Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.102 News Index
  ひとつ前にもどる  
   
 
ご出席いただいたそれぞれのチーム監督&エンジニアの皆さんによる、“2011年のベストレース”についてのトークも大いに盛り上がった今年の座談会。
美味しい料理、そしてお酒もほどよくはいって、皆さんのトークもますますテンポアップ。

次のトークのお題は、こちらも恒例の“ドライバーの通信簿”。GT300を戦ったレーシングドライバーの皆さんも、監督さん&エンジニアさんに自分がどう評価されているのは気になるという声もあり、このコーナーをドキドキしながら見ているとか、いないとか!?

まずは2010年のGT300クラス・チャンピオンドライバーとなった星野一樹選手と柳田真孝選手について、HASEMI MOTOR SPORTSの林 寛幸さんに伺いました。
 
 
林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「ホントに100点をあげたい。特に決勝に関しては2人とも100点ですね。
予選に関しては若干不満の残る時もありましたが、レースではペナルティもなかったし、ドライバーのミスは全くなかった。そのおかげで、クルマはトラブルで1回だけリタイヤしましたけれど、それ以外はドライバーがきっちりといい仕事をしてポイントを獲ってきてくれた。
あとは、途中抜かれたりもしますが最終的に絶対に順位を上げて帰ってきてくれたのは評価につながりましたね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「林さんから見て、一樹(星野一樹選手)とマー(柳田真孝選手)の違いはなんでしょうか?」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「一樹は、今年初めて一緒に仕事をするドライバーだったので、正直良く分からなかったです。
マーの場合は、前にGT300やGT500でも一緒に乗っていて付き合いが長かったので、セットの話をするにしても困ることはなかったですね。2007年のGT500が最後だったんだけれども、それからだいぶ成長したなと思いました。それは多分、NISMOやMOLAやいろいろなところに乗ってスキルが身についてきたのかなと。レース中に周りを見てどういう走りをしたらいいかとか、予選のアプローチにしても、大人になったなという感じはしましたね。
一樹は今年初めてと言いましたが、実は忘れていたんですけれど、2002年のシルビアに、岡山でちょっと乗ったらしいんですよ。僕は全然覚えていなかったんですが、本人から言われてそうだったんだって。
鈴鹿のテストで初めて乗って、そこそこのところにいたんで、ああ、ちゃんと走るんだなっていう印象。その後マーに替わってもどっこいどっこいだったんで、うちとしては力の差があまりないドライバーをそろえることができたなという感じでしたよ」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「SUGOの時のクラッシュのような、ああいう場面はエンジニアとしてはどうなんですか?」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「もう、えらいことをしてくれたなと(笑)。
あのとき、たとえば1アタック目を終えてタイムを出した後に、スーパーラップに残るためにもうちょっと攻めたっていう結果のクラッシュだったらまだ良かったんですけれど、あのときはまだアタックできていない周だったので、そこで失敗してはいかんなぁと思いましたよ。
予選はまず、きちんと1回はタイムを出す。1周しかタイヤの一番おいしいところはないのかもしれないけれど、でも・・・というのはあった」

金曾裕人さん (apr)
「あれ(車両の修復作業)、徹夜だったの?」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「ううん、朝4時ぐらいには終わった」

金曾裕人さん (apr)
「っていうことは、ホテルには戻れたんだ?」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「正直、セパンを狙っていたんですよね。RX-7が速いだろうからきついとは思っていたけれど。セパンが駄目だったと。これはSUGOを勝たなきゃいかんと言うつもりで、せいぜいうちにチャンスがあるのは鈴鹿ぐらいまでだなと思っていたので」

金曾裕人さん (apr)
「そのあたりまでは、MOLAのほうが決勝では上にいなかったっけ?」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「そう、SUGOで初めて一緒ぐらいだった。だって開幕戦、第2戦と2位、1位ですからね。
うちらはそういうのもあって、ホントにSUGOは絶対に勝つんだという気持ちで行っていたので、あれは本当にガックリと来ましたね」
−お次は秋山さん。

秋山浩一さん (MOLA)
「僕も一樹とマーは100点だと思いますね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「それは2009年の話ですから!(笑)」

秋山浩一さん (MOLA)
「ぶっちゃけ本人も言っていましたけれど・・・、翼(阿部翼選手)自身がシーズン始まって、シリーズを争うチームにいるとは思っていなかったと言っていましたね。
マシンはもちろん最終戦までシリーズを争うのも初めてで、そういう面では正直、横溝(直輝選手)の方が上ですね。
ただ、2人ともうちのレースできるという体制を、ドライバーとしての仕事以外の部分でも動いてくれたのは事実で、そういうところまで含めると80点ぐらいですね」

−'09年の2人がハセミに移ってチャンピオン獲得、正直悔しい思いもあるのでは?

