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2011年は全4戦のカレンダーで開催される「Lotus Cup JAPAN」。
イギリスの名門・ロータス社が生みだす2-ELEVENとエリーゼ、ふたつのミッドシップレイアウトを採用するピュア・スポーツモデルによる、JAF(日本自動車連盟)公認のナンバー付車両によるワンメイクレースだ。
ADVANがワンメイクタイヤ指定を受けているこのレースは、ドライビングの真髄を楽しめるシリーズとしてジェントルマン・ドライバーから高い人気を集めている。
「Lotus Cup JAPAN」の歴史と、その魅力について、いろいろな角度から検証してみよう。
 
 
モータースポーツへの参加に対する敷居を下げるために、2000年に発足したのが「自動車登録番号標付車両によるレース」。
俗に改造範囲が狭いレーシングマシンのN1規定に対して、「Nゼロ」とも呼ばれたりするが、一般公道を走行できるナンバープレートを受けている車両によって、JAF(日本自動車連盟)が公認するレースに参加出来るというカテゴリーだ。

このカテゴリーで最大のメリットは、レースに参戦する車と日常的に使う車を1台に集約出来る点にある。
従来のN1などはあくまでも公道を走れないレーシングマシン。ゆえにレース専用の車を購入し、メンテナンスを行い、レース参加や練習走行の為にはサーキットまで車両積載車などを調達して運ぶ必要が生じる。これに対して「Nゼロ」は1台で日常の通勤や買い物から、レース参加までを楽しめるのだから、車両の購入や維持費は1台分で事足りる。ナンバー付なのでサーキットの往復も自走でOK、レース参戦コストは格段に安く抑えられることになる。

こうした手軽さが人気を呼び、各自動車メーカーや輸入車インポーターがワンメイクのNゼロレースを次々と発足させて人気を集めた。中には予選落ちが当たり前、予選不通過となった参加者によるコンソレーションレースを行うほどの盛況ぶりを見せていたカテゴリーもあり、日本のモータースポーツに新しい風が吹く結果になった。

しかし、大半のワンメイクは実用的なポピュラーカーのハイパワーエンジン搭載グレードをベースとした車種によるものも多かった。もちろんサーキットを含めてパフォーマンスは決して悪くないし、安全性の面などもしっかりキットパーツなどの販売により高いレベルは確保されていた。もとより改造範囲が非常に狭いカテゴリーゆえ、ドライバー同士の腕の見せあいとなり、必然的に選手同士がスキルを磨きあうという環境も構築されていく。

ただ、やはりレースに参加する以上は、格好の良いスポーツカーで楽しみたいという思いを抱くアマチュアドライバーが多いのも事実。そうした声に応えるように2007年に発足したのが「Lotus Cup JAPAN」である。
 
 
Lotusといえばモータースポーツの頂点に位置するF1をはじめ、世界的に高い名声を集めているイギリスの名門スポーツカー・メーカー。日本でもスーパーカーブームの火付け役となった「サーキットの狼」に登場したロータス・ヨーロッパや、多くのエンスージアストが愛してやまないロータス・スーパーセブンなどは良く知られている存在だ。

ジムカーナの世界では一足早く、2006年の全日本ジムカーナ選手権でエキシージがデビュー。同年の第6戦・スナガワではADVANを装着する森嶋昭時選手がN3クラスでエキシージ初優勝を飾り、その後は2009年と2010年にやはりエキシージを駆る柴田優作選手がシリーズ連覇を成し遂げていることも記憶に新しい。
またJAF公認レースではないが、筑波サーキットをはじめとした各サーキットではロータス愛好家が多く参加するサーキットイベントも行われ、その中ではレース形式走行会も盛り上がりを見せていた。

こうした土壌がある日本のモータースポーツ、その中で産声を上げた「Lotus Cup JAPAN」には、発足初年度からロータス・ファンやメディアの注目が集まった。
車両はエリーゼSがベース。ロールケージや消火器など、レース参戦に必須となる安全装備を装着した状態の「カップカー」が発売された。ちなみにスペックをおさらいしておくと、全長3,800mm×全幅1,720mm×全高1,120mmという、紛れない“ライトウェイト・2シータースポーツ”である。エンジンはミッドシップに排気量1,794cc、最高出力100kW(136ps)をレイアウト、数値的にはおとなしいパワーに映るも、軽い車体と相まって優れたポテンシャルを見せてくれる。

