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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.139 News Index
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全日本ダートトライアル選手権は2014年のクラス再編により、開幕戦から86/BRZが満を持してその姿を戦いの場に見せた。中でも注目を集めたのが、名門・OKUYAMAから参戦する86を駆る佐藤秀昭選手。ポテンシャルは未知数と言われた86で、前年のPNクラス王者は見事な走りを見せてデビューウィンを飾ることに成功した。
その名の通り、舗装されていないダートコースを舞台に、1台ずつタイムアタックを行うのがダートトライアルという競技。中でも最高峰に位置する全日本ダートトライアル選手権は2014年からクラスが再編され、PN2クラスは全日本ジムカーナ選手権のPN3クラスと同様の分類規定となるので、86/BRZの主戦場となる。

このPN2クラスに、昨年の旧PNクラスでチャンピオンを獲得した佐藤秀昭選手が、86を駆ってエントリー。FF(前輪駆動)のスズキ・スイフトからのマシンスイッチとなったが、佐藤選手は乗り換えるにあたって不安もあったという本音から語り始めてくれた。

「一番最初に86に乗った時の正直な感想は、今の時代のダートトライアルにはそぐわないのかな、というものでした。排気量2,000ccのエンジンなのでパワーがあるのは解るのですが、タイトコーナーではトラクションが物足りなくて、タイムが伸びないのではないかと心配になりました」


こうした不安からのスタートではあったが、参戦に向けてマシンの開発が進んでいく。しかし、やはりそこには“生みの苦しみ”もあったようだ。

「まずは、足で苦労しましたね。最初に『これだ』と決めたものがちょっと違っていて、そこに気づくのが遅れてしまったんです。だから最初はとても乗りにくくて、『みんな、これを乗りこなせるのかな?』と。ノーズが入っていくようにセッティングしていったのですが、リアが出ると止まらなくなってしまったのです。
そこで、これではダメだと原点に帰って色々試行錯誤をしていったら、『別の車じゃないの?』というくらいに、ガラリと変わったんですよ」


方向性が見えてから、開発は一気に加速した。しかし前述の通り、佐藤選手はFFからFRへの乗り換え。駆動方式が変わることで、ドライビングスタイルに変化は生じているのだろうか?

「いや、全く変えていないんですよ。変える必要が無い、と思っているんです。もちろんFRになることでリアのトラクションの掛け方は少し違ってきますが、そこはスンナリ行けましたね。
開幕戦の2ヒート目では前半での2秒という遅れを後半で取り返しましたが、これも自分の乗り方が間違っていないことの証ではないかと思っています。前半でのミス、普通なら中間計測ポイントから後ろで秒単位のリカバリーというのはあり得ないと思うのですが、自分のドライビングスタイルはそのままに、持てる中で限界のスピードで行こうと実践した結果なので、大きな手応えになりました」
86/BRZに限らず、最新の車には多くの電子制御が採用されている。公道ではこの上なく心強い安全デバイスであるが、モータースポーツに限って言えば電子制御を嫌う風潮も根強いのは事実だ。

そんな電子制御について、佐藤選手は次のように語る。

「自分はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を機構的に解除するようなことはしていません。だから競技中でも、常にABSは必要に応じて介入してくる状態です。
これは自分自身がABSを受け入れたというか、それに慣れてしまおうと思ったからなんです。だから、誰よりもコーナーへのアプローチでストップランプが点くのは早いと思いますよ。ABSが効き始める直前のところでブレーキングしていますから。

トラクションコントロールについても、スタートから1コーナーくらいまで警告灯が点きっぱなしで、エンジン回転が思うように上がってくれないこともあります。でも、フィニッシュしてみるとタイム的にはそんなに落ちていない。だったら、これでいいんじゃないかなと思うわけです。
最新の技術に対してあれこれと抵抗するよりも、受け入れてしまった方が早いというのが、今の正直な思いです」


86という車を誰よりも早く受け入れた佐藤選手。そのスタイルは開幕戦でのデビューウィンで、正しかったことが実証されたと言えるだろう。
注目のデビュー戦はプレッシャーもあっただろうが、優勝を飾ったことで更に速さへの期待が高まる結果となった。

「デビューウィンしたことで、プレッシャーは次からますます大きくなりそうですね(笑)
86という車にはまだまだ伸びしろがあると実感していますし、例えばテクニックステージタカタでフルターンが無いハイスピードレイアウトだったら、N1クラスくらいのタイムが出るのではないかと期待もしています。それに、車のみならず自分自身にも伸びしろがあると思っています。開幕戦の2ヒート目、前半でロスしたのは自分が路面を読みきれなかったからなのであって、だったら次からはしっかり路面を読むようにすればいい。
第2戦からは強力なライバルも戦列に加わってきますが、開幕戦で掴んだ手応えをバネに、さらに高い領域の完成度を目指していきたいと思っています」
全日本ダートトライアル選手権を戦う佐藤選手、その走りを支えているのはADVAN A053、ADVAN A036、ADVAN A031といったダートタイヤラインナップだ。

ADVAN A053は海外ラリーで性能を鍛え上げられ、国内仕様が2013年の5月にデビュー。日本のグラベル(非舗装路)ラリー、そしてダートトライアルにおいても活躍を見せている。ADVAN A031は軟質路面用、ADVAN A036は硬質路面用のダートタイヤとして、それぞれ高い定評がある。

「自分の86は開発当初に比べたら、タイヤがようやく減るようになってきました(笑)
それだけトラクションをしっかりかけられるセットアップが出来上がってきたということなのですが、86とのマッチングはどのタイヤでもとても良いですね。
開幕戦は路面状況にあわせて1ヒート目をADVAN A031、2ヒート目をADVAN A036で走りました。サイズはともに205/65R15でした」
TOYOTA 86/SUBARU BRZ with YOKOHAMA =Dirt-Trial=
全日本ダートトライアル選手権のPN2クラスに参戦するトヨタ86/スバルBRZ、ヨコハマタイヤ勢はADVAN A053、ADVAN A036、ADVAN A031といったラインナップの中から、その時々の路面状況に応じたチョイスをして戦いに臨む。

2014年の開幕戦、佐藤選手は超高質路面用のADVAN A036を選んで臨んだ第2ヒートで、前半の2秒の遅れを後半で見事にリカバリー、鮮やかな逆転優勝でデビューウィンを飾った。
[UPDATE : 11.Apr.2014]
             
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