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毎年5〜6月に開催されるニュルブルクリンク24時間レースは、“ニュル24時間”の略称でも広く知られている。

今年で39回目を迎えたこの24時間レースは、参加台数の多さ、観客の多さ、開催地の規模の大きさなどから“世界最大のツーリングカーレース”とも呼ばれている。1周25kmを超える難攻不落の山岳コースを舞台に200台以上のレーシングカーが参加。それを25万人ものファンがキャンプやバーベキューをしながら見に来るという、世界でも類を見ないツーリングカーの祭典、それがニュル24時間だ。

20世紀まではノンキにレースを楽しもうとユーモア精神あふれるお遊び車の参戦もあり“世界一の草レース”とも呼ばれたが、現在ではメーカー間の激しいバトルもあり、草レースという表現はもはや存在しない。
 
 
ニュルブルクリンクはドイツ中西部、ベルギーとの国境に近いアイフェル山地に1927年に設営された。ちょうど第一次世界大戦が終わり失業者が多かったころ、その労働力を使ってナチスが作らせたニュルブルクリンクというサーキットは1周約20kmのノルトシュライフェ(北周回路)、1周約5kmのズートシュライフェ(南周回路)から成り、現在はノルトシュライフェとグランプリコースから成る(ズートシュライフェの一部は現在では一般の道路として使用されている)。

グランプリコースはF1(フォーミュラ1)やDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)などのビッグレースや、ハードロックコンサート「ROCK AM RING」が開催される近代的なもので、ニュル24時間レースでは、このグランプリコースとノルトシュライフェをつないだ1周25.378kmのフルコースを使用する。

特筆されるのはノルトシュライフェで、1周約20kmの中には世界のありとあらゆる路面コンディションがそろっているといわれるほど。このため、世界中のスポーティカーの開発にも使用され、雪の融けた春先から多くの覆面ロードカーがロードテストをしている様子がスクープされる。
さらには自動車メーカーばかりでなく、タイヤやショックアブソーバー、ブレーキといったパーツメーカーもこぞってテストを繰り返している。もちろん横浜ゴムも例外ではなく、ニュルブルクリンクのサーキット内に「ヨコハマ・テストセンター」を2010年に開設。ここを拠点にグローバル・フラッグシップブランドである“ADVAN”をはじめとした、高性能タイヤの開発を進めている。


またノルトシュライフェの面白い点は、その天候の変化にもある。

国境を越えた近くのベルギーにあるスパ・フランコルシャンというサーキットでは、天候が変わりやすく"スパ・ウェザー"と呼ばれる空模様が知られている。
ニュルの天候も似たようなもので、一部区間で雨が降っていても他の区間では晴天、一部区間ではヒョウが落ちて、一部区間では霧ということもしばしば。

実際、今年のレースウィークも晴天、曇天、雷雨、弱い雨、霧、ヒョウが観測された。6月中旬であっても昼間は25度を超えても夜中は10度を下回るなど、コンディションの変化は尋常ではない。
 
 
さて今年の第39回大会も、200台を超えるレースカーが参戦。改造範囲やエンジン排気量(自然吸気1,750〜6,250cc、過給器付き1,350〜4,000cc)、使用する燃料(天然ガス、ハイブリッド)などによって20以上のクラス区分がなされている。

中でも激戦なのがヨーロッパでも人気を呼んでいるFIA-GT3規定のSP9クラスで、今回が24時間レース初登場となるメルセデス・ベンツSLS AMG GT3、アウディR8 LMS、ポルシェ911 GT3Rなどを中心に26台の参戦があった。
これに続いたのがポルシェ911 GT3を中心としたSP7クラス(21台)、排気量2,000ccのターボエンジン車によるP3Tクラス(23台)など。さらに総合優勝を狙う車両としてFIA-GT2規定のマシンで、昨年の覇者・BMW M3 GT、ハイブリッド車であり昨年は終盤までレースをリードしたポルシェ911 GT3R・ハイブリッドなど世界のスーパースポーツが数多く参戦することとなった。

これら優勝を争うチームには自動車メーカーワークス系ドライバーも多数参戦。
しかしあくまでもこのレースの主役は地元のアマチュアドライバー。BMWやポルシェを中心にプロドライバーと共にクラス優勝を狙って、24時間レースを楽しむのが独特のスタイルだ。
[UPDATE : 22.Jul.2011]
       
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