Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / JDC 2012 / Round 7 News Index
  ひとつ前にもどる  
JDC Round 7
開催日
2012年10月7日
開催場所
テクニックステージタカタ
(広島県)
天 候
晴れ のち 曇り
路 面
ハーフウェット(散水) → ドライ
参加台数
160台
(ヨコハマタイヤ装着車 41台)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
2012年の全日本ダートトライアル選手権は、広島県の「テクニックステージタカタ」が最終戦となる。
中国地方を代表するダートトライアルコースとして知られるテクニックステージタカタは、ワダチができにくいしっかりと定圧されたフラットな路面に、チャレンジングな高速コーナーからテクニカルな低速コーナーまで様々なコーナーが設定され、選手やギャラリーからの人気が高い。
今回も全国各地から160台のマシンが集結し、ギャラリーコーナーには多くの観客が足を運び、今年最後の戦いを楽しんでいた。

コースは、最終戦にふさわしくチャレンジングなコーナリングが可能な高速コーナーが連続するダイナミックなレイアウトだ。
特にギャラリーコーナーの高速S字とゴール前のドリフト状態から下っていく通称"コークスクリュー"は、多くの観客から歓声が上がるほどの豪快な走りが繰り広げられた。

その中でも注目を集めたのが、SA2クラスの荒井信介選手とDクラスの谷田川敏幸選手だ。両者とも第1ヒートはクラス2番手というポジションだったが、路面が安定しているテクニックステージタカタは、固い路面を覆う浮き砂利が掃けた第2ヒートが勝負どころとなる。

その第2ヒート、荒井選手はテクニカルなコーナーが多い前半区間こそ、第1ヒートとほぼ同タイムで周回するが、高速コーナーが多い後半区間でグリップの高い硬い路面をしっかりと捉え、それまでのベストタイムを一気に塗り替えて優勝を奪った。
「SA2クラスの前に入った散水の量が多かったせいか、前半は予想以上に滑ったが、なんとか路面状況に合わせた走りにうまく修正することができた。今年はルーズな路面のコースが多くて苦戦する大会が多かったけれど、最後に納得の行く走りができたよ。今日の走りを来シーズンに繋げ、今年のリベンジを狙いたいね」と荒井選手。今年、惜しくも逃してしまったタイトルだが、来季につながる貴重な1勝となった。

一方、Dクラスの谷田川選手も前半区間は3番手と出遅れたが、後半区間は第1ヒートの自己ベストを1秒以上短縮する走りでライバルを圧倒、今季2勝目を挙げた。
「みんな『今日の路面は滑る』って言うけれど、自分自身ではそんな感じはしなく、特に第2ヒートはタイヤがしっかりと路面を捉えてくれていた。おかげで気持ち良く楽しく走れたよ(笑)」と、笑顔も飛び出す会心の勝利。
今季、SC3クラスからDクラスへと移り、前半戦こそセッティングが合わずに苦戦した谷田川選手だが、第5戦の切谷内で移籍後初となる優勝を飾って以来、調子も上がってきた。来年こそ、かつてSC3クラスで7連覇を遂げた"強い谷田川"が、激戦のDクラスでも復活することに期待したい。

SC1クラスでは、テクニックステージタカタをホームコースとする地元のドライバーたちが活躍した。

2010年まで全日本のSA1クラスを三菱FTOで戦っていた山下貴史選手は、2011年にはSC1クラス仕様に変更し、活躍の場を全日本から地方選手権に移した。その山下選手が1年ぶりに全日本にスポット参戦し、自身初となる全日本優勝を遂げた。
実は前日に行われた公開練習は「娘の運動会があったので、公開練習は参加せずに"良きパパ役"をやっていました(笑)」と山下選手。

「隅から隅まで知っているタカタですから、公開練習を走らなくても上位に入賞する自信はありました。実は去年も年に1回くらいは全日本を走らなくてはいけないなと思って、最終戦のタカタに出場したんです。でも、その時は同じFTOの中島(孝恭)さんに負けてしまって。だから今年こそはと思っていましたし、FTOはダートラでも速いということを証明したかったので、ホントに勝てて良かったです」という言葉どおり、抑えるところはしっかりと抑え、高速コーナーは大胆に攻めるという自信に溢れた走りで優勝を手中に入れた。

