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[vol.1] 全日本ラリー選手権とは? [vol.2] ラリーの全体像を知ろう! [vol.3] 知っておきたい観戦ノウハウ [vol.4] ラリー開催地の観光と食
ラリーの観戦は、サーキットレースの観戦よりも敷居が高いと思われている方もいらっしゃるだろう。確かに観客席や飲食施設、トイレなどが備わる常設のサーキットは、いわばテーマパークを訪れるような感覚で足を運べるのに対して、ラリーは大会によってシチュエーションの幅が広いという違いがあるからだ。

しかし、事前に情報を集め、ちょっとした準備をするだけで、ラリーならではのダイナミックな走りを楽しむことができるし、フレンドリーな選手たちとの触れ合うことも難しいことではない。

この特集の冒頭にも記したように、全日本ラリー選手権も北海道から九州まで全国各地で開催されている身近なモータースポーツであり、なによりクローズドのサーキットコースとは異なり、町そのものが全て競技フィールドなのだから、観戦も思い思いのスタイルで楽しむことができるのだ。
 
全日本ラリー選手権の観戦をしようと思ったら、まずは大会の公式ウェブサイトを確認することが第一歩だ。残念ながら、SUPER GTやスーパー耐久などのように、選手権としてシリーズ全体の公式なウェブサイトは存在していないので、観戦する大会を決めたら個々の主催者が運用しているウェブサイトにアクセスすることが第一歩となる。
なお、選手権の概要やポイント制度、クラス区分などの情報は、ヨコハマタイヤ・モータースポーツサイトの「全日本ラリー選手権・解説ページ」を参照していただきたい。

選手たちの走りを観戦できるのが「ギャラリーステージ」だ。
ラリーは既にご紹介したように「SS(スペシャルステージ)」という、クローズされた林道などを舞台としたタイムアタック区間を1台ずつ走行して速さを競い合うが、その中で観客エリアが設けられたSSをギャラリーステージと呼ぶ。ここは観戦エリアが設けられているが、シチュエーションは林道の一部であったり、特設コースであったり大会によっても異なる。
観戦料金についても大会によってさまざまで、中には無料観戦可というケースもある一方、観戦チケットがサーキットレースのように前売り販売されている場合もあるので、観戦時間を含めて公式サイトで確認しよう。

このほか、サービスパーク観戦も抑えておきたいポイント。スタート前やフィニッシュ後、さらに競技途中のサービス時間では、マシンをメンテナンスする敏腕メカニック諸氏の活躍を間近に見られるし、余裕があれば選手たちも気さくにサインや写真撮影に応じてくれる。
また、サービスパーク周辺では「セレモニアルスタート」や「セレモニアルフィニッシュ」が行われる場合も多く、特にスタートでは声援を送るファンと戦いに向かうクルーがタッチをする光景は、ラリーを象徴するひとコマと言えるだろう。

こうした観戦プランを練る上で、まずは大会公式サイトにアクセスして、「ギャラリーステージの有無、時間、料金」、「全体のスケジュール(アイテナリー)」、「サービスパークやギャラリーステージの場所」、「スタートとフィニッシュの時間と場所」といった項目を確認することが、全日本ラリー選手権を観戦する準備の基本となる。
 
何度も記しているように、ラリーという競技はフィールドがとても広大だ。極端に言えばグランドスタンドに陣取っているだけでレース展開の多くを把握できるサーキットとは異なり、ラリーでは観戦する側も目的を持って動くことが求められる。

しかし、ただ闇雲に動き回っても効率的とは言えない。まず、おのおのが観戦プランを構築するにあたっては、どこに的を絞るか明確にするとよいだろう。
ラリーならではの迫力ある走りを楽しむなら、「ギャラリーステージ」を中心としたスケジュールを組もう。ここで注意すべきは、ギャラリーステージが常時入退場可なのか、入場締切り時間が設定されているか。後者の場合は、競技中を中心とした時間帯は一切の出入りが出来なくなるため、入場締切時間までに余裕をもって現着することが必須となる。

また、特にグラベル(未舗装路)ラリーで、競技車両が走行するステージを観客も車で移動しなければならない設定の場合は、車高が低かったりエアロパーツを装着している車で行くのは避けたいところ。競技車両が走行した後のステージは、ワダチが深く掘れていることがほとんどだ。

なお、観客席などが設けられいるわけではないので、周囲の他の観客の視界を奪うような帽子や傘、過度な応援グッズは避けたい。写真やビデオ撮影についても三脚の使用は慎み、許可されたエリアからは絶対に出ず、係員の指示に従うのが鉄則だ。
サービスパークでは、なんといってもメカニック陣の奮闘を間近にできるのがポイント。競技が始まると、セクションの間で設けられているサービスタイムで、限られた時間の中で手際よくメンテナンスを進めたり、トラブル箇所の修復を行う姿を観ることができる。
また、選手たちもサービス時間を利用して、ひとときの休憩や食事を済ませる。この時に、余裕があればサインをもらったり写真撮影をすることも可能だ。

