第60回 マカオ・グランプリ トップページへ戻る 第60回 マカオ・グランプリ
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マカオ・グランプリの概要 開催レース・カテゴリー解説 戦いを支えるヨコハマタイヤ スペシャル・インタビュー 現地速報&総集編レポート
戦いを支えるヨコハマタイヤ
マカオ・グランプリでは、F3のグランプリ、そしてWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)、GT ASIAが、ヨコハマタイヤのワンメイクで開催される。さらに併催のサポートレースでも、タイヤフリーとなっているカテゴリーで多くのユーザーがヨコハマタイヤを選んで戦いに臨む。

この中でも、特にF3は1983年のスタートから現在に至るまで、一貫してヨコハマタイヤがワンメイクタイヤを供給しており、昨年は供給30周年という節目の年を迎えた。

ヨコハマタイヤではマカオ・グランプリのほか、2013年は全日本F3選手権やドイツのF3選手権であるフォーミュラ3カップ・ジャーマニー、エントリーフォーミュラレースと日本全国で開催されるSuper-FJやイギリスのBDRC F4などにもワンメイクタイヤを供給。
全日本F3選手権については2016年までの継続供給も決定しているなど、フォーミュラのカテゴリーでも幅広い活動を展開している。

その中でマカオF3は、世界各地のF3シリーズなどで好成績をおさめた選手たちが一同に集い、世界にステップアップするための登竜門とも位置づけられている注目の一戦となる。


このコーナーでは、フォーミュラ用タイヤの開発を取りまとめている、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル株式会社 開発部のエンジニア・小林勇一に、マカオ・グランプリF3のタイヤ開発について聞いてみよう。
まず基本的なポイントとして、フォーミュラカーとツーリングカーの違いから確認していこう。近年、例えばSUPER GTなどはレースに特化したマシンのキャラクターゆえに、その動きはフォーミュラに近いとも評される。しかし、やはり車両の軽さや挙動のクイックさは、純粋なフォーミュラならではの大きな特徴だ。こうした特徴に対して、フォーミュラのタイヤ開発はツーリングカーのそれと異なる部分も多いのだろうか。

「やはりフォーミュラカーとツーリングカーでは車の作りも大きく異なりますし、使われるタイヤのサイズと車両重量との関係も異なりますので、タイヤの設計としても異なる部分がかなり多いですね。

例えばフォーミュラは挙動がシビアなので、タイヤのバランスが悪いと振動なども発生しやすいのです。コンパウンドもツーリングカーと比べるとかなりソフトな方向なので、ブレーキングでタイヤをロックさせたりすると、その部分もブローしてしまったりとか。

近年ではF3もダウンフォースがかなり強くなっていると思いますが、それでもツーリングカーと比べれば軽い車体にエアボリュームのあるタイヤを使用するので、タイヤの構造そのものが壊れてしまうことは少ないと思います。

このようにフォーミュラは、ツーリングカーとは使うコンパウンドの領域やタイヤの形状が大きく異なりますが、ヨコハマタイヤでは過去にF3000などにも参戦しており、その時からの経験や蓄積も活かして現在のフォーミュラ・タイヤ開発を進めています」


マカオ・グランプリのみならず、長い歴史を有するヨコハマタイヤのフォーミュラ・タイヤ。その中で31年目を迎えるマカオ・グランプリであるが、マカオ向けのタイヤとはどのようなものなのだろうか。

「世界中から集まってきたドライバーが、公道でグリップの低いコースを走るので、あまりピーキーな性格にならないように気をつけています。μの低い公道ということもあって、コンパウンドは比較的ソフトなものを使っています。
タイヤが温まりにくい傾向のレースで、特に海側区間でスピードを稼ぐためにダウンフォースをつけないセットアップの車両が多いため、タイヤにそれほど熱が入らないままにフロントがスライド気味になってグレーニングが出やすいのです。この点については、これまでの変更で対応して、かなり収まってきています」
ツーリングカーと比べて、車体が軽く挙動がシビアなF3。常設サーキットと比べて、路面のμが低いストリート(公道)コース。この特徴的な要素がマカオに、世界中から実力ある若手選手が集って、激しいバトルを演じるマカオ・グランプリ。
ワンメイクタイヤは、どのカテゴリーでもイコールコンディション性が強く求められ、どんなドライバーが乗っても扱いやすく、タイムを出せることが良いタイヤの条件とされる。さらに、パンクなどに強い耐外傷性も必要となり、まるで「魔法のタイヤ」とも言えるポテンシャルが必要とされるのだ。

こうしたさまざまな条件をクリアし、多くの選手や主催者に認められてきたからこそ、30年以上にわたってヨコハマタイヤが継続供給しているマカオ・グランプリF3のワンメイクタイヤ。
優れたパフォーマンスを発揮するタイヤ、それを生み出すための秘訣はあるのだろうか。

「やはり一番の秘訣は、これまで長い間マカオ・グランプリにタイヤを供給し続けていることに尽きると思います。長い時間の間に少しずつ改良を加えてながら現在に至っています。
今年は、従来のピークグリップとレースタイムを維持しつつ、ウォームアップを改善することを目的に、新しいタイヤを投入します。

最初にもお話ししたように、マカオは比較的タイヤが温まりにくいのです。その上でレースにおいてはクラッシュも多く、セーフティカーが入ることも多いですよね。セーフティカーが入るとタイヤはスローペースの隊列走行で冷えてしまい、リ・スタートにおいては高いグリップが求められる。そこでウォームアップを改善することを、今年の改良ポイントとしました。
このように、小さなことでも確実に改良していく積み重ねこそが、開発においてはとても重要だと考えています」


いよいよレースウィークを迎えたマカオ・グランプリ。今年は60回目ということで2週にわたりレースは開催され、F3はその“トリ”をつとめるかたちで11月18日(日)に決勝が行われる。レースを直前に控えた今の心境を、最後の質問として小林に聞いてみた。

「まずは、タイヤのトラブルが無く、無事に今年のレースも終了してほしいですね。
60回目という節目のレースではありますが、その年その年のデータを集めて、今後も地道に改良を続けていき、100回目のマカオ・グランプリまでタイヤ供給を続けられればいいな、と思っています。
また、F3以外のカテゴリーにはタイヤフリーのものもありますので、こちらでももちろん優勝を狙っていきます」


ヨコハマタイヤにとっては、31年目のタイヤ供給となるマカオF3。今年も世界中の猛者たちがヨコハマタイヤで戦い、そしてその中からF1をはじめとしたさらなる上のステップへと羽ばたくドライバーが現れることも間違いないだろう。
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