また2位にも地元の中村一伸選手が入賞。中村選手は、かつては全日本ジムカーナを転戦し、その後はレースに転向したという経歴を持つベテランドライバーだ。
「2年前から地元の全日本戦に出場するようになったんですけれど、少しずつダートラの全日本選手に近づけるようになったかなという感じですね。昨年、第1ヒートはベストタイムでしたが、第2ヒートで失敗して7位でした。今年は第1ヒートを失敗して12位でしたが、第2ヒートで2位。悪いこともあれば良いこともあるっていうことですね(笑)」とベテランらしいコメント。

両者とも来シーズンも「地方選手権がメインで全日本は地元のタカタのみ」という予定だが、激化するSC1クラスの中で、タカタラウンドはこの2人のドライバーが大きな壁となって立ちふさがりそうだ。

その他、タイトル争いが最終戦までもつれ込んだPNクラスでは、佐藤秀昭選手が一度はベストタイムを塗り替えるものの、惜しくも3位となった。
またSA1クラスでは九州の岡田晋吾選手が2位に入賞、SC3クラスでは中本吉彦選手が2位、今シーズンからダートトライアルに転向した田口勝彦選手が3位に入賞と、最終戦も各クラスでヨコハマタイヤを装着するドライバーが活躍をみせ、シーズンを締めくくった。
 
Driver's Voice
荒井信介 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 優勝】
今年のタカタの路面は、例年よりも細かい砂利が多くて滑りやすいなとは感じたけれど、それでも少しでも掃けた路面があるのであれば、自分としてはやっぱり超硬質ダート用のADVAN A036で勝負したい。タイミング的にはまだ早いかなと思ったけれど、結果的には正解だったと思う。スタートした直後は路面が予想以上に濡れていてびっくりしたけれどね(笑)。
その状況に合わせてフロントを路面が固いインを外さないように走りを修正して、その結果優勝できたというのは大きい。来季もこういった臨機応変な走りを持続していきたいね。
谷田川敏幸 選手
 【今回の成績 : Dクラス 優勝】
タカタの路面はADVAN A053が合っているというデータがあったので、第1ヒートはADVAN A053を装着したけれど、少し自分の感覚に合わない部分があったので、第2ヒートはADVAN A036に変えたんだ。自分にとってはこの選択が良かったと思う。前に出るトラクションが強く、滑るという感覚がなかったからね。自分本来の走りができるようになった。
そういった中で、タイヤの選択肢が増えたということは来季に向けて明るい材料だと思う。来季も路面状況に合わせてうまくタイヤを使っていきたいね。
山下貴史 選手
 【今回の成績 : SC1クラス 優勝】
両ヒートともADVAN A053を装着しました。ADVAN A053は、コーナーの失敗をカバーしてくれるので、自分には合っていると思います。ADVAN A036は直線のトラクションが強く、ADVAN A053はコーナーでタイムを稼ぐことができるような印象を持っています。
第2ヒートはもう少し攻めて走りたかったですが、逆に少し抑えて走ったことが結果に結びついたと思います。タカタでタイムを出すためには、とにかくインを外さないことが重要。そういった面でも、ラインをキープしやすいADVAN A053は自分に合っていると思います。
中村一伸 選手
 【今回の成績 : SC1クラス 2位】
慣熟歩行でコースを歩くと路面が硬く感じるし、実際に走ると砂利で滑りやすいという難しい路面でしたね。地元の僕でも砂利が次から次からへ出てくるという感じで「いつもより滑る」と思いましたから。
タイヤはADVAN A036を履きました。履き慣れているタイヤが一番良いかなと思って。砂利が掃けた路面を狙うことに集中して走ったのが、結果に結びついたと思います。
全日本を走るのは3回目ですが、来年は優勝を狙いたいですね。
岡田晋吾 選手
 【今回の成績 : SA1クラス 2位】
第1ヒートはADVAN A035、第2ヒートはADVAN A036を履きました。
第1ヒートはフロントがMコンパウンド、リヤがSコンパウンドでしたが、これは大きく外してしまいました。自分自身、Sコンパウンドのおいしいところを使い切れていないというか、いつもMコンパウンドで走っていたので、馴れていなかったという部分が大きかったですね。それに、5秒くらいガス欠症状が出てしまったのもタイムに響きました。
第2ヒートはまだ砂利が少し残っていましたが、タイヤ的にはADVAN A036で正解だったと思います。少し攻めすぎた部分があって、優勝を逃したのがちょっと悔しいですね。
田口勝彦 選手
 【今回の成績 : SC3クラス 3位】
第2ヒートは、とりあえずそれまでのベストタイムは破りましたが、スタートした直後からACDが不調になって「優勝はできないだろうな」と覚悟していました。
タイヤはADVAN A053。もともとラリーのタイヤでしょ!? そういった意味では自分に合っていたと思います。ラリーではADVAN A036のような超硬質ダート用のタイヤを履く機会って、そんなになかったんです。そういった意味でも、ADVAN A053は自分の走りにも合っていますね。
佐藤秀昭 選手
 【今回の成績 : PNクラス 3位】
第2ヒートはADVAN A036を装着しました。正直、路面的にはADVAN A035だと思いましたが、パワー差のあるスイフトスポーツに勝つためには、誰も履かない超硬質ダート用のタイヤを選択するのもありかなと思って。ギャンブル的なタイヤ選択だったかもしれませんが、逆転チャンピオンになるためには優勝する以外手段がなかったので、あえてギャンブルに挑みました。
結果は3位でしたが、それまでのベストタイムを破ることもできたし、ドライバーがもっとしっかり固い路面を捉える走りができれば違う結果になっていたのかなとも思います。
今年はタイヤの勉強の年でもありました。この経験を来年に活かしたいですね。
 