2007年の5月6日、ツインリンクもてぎで迎えた記念すべき開幕戦。
決勝は生憎の雨模様となってしまったが、東コースを舞台にしたシリーズ初戦には10台のエリーゼS・カップカーが参戦。低く精悍なスタイリングに、各車が個性的で上品なカラーリングを施されている。その全てにはボンネットからトランクにかけて走る、伝統的な2本のストライプが入れられている。
数あるワンメイクレースやNゼロカテゴリーの中でも、やはり伝統ある本格スポーツカーによる「Lotus Cup JAPAN」は、見た目からして格好良く決まっている。それこそが、「Lotus Cup JAPAN」最大の特徴であり、決して他のカテゴリーが真似の出来ないポイントである。
 
 
2007年に産声を上げた「Lotus Cup JAPAN」は、同年全4戦のカレンダーで競われ、記念すべき初代チャンピオンの座はピストン西沢選手が獲得した。
2008年にはカレンダーが1戦追加されて全5戦となり、この年は篠原祐二選手が4勝を飾ってシリーズチャンピオンに輝く。
そして2009年、新たに「2-ELEVEN CUP」が発足。こちらはナンバーの付かないN1車両としてまずは導入され、ナンバー付きの「Elise S Cup」と2レース体制となってシーズンは戦われた。この年、初代2-ELEVEN CUPのチャンピオンに輝いたのは藤井芳樹選手。一方のElise S Cupは篠原祐二選手が2年連続のチャンピオン獲得を成し遂げた。

2010年、2-ELEVEN CUPはElise S Cupと同じくナンバー付車両によって競われることとなった。そしてこの両者が混走するスタイルで予選や決勝を走るというかたちになったのである。
2-ELEVEN CUPは車両の仕様変更などが間に合わなかったこともあり、結果的に全3戦でのシリーズとなった。最後までもつれ込んだチャンピオン争いは、前年の覇者である藤井芳樹選手と、Elise Sからステップアップした篠原祐二選手による一騎討ち。しかし、最終戦として予定されていた大会が中止となったこともあり、藤井選手が逃げ切るかたちでシリーズ連覇に成功した。
一方のElise S Cupは全4戦となったが、そのうち3戦を制した遠藤浩二選手が初のチャンピオンを獲得。発足初年度から参戦を続けて着実にスキルを磨き上げてきた、その成果があらわれた栄冠であった。

こうして発足から4シーズンを終え、5年目に突入している「Lotus Cup JAPAN」。
その現場で良く聞かれる声が「このレースは参加者がジェントルマンである」という評判だ。レース中はもちろん真剣に戦っている者同士だが、決してラフプレーやマナー違反の行為を行う者はいない。そしてパドックは和気あいあいとした雰囲気の中でそれぞれが正面からレースに取り組んでおり、ドライビングテクニックやサーキット攻略法について熱い議論を交わしている場面を見ることも少なくない。

また、SUPER GTなどを戦うゲストドライバーから、熱心に話を聞いている参加者も多く、とにかく一人一人が真面目に週末のサーキットでモータースポーツを楽しんでいるのだ。

残念ながらサーキットで他の参加者と上手く行かなかったり、コース上での何かをきっかけに険悪なムードになってしまう、という話も、アマチュア・モータースポーツでは少なからず聞こえてくる話だ。しかし、こと「Lotus Cup JAPAN」については、こうした残念な話題とは無縁である。やはり紳士の国・イギリスで生まれたLotusだけに、日本でも参加者は紳士が揃っているということなのだろう。

そして2011年。
ジェントルマン達が、楽しみつつも真剣勝負を繰り広げている「Lotus Cup JAPAN」は、新たな歴史の1ページを開くことになったのである。
【Lotus Cup JAPAN・歴代シリーズチャンピオン】
年次 開催数 2-ELEVEN チャンピオン Elise(Elise-S) チャンピオン
ドライバー 車両名称 勝利数 ドライバー 車両名称 勝利数
2007年 全4戦 - - - ピストン西沢 J-WAVE BP LOTUS 3勝
2008年 全5戦 - - - 篠原 祐二 クラブ・ウィザム&AFC 4勝
2009年 全6戦 藤井 芳樹 ステルス大塚美容形成外科211 6勝 篠原 祐二 ウィザムカーズ&AFC 5勝
2010年 全4戦 藤井 芳樹 ステルス大塚美容形成外科211 2勝 遠藤 浩二 ウルトラがんもTIRACING 3勝
※2010年は当初全5戦開催の予定が、最終戦は大会の開催が中止。
※2010年はシリーズ全4戦中、2-ELEVENカップは3戦で開催。
※2009年は2-ELEVENカップを全6戦、Elise-Sカップを全5戦開催。
[UPDATE : 5.Aug.2011]
         
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