だと思っています。
だから今は、ライバルよりも良いタイヤが出来るんだ、という思いの方が強いですね」


奴田原選手 :
「クルマについての不安は何もありません。
スバルWRX STIは新井選手がずっと開発してきたものですし、何かあれば直接『ここは、どうなの?』という感じで、新井選手にタイムの出し方なんかを聞くことも出来ますからね。
ただ、現実問題としてこのクルマで実戦に出るのは、まるっきり初めてのこと。だからそういう面では、やってみないと分からないという部分が、これから出てくるのかなとは思っています」


【>> 新井敏弘選手×奴田原文雄選手 特別対談(2) につづく】
[UPDATE : 28.Apr.2011]
           
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