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タイヤブース ホイールブース YOKOHAMA WHEELの世界
インタビューの前半で萩原は、『A.V.S. MODEL F50』については先代にあたる『A.V.S. MODEL F5』から“10倍以上の進歩”があると語り、ネーミングにもその思いを込めたと説明した。

“10倍以上の進歩”、その具体的な内容についてさらに話を聞いていこう。



「この『A.V.S. MODEL F50』は、デザイン的にもチャレンジですね。金型でアルミホイールを作っている以上は、鍛造金型で出来ることとと出来ないこと、鋳造金型で出来ることと出来ないこと、というものがそれぞれに存在しています。
今現在の時点で出来ること、その最大限の幅の中で行うデザインというものは、当然ですが最初からその制約を加味して作り上げていきます」


ヨコハマホイールのデザインは、萩原が自ら描きあげている。ただ、デザインといってもあくまでも工業品のデザインであって芸術的な要素だけではない。実際に形になって初めて成果となるからだ。そのためには、生産上の制作、それを加味した上でデザインも仕上げていくという。


「ホイールのデザイナーに要求されることとして、エンジニアとしての豊富な知識があります。製法上可能なのかどうか、それを熟知した人間がデザインを最初から描いていく方が結果的には良いものが出来ますね。
例えば何の制約も無くフリーでデザインを作ったとします。レンダリングやCGの段階でものすごく格好良いデザインが出来上がったとしても、その後に製法上の問題から『ここはダメ、あそこがダメ』と削って行って形にする方法では、良いものは出来ないのではないかと思っています」
ここで本題からちょっと外れるが、萩原についてもう少しご紹介しておこう。以前に本サイトでも特集記事を展開したことがあるが、萩原は横浜ゴムの社員として長年にわたってホイールに携わっている一方で、レーシングドライバーとしての華麗な経歴の持ち主でもある。
少々古い記事になるが、その経歴については2007年に掲載した『YOKOHAMAが贈るアルミホイールの世界』でも詳しく紹介している。

“サラリーマン・レーサー”として富士フレッシュマンレースなどを戦いながらステップアップ、全日本F3選手権に参戦して1990年には「インターF3リーグ」でミハエル・シューマッハ選手らと同じ土俵で戦った。
さらに1993年、当時の国内最高峰ツーリングカーレースであったグループAに参戦、R32型・スカイラインGT-Rを駆ってワークス勢と対峙、第3戦のSUGOでは優勝を飾って(右写真)ウィニングチェッカーを受けている。

こうしたレーシングドライバーとしての経験も、ホイール作りにはもちろん活かされているいる。エンジニアリングに精通していることは、デザイン完成度が高くなるのみならず、生産現場との意思疎通も良好になるからだ。



「ヨコハマホイールでは、後からの妥協というものはありません。
先に『制約を加味してデザインする』と言いましたが、逆に一方ではエンジニアの知識をきちんと持ってデザインを描くことによって『このくらいの幅なら技術的にジャンプアップ出来るだろう』ということも踏まえて描けるわけですよね。今の時点では出来ないかもしれないけれど、実際に作る段になればこのくらいは行けるでしょう、というものを要求しながら作っていくこともあるわけです。
今回の『A.V.S. MODEL F50』に関していえば、描いていたイメージの通りになりました。デザインをしっかり具体化して、本当によく作ってくれたと思うくらいに素晴らしい仕上がりですね」
妥協無きモノづくり、それこそが横浜ゴムに脈々と受け継がれているスピリット。もちろんそこには、開発から生産、そして物流や販売まで、ひとつの商品に携わる多くの人間の思いが込められている。


「どんなモノづくりでもそうですが、関わっている全ての人間がプロフェッショナルであるべきだと思うんですよ。実際の社会ではそうではないこともあるのかもしれませんが、少なくともヨコハマホイールについて言えばデザイン、設計、製造と、その全てがプロフェッショナルでチームを組んでいます。
元々お互いにプロフェッショナルとして接しているのですが、これは以前の製品からずっと変わっていないことなのです」


プロフェッショナル同士の豊富な経験や知識、技術。そして互いの信頼関係が切磋琢磨を生み、最後は優れた品質・機能を有する商品が形になる。
さて、インタビューの最後に「A.V.S.」と「ADVAN Racing」、人気の各シリーズについてその位置づけを改めて萩原に聞いてみよう。



「まず『ADVAN Racing』はネーミングからもお分かりいただけるように、走って、スポーツ性が高くて、という機能から来る格好良さが最大の特徴です。例えばあくなき軽量化の追求は今も変わっておらず、その結果としてセンターキャップレスが基本となっています。

一方の『A.V.S.』は、スポーツにプレミアム性を付加した“プレミアム・スポーツ”という位置づけです。今回の『A.V.S. MODEL F50』もそうですが、このシリーズは全てセンターキャップをきちんとネジで留める、という仕様。こういうデザインひとつをとっても、プレミアム性がワンランク高いところにある商品という設定です。

もちろん両シリーズともに、2ドアのスポーツカーのみならずハイパフォーマンスサルーンにもお薦めです。よりアグレッシブな『ADVAN Racing』、よりプレミアムでエレガンスな『A.V.S.』、ご自身のライフスタイルやカーライフに最適なものをチョイスしていただきたいと思います」
[UPDATE : 7.Feb.2014]
           
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