秋山浩一さん (MOLA)
「失礼だとは思いますが、あの2人にはうちの後はGT500に乗ってもらいたいとは思っていましたね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「翼を乗せたことのある坂東さんから見て、翼の成長はどうですか?」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「すごいと思いますよ。翼らしいところはあるけれど、いろんなところで成長してきたんだと思う。
だって正直にいえば、翼がチャンピオン争いするっていうイメージが、開幕戦を見たときにはなかったですからね。っていうイメージだったのに、やるなぁっていう」

秋山浩一さん (MOLA)
「横溝がZの経験もあったので、いろいろ教えてくれていたみたいですね」
−金曾さんは、松浦孝亮選手の「成長」をまず指摘。

金曾裕人さん (apr)
「成長はすごかったよ〜、松浦の。毎レース1kgは増えてたもん(笑)。すごい成長率。トヨタフェスティバルじゃベルトが入らなくてびっくりよ。レースの面では80点。何をやってもホントに安定してるから。
宏紀(嵯峨宏紀選手))はもうバラバラ。SUGOみたいにアホみたいに速いときもあるんだけれど、何かしらアクシデントを起こすからちょっと大変だった。
松浦の方が開発面に関しては上。経験もあるしボキャブラリーも豊富だから、楽でしたね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「速い遅い、スピードはある程度必要ですけど、それを言葉にして伝える能力っていうのが開発では一番大事で、それがないとどんなに速くても開発には結びつかないんです。そういうところと開発はやっていきたいなという気持ちは正直なところ、あります」

金曾裕人さん (apr)
「シーズンも終盤には、松浦にすべてセッティングを任せました」

−嵯峨選手からは、それについて意見は出なかったのですか?

金曾裕人さん (apr)
「嵯峨は、何でも乗っちゃう。乗れちゃうというか。器用というか、まだどれが自分の中で一番速いのかとか、自分の好みだとかが固まってないのかもしれない。
だから、シーズン途中から松浦にセットを任せて嵯峨に乗らせる。そういう流れにしたら調子も良くなってきたね。狙ってたタイムに出ないのは、単純に重かったから。アイツは片岡(龍也選手)と一緒であと10kg軽かったらもっとクルマ速いんやろね」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「似ていますねたしかに、シルエットがね(笑)」
−渡邊さんのチームでは、新・アマチュアドライバーの濱口弘選手を起用しました。

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「豆腐屋さん(加藤寛規選手))はおおむね良かったんですけれど、うちはずっとプロアマ構成なので、一般的に求められている以上のものを求めてしまいますね。たとえばアマの分は加藤さんが稼がないといけないし、セットアップもその部分を見越して造らないといけない。戦略的なものもそう。
今年珍しく接触があったのは事実ですが、それは、うまいことクルマの差が拮抗していて簡単に抜けないから。結構そこで無理をしてぶつかるというのがあったので、それがなければ100点だった。あったので90点かなと。
醤油屋さん(濱口選手)は、限りなく100点に近い。初めて参戦して、2戦目で2位。やっぱりちょっと特殊な人ですね。もっと早い段階からレースしてたら、すごかったかもしれない」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「すごい努力家だってね」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「そう、週に4〜5日はフィジカルのトレーニングは欠かさないし、レースの1か月前から、今まで紫電に乗ったドライバーの走行データを全部渡して、車載カメラもしっかり見ているし」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「F4も乗っているんですよね?」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「乗れる時には乗って、スピード感覚を磨いているみたいです。
開幕戦の鈴鹿では乗れなかったので残念だったんだけど、ある意味初めて乗ったレースで2位表彰台。10周以上のレースってやったことがなかったから、セカンドスティントの大変さも知らなかったし、まずレースも2年目だし、それで表彰台に乗ったっていうのはすごいですよ。
自分でも努力しているんだけれど、その上に加藤さんたちみたいなレベルのプロがいるっていうことをちゃんと分かっていて、自分が今できる以上の無理は絶対にしない人。たぶん、本業の仕事でもそうやってきっちりしている人なんだろうなぁって思いますね。相当頭のいい人です。今年も乗ったら相当化けると思います」

