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和気あいあいとした雰囲気の中でスタートした、恒例の「GT300クラス 監督&エンジニア 座談会」。
前回は出席された皆さんの自己紹介と、チャンピオンを見事に獲得したHASEMI MOTORSPORTSの林さんに一年間を振り返っていただいたところまでをご紹介しました。

第2回となる今回は、林さん以外の皆さんにも2010年シリーズを振り返っていただき、皆さんにとっての“マイ・ベストレース”を選んで頂きました。
 
 
−スポンサーの地元マレーシアで優勝した雨宮レーシング。
  しかし河野さんの口からはあまり喜びの言葉は出てきませんでした。


石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「やっぱり事前テストの力は大きいですよね? 7号車も、セパンの直前には鈴鹿でテストをしていましたし」

河野高男 さん (M7 RE雨宮レーシング)
「あれは、石黒さんが良いタイヤを出してくれたので、うちはタイヤだけで勝ったようなものですよ」

金曽裕人さん (apr)
「マレーシア人は、日本で一番速いのはセブン(RX-7)だって思っているんじゃないの?」

河野高男 さん(M7 RE雨宮レーシング)
「どうなんだろうね。たぶん、目立って勝っているからそういうんだろうね。去年に関しては、勝ったと言ってもおこぼれを拾ったようなものなんで。
毎年言うけど、たぶん1戦目はみんな遅いんですよ。ウチが速いんじゃなくて、周りが遅くて勝てた。で、セパンも一番気にしていたチームが余計なことをしてくれたんで、(林さんに向かって)ありがとうございました(笑)。
その事前の鈴鹿テストで、タイヤを含めいろんなパーツが機能してくれて、岡山でリタイヤしたにもかかわらず特別性能調整をもらったんですけど、それを返せるぐらいクルマが仕上がってくれた。
僕的には、去年はホントに他人任せのレースが多かったと思うし、ここで行きたいっていう時は行けなかったし、最終戦のもてぎもねぇ、苦労しましたね。うちのクルマはタイヤの温まりも含め、予選はそこそこのパフォーマンスを見せてくれたんだけど、ちょっと苦しかった。
ただ、去年はいろんな冒険もしたし、いい時もあれば悪い時もあるから、それはそれでしょうがない」

金曽裕人さん (apr)
「うちも行きましたけど、確かに鈴鹿のテストは良かったですよね」

河野高男 さん (M7 RE雨宮レーシング)
「そうですね。相当のセット数をテストさせていただいて、びっくりするぐらいタイヤパフォーマンスを含めて上がったので、だいぶ手応えをつかみましたね。だからベストレースというよりも、鈴鹿のテストが一番印象が良くなった感じ。
レース自体は、1戦目の鈴鹿は完勝みたいに見えるし、セパンもぶっちぎりで勝ったように見えるけど、セパンでもうちはトラブってたし、たまたま周りが何かをやってくれたおかげで、もしくは誰かにフタをされていたおかげで差がついたかなっていう感じで、あまり気持ちのいいレースはなかったですね、正直。 苦しんでましたよ、いろいろと。
タイヤのグリップが上がったおかげで、苦労しました。例年にも増してタイヤのグリップが上がってましたね、去年は」
−秋山さんの挙げるベストレースは、やはり優勝した第2戦岡山です。

秋山浩一さん (MOLA)
「まぁ第2戦の岡山ですね。開幕戦も2位でしたが、正直なことを言えば、僕はあまり記憶がないんです。ドタバタしたままの開幕だったので、あまり記憶がないんです。
その前の合同テストの出発前日に、今年(GT300を)やれるということが決まって、クルマもそのまま、テストでも遅れをとっていて、その状況で迎えた開幕戦だったのであまり覚えていないんです。
岡山は、結果優勝というのもあるんですが、他のクルマが結構、2輪交換という作戦が多い中、オーソドックスな形で結果が出せたというのも良かったかなと思いますね。ただ、岡山以外にも、たとえば特別戦も内容は良かったんですが結果的には3号車に負けてるレースばかりだったので、3号車に負けている時点でベストなレースとは言えないですね」

金曽裕人さん (apr)
「カッコイイこと言うね」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「そんなこと言って、1戦目、2戦目が終わった時のうちの気持ちを想像してみてくださいよ(笑)。今でこそいいですけど、ホントに『まいったな』と思ってましたよ」

金曽裕人さん (apr)
「去年はハセミさんのところは、毎戦毎戦(クルマの)形が違ってましたね。ちょこちょこ進化していましたね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「3号車と46号車はピットが比較的近いし、隣同士だったこともあったんですけど、ピットロードで見ていると、いろんなモディファイをしている中でも実は似ている部分があって、『同じことやってるんだな』っていうのが面白かったですね。最終型は同じだったりしますよね」

秋山浩一さん (MOLA)
「ドライバーの話を聞くと、結構クルマは違うみたいですね。ね?」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「みたいですね。データを見ている限り、特別戦が一番近かったんじゃないのかなぁ、クルマとしては」
−お次は、毎年チャンピオン争いに名を連ねている渡邊さん。

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「去年は、完走したレースでは全部表彰台に乗っているんです。後はクラッシュやリタイヤ。
偉そうなことを言うと、多分タイヤで外したことは1回もない。これは自信があります。そのぐらい良かったです。タイヤはホントに良くて、それ以外にチームのミスだったりアクシデントだったり」