FEATURED DRIVER
■SC3クラス : 中本吉彦 選手

2003年に全日本ダートトライアル選手権に初出場し、その後は2007年までスポット参戦、2008年以降はレギュラードライバーとしてシリーズを転戦する中本吉彦選手は、GC8型インプレッサを3台乗り継ぐ"GC8使い"として名を馳せたドライバーだ。

デビュー戦はDクラス、その後は一時SA2クラスに転向するが、2008年のレギュラー出場以降はふたたびDクラス、今シーズンはSC3クラスに出場と、改造車クラスの経験が長い。

「改造車、インプレッサという選択は、そこにクルマがあったからという単純な理由です(笑)。軽くて速いっていうのが改造車の一番の魅力ですが、一度味わってしまうとなかなかやめられないというのがホントのところですね」

その中本選手が、今シーズンの第4戦・門前からGDB型インプレッサに乗り換えてきた。
「GC8型インプレッサと比較すると、GDB型インプレッサの方がマシンのバランスが良いです。今年はDクラスからSC3クラスに移りましたが、第1戦の丸和で3位、第3戦のスナガワで2位と、GC8型インプレッサでも調子は良かったのです。
自分では、今年はSC3クラスのチャンピオンを狙っていたので、GDB型インプレッサで一気に勝負に出ようと。結果は裏目に出てしまいましたけどね(笑)。第5戦の切谷内でコースアウトしてしまってから、歯車が狂ってしまいました」

しかし、今回の最終戦は2位入賞と久々に表彰台を奪った。

「今年からヨコハマタイヤを履くようになりましたが、ADVAN A036よりもADVAN A053の方が自分の走りに合っているなと感じていました。以前から『中本はアクセルを踏みすぎて失敗する』とまわりから言われていましたが、ADVAN A053は踏んで前に出るフィーリングのタイヤです。今回は、まさにADVAN A053の路面。気持ち良く踏むことができました(笑)」と中本選手。

「今年はヨコハマタイヤを勉強する年だった」とも言う中本選手は、「来年も、もちろんチャンピオンを狙います」と抱負を語る。
百戦錬磨のベテランドライバーが揃うSC3クラスの中ではまだまだ"若手"といえる中本選手。タイヤの使い方を覚えた来シーズンは、台風の目とも言える存在のドライバーだ。
 
TECHNICAL INFORMATION
テクニックステージタカタはコース整備状況が良く、練習走行やマシンテストなどで走行する機会も多いコースのひとつだ。
いつもの路面状況であればSA1クラスからSA2クラスにかけては第1ヒートからADVAN A036を使うこともできるが、今回は例年よりも砂利を定圧した層が10cmほど厚く、ADVAN A035からADVAN A036に切り替わるタイミングの見極めが難しい状況となった。

その中で、SA2クラスの荒井選手とDクラスの谷田川選手は、路面状況と路面をカバーする範囲が広いADVAN A036の特性を活かし、優勝を飾ることができたのは大きな成果となった。また、改造クラスでは海外ラリー用のADVAN A053を装着できるため、タイヤの選択肢が広がり、SC1クラスとSC3クラスでは上位入賞者が多く登場する結果となった。

去る9月に開催された「Rally Hokkaido」のAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)部門で日本国内デビューとなったADVAN A053の150/625R15サイズも、SC2クラスで全日本ダートトライアル選手権デビューを果たし、路面状況によるタイヤ選択肢の幅が広くなった。
ひとつ前にもどる