林 寛幸さん (HASEMI MOTOR SPORT)
「1年目で結果を出しているっていうのは相当すごいですよ。プロだって抜かれたりぶつかったりするのに」
−河野さんのところは、引き続き谷口信輝選手・折目遼選手のコンビでした。

河野高男 さん(M7 RE雨宮レーシング)
「ドライバーの点数?去年は確か120点ていった気がするけど、今年も変わらず。ドライバー2人はホントによく頑張ってくれた。折目もまだ発展途上だし、やらかすこともあるけど」

金曾裕人さん (apr)
「何かやらかしましたっけ?」

河野高男 さん (M7 RE雨宮レーシング)
「富士でフライングしたな。まぁでも、ホントに点数は去年と同じ。成長度を入れたら、2人とも5点ずつ加点してもいいぐらいですよ」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「折目選手の方からスタートやりたいというリクエストはあったんですか?」

河野高男 さん (M7 RE雨宮レーシング)
「言いますよ、予選をやりたいっていうのも。それはドライバーですからね。どこかで経験はさせなきゃいけないと考えて、今年は富士で1回スタートをやらせたんだけれども(フライングによるペナルティ)、いい勉強になったんじゃないですかね。
たぶんね、スタートがカートの感覚なんですよ。カートとかだと、スタート直後って横のクルマをちょっと抜いていても関係ないんですけれど、多分そういう感覚が残ってて、隣にいたエヴァンゲリオンさんを、全然手前で抜いていましたからね」

金曾裕人さん (apr)
「行ってたねぇ」

河野高男 さん (M7 RE雨宮レーシング)
「それで、最初は『相手がミスった』って言っていましたからね(笑)。でもそれも、今までスタートってやらせたことなかったから、やっぱりひとつ失敗して、学んで成長していく部分であるんじゃないのかなって思いますよ。
次にスタートを担当したらこういうことはやらないと思うし。2度やったら怒りますよ」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「あれ?現場で怒っていませんでしたっけ?(笑)」

河野高男 さん (M7 RE雨宮レーシング)
「現場では、折目が何も気が付いてなかったですからね(笑)。
でもちゃんと、そういうのも含めて成長してるから、何でも経験が大事だし、そうやって引き出しが増えていくだろうしね」
−坂東さんのところも河野さん同様、織戸学選手と片岡龍也選手のドライバーコンビが継続でした。

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「うち・・・、まぁまぁですね。皆さんか気付いているとおりの年齢とパフォーマンスになったんじゃないかなって思いますよ」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「織戸さんって、加藤さんより下だっけ?上だっけ?」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「織戸さんがひとつ下なんじゃないですか?」

渡邊信太郎さん (Cars Tokai Dream28)
「加藤さん、相当歳ですよ」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「このあいだ加藤さんとたまたま話したんですけれど、加藤さんってF3乗っているじゃないですか。谷口(信輝)君にしてもスーパー耐久に乗っていますけれど、うちのドライバーって横しか向いてないじゃないですか。
去年のGTって2日しかなくて、さらにうちみたいに良いドライバーを2人使っている場合、均等に分けるか担当を決めるかで、ひとりのドライバーが乗れる時間が少なくなる場合があるんですよ。富士なんて普通に走るよりドリフトで逆走している方が多いんじゃないかってくらい。そういうところって、わずかな積み重ねがくるはず。
いいタイヤでレーシングスピードでマシンに乗っている時間が少ないっていうのは多かれ少なかれ影響があるんじゃないかなとは思いますね。加藤さんに聞いたら、『俺はF3乗っているから、まだまだ頑張らないといけないし、レーシングスピードに慣れなきゃいけない』って話していて、そこで加藤さんのレーサーとしての意識を感じたというか、だからGT500乗っていたとしても、自分の体力や年齢とともに、そこから一歩努力していかないと、その地位っていうのは守れないと思いましたね」

石黒禎之 (横浜ゴム・モータースポーツ部 技術開発1グループ)
「ハセミの2人もそうですけど、バンドウの2人もGT500経験者で、経験値という意味では武器ですよね?」

坂東正敬 さん (RACING PROJECT BANDOH)
「それはそうですね。でも、今年はホントにコメントできることが少ないんですよ。まぁ、もてぎの片岡は健在だったかな。得意みたいですからね」
[UPDATE : 18.Feb.2011]
             
ひとつ前にもどる