金曽裕人さん (apr)
「ミサイルが飛んできたり?」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「それに無理して抜こうとしてペナルティをもらっちゃったり。それ以外はねぇ、おおむね良かった。今までで僕は一番いい年だったと思います」

金曽裕人さん (apr)
「ここ1台だけタイヤ交換せえへんかったよな?最終戦とか」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「そう、去年は結構その部分を念頭に置いやりました。
ベストレースはもてぎ。紫電はパワーや重さの部分でもてぎが苦手だったんですが、今回は良かったですね」


−もてぎでは、3号車と2号車が完全にひとり旅状態だった気がします。

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「もてぎはテストに行ったんですよ。それで、アベレージラップがこれぐらいだというのが分かっていて、加藤(寛規)さん的にはマー(柳田真孝選手)には追いつける距離だった。だからランボルギーニに加藤さんがイライラしてましたね。
3号車がタイヤを換えれば全然上に行けるっていう。加藤さんはそのつもりでいました。それぐらいタイヤが良かったんですね。事前のテストでいろいろやらせていただけたおかげです」


−事前のテストで2号車も3号車も、もてぎを走っていました。
  その時に、お互いに相手には勝てるというようなイメージはあったのでしょうか?


林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「それは全くなかったですよ」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「テストでは、そういうことはないですね」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「相手が何をやってるか分からないですからね。
でも見る限り、うちに勝ち目はないと思っていました。ホントにランボルギーニは速かったですからね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「ただ、もてぎのテストでのタイムは決して速いタイムではなかったですからね。見えないところは多かったですね。
ランボルギーニのテストでのタイムは(1分)55秒台。実際には53秒に入るかどうかっていうところでしたからね」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「我々のところは55秒台すら出ていなかったですからね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「それが本番で54秒台ですからね」

金曽裕人さん (apr)
「あれは、もてぎのテストに行った者勝ちでしたよね」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「結果的にはね」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「もてぎのテストのときに、ある程度セットアップをして2日目の最後にニュータイヤでアタックしたんですけど、意外と上がらなかったんですよね。で、『おや?』っと思ったんですよ。レースの時に皆ものすごく苦しんだ。
僕らはテストの時に、ユーズドの温まったタイヤで走り続けた方が、10周のアベレージがニュータイヤより速かったので、『絶対に換えるのはやめよう』って言ってたんです」

金曽裕人さん (apr)
「そういう考えやったんや」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「とりあえず表彰台というのが目標だったので、そういった意味では全部予定どおり」

金曽裕人さん (apr)
「醤油屋さん(濱口弘選手)がすごいよね」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「醤油屋さん? 豆腐屋さん(加藤寛規選手)じゃなくて?」

金曽裕人さん (apr)
「ああそうか、醤油屋さんと豆腐屋さんやから相性がいいのか!(笑)」
−お次は、3台の車両を走らせたaprの金曽さんの番です。

金曽裕人さん (apr)
「ベストレースはSUGO以外はないですね。ほとんどクラッシュだから。ほんとにクラッシュだらけでしたからね。
SUGOは信太郎が邪魔だっただけで、あれがなければポールじゃん、くらいの話でしたから」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「SUGOはタイヤが良かったですねぇ」

金曽裕人さん (apr)
「良かったねぇ。紫電に付いていけるとは思わなかった。ホントにステキなタイヤでしたよ。あの辺からだいぶADVANタイヤが分かってきましたね。
ウェイトの差もあるんですけど、SUGOではクルマとタイヤが合っていましたね。持ち込みの状況ではあそこまで行けるか疑問でしたけど、ばっちりタイヤがハマって。
あとは、ベストレースでも何でもないですけど、日産勢に絶対勝っていたことがあるんですよ。絶対負けてないのはクルマの派手さ。そこだけは勝っていたかな。林君や秋山さんのところは成績で何とかしようと。うちは、違う意味で、コンテンツとしてお客さんを集めて、ヨコハマタイヤに貢献しようというね。
タイヤについて言えば、装着するタイヤメーカーが異なるマシンを走らせて両方を見ているから、両方の良さがものすごく分かる。ADVANってこのタイミング、とか。ADVANはオールマイティ。ホントに(ポイントを)選ばないですよね」
−最後は、坂東さん。なんだか心持ち、口数が少ないようです。

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「2年前のもてぎですかね・・・あ、去年ですか?(笑)。
去年はですね、11月のテストが非常に良かった。去年はベストレースなしですね」

石黒禎之 (横浜ゴムモータースポーツ部 技術開発1グループ)
「それでも去年は開幕戦・鈴鹿での3位表彰台に上がって、織戸選手は涙腺が潤んでいましたよね」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「いろいろあったからね。予選順位が悪いんで。ホントに去年は、ベストレースなしですね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「でもそんなこと言ったら、坂東ファンが泣いちゃいますよ」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「あ、じゃぁ・・・もてぎのセッション1までの片岡(龍也選手)・・・かな。
もてぎは練習走行も良かったんですけどね。まぁ、スピンしたにもかかわらず表彰台に上がった鈴鹿の開幕戦が、うちのベストレースかな」



【第3回(2011年2月18日掲載予定)につづく】
[UPDATE : 10.Feb.2011]
             
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