ただし、サービスパークも競技会場の一部であることを忘れてはならない。入場無料のケースが多いが、車両も行き交っているので特に子供連れの観戦では注意が必要。また、みだりにチームのサービスエリアやテント内に入らないようにし、サインなどを求める際も一言必ず声をかけて断ってからにしよう。
SS間などの移動区間であるリエゾンは、既に解説したように競技車両が一般車両と一緒に交通法規に従って一般公道を移動する。ゆえにスピード感という点ではギャラリーステージ観戦に遠く及ばないものの、このリエゾンこそがラリー観戦の醍醐味であるという見方もできるのだ。

リエゾンは、景色の良い場所や、観光名所などの前を通る場合もあり、こうした場所は競技開催地の土地柄も表す絶好の撮影ポイントとなる。また、自宅の前がリエゾンルートに指定されていたなら、わざわざこちらから足を運ばずとも、競技車両の方からやってきてくれるのだから、申し分ない観戦ロケーションになるだろう。

なお、写真などを撮影する場合は、あくまでも一般公道であることに配慮しよう。無用なトラブルを避けるために闇雲に走ってくる車にカメラを向けるようなことはせず、通行の邪魔にならない場所からお目当てのマシンを狙ってみよう。
近年の全日本ラリー選手権では、多くの大会でセレモニアルスタートやセレモニアルフィニッシュが催されるようになった。前者は金曜日の夕方などに行われることが多く、大会名称を記したアーチを1台ずつ競技車両が通っていくもの。各車のクルーが紹介され、上位選手は車から降りて戦いへの意気込みなどを語ることも多い。

後者は未だに行われない大会もあるのが残念だが、サーキットレースのフィニッシュ後に行われる暫定表彰式と同じ位置づけ。上位入賞選手によるシャンパンファイトや記念撮影が行われ、選手たちの喜びの表情を間近にできる。

このほか、いくつかの大会で設定されるようになったのがラリーパーク。リエゾンを移動しているマシンが一時的に立ち寄って、簡単な選手紹介などが行われるものだ。サインなどをもらうことは出来ないが、間近で写真を撮影する絶好のチャンス。近隣の方々が多く足を運び、和気あいあいとした雰囲気に包まれていることが多い。
 
ラリーマシンの迫力ある走りを楽しめるギャラリーステージ。その形態はさまざまあるが、一般的な林道ステージの場合は、特に事前の準備や必携の持ち物があるので、紹介しておこう。

前述の通り、ギャラリー入場締切り時刻が設定されている場合は、時間に遅れないことが大原則。ラリーという競技は時間管理が厳密に行われているので、競技運営に支障が無いようにギャラリー一人一人も注意を払いたい。
その上で、ギャラリーステージに向かう前には必ずトイレに立ち寄ることをおすすめする。道の駅のような施設でも、買い物をかねてコンビニエンスストアでも、とにかくギャラリーステージの状況によっては簡易的なトイレが少数用意されている程度ということも珍しくないので、特に女性や子供は要注意だ。

さて、持ち物だが効率的に必要最小限のものを用意したい。なぜなら、ギャラリーステージでは駐車場から観戦エリアまで歩くことも多いので、あまりに多くの荷物は負担になってしまうからだ。

持ち物としては公式プログラムは必須。ギャラリー受付で配布されたり、別途販売されている大会もあるが、いずれにしても出場している選手やマシンのプロフィールなどを確認するために、なくてはならないアイテムだ。さらに山中のステージでは1時間以上“カンヅメ”になることもあるので、適量の飲料水と食べ物もあると良いだろう。
山中ということで虫よけもあると便利。スプレー式で腕などに吹きつけるタイプのほか、電池式の虫よけ器具も効果的だ。

服装は、基本的に長袖・長ズボンがおすすめ。虫刺され防止に加え、観戦エリアは草木が生い茂っている場合もあるので、あまり肌を露出しないようにするのが良いだろう。靴は林道を歩く可能性もあるので、履き慣れたスニーカーなどがベスト。
また、雨対策としてカッパも持参していると安心だ。なお、日除けのためを含めて傘の使用は厳禁。周囲の観客の視界を奪うだけでなく、風などにあおられて競技コースに飛んで行くと思わぬ事故の原因になってしまう可能性もあるからだ。なお、日射病対策などとして帽子の着用はお薦めするが、大きなツバのついた麦わら帽子や、キャラクターなどのかたちをした大きな帽子は、限られた観戦エリアでは他の観客にとって邪魔になることがほとんどなので、これらはマナーとして避けるのが当たり前だろう。

なお、林道では携帯電話が圏外のところもあるが、もしエリア内であれば、全日本ラリー選手権では多くの大会で配信されているステージ速報をチェックしよう。速報サイトの設定がある場合、アドレスは各大会の公式サイトやプログラムなどに掲載されているが、各ステージ毎のタイムと、ステージ終了後の途中経過をいち早くチェックすることができる。
また、「RallyStream」というサイトでは、GPS情報を用いて特定のマシンの現在地を示したり、車載カメラの映像をライブ配信するといった、ハイテクを駆使したサービスを提供している。
【次回(9月14日掲載予定)は、全日本ラリー開催地の観光と食をご紹介!】
[UPDATE : 31.Aug.2012]
             
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