Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.58 News Index
ひとつ前に戻る

WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)、2008年シーズンは日本を含めた世界12箇所の会場を舞台に1大会2レース、年間合計24戦で競われます。
CS放送「GAORA」で解説を務めるレーシングドライバー・木下隆之さんと、実況を担当するピエール北川さんがWTCCについて語る対談企画の第2回。
対談が行われた6月中旬の時点で2008年シリーズは第10戦までを終えていますが、今季これまでを振り返っての印象などについて語っていただきました。
>> 2008年のWTCCについてはこちらから (日程・レポート・結果表・カテゴリー紹介)
関連コンテンツ : WTCCタイヤ開発エンジニアインタビュー
WTCCタイヤ開発エンジニアインタビュー

TALK WITH WTCC
この対談が行われた6月中旬の時点では2008年のシリーズは第8戦のポー(フランス)までを終えていたが、シーズン序盤の戦いを振り返ってお二人に2008年のWTCCを分析していただいた。
 
ピエール北川さん :
昨年までは圧倒的に強かったBMWが、今年は少しばかり精彩を欠いている感じがしますよね。これは意外な展開になっていると言えるでしょう。
 
木下隆之さん :
開幕戦からセアトのディーゼル車が強さを発揮したけれど、これはある程度予想通り。ディーゼルエンジンは既にモータースポーツの世界でもポテンシャルを見せられるものになっているし、環境問題に関心の高いヨーロッパにおいてはディーゼルが注目を集めているのでモータースポーツで活躍することも想像出来ることだよね。
 
ピエール北川さん :
シボレーはスペイン、BMWはフランスで優勝を飾りましたが・・・。
 
木下隆之さん :
これはあくまでも個人的な想像なんだけれど、BMWはディーゼルエンジンを投入するタイミングを図っているんじゃないかな。元々、ディーゼルエンジンの歴史も長いBMWは、ヨーロッパではスポーツディーゼルの先駆者として認知されている。
気になるのは圧勝を続けたセアトに対して、BMWがそんなに声高に「性能調整をしろ」というようなことを言っていないような気がする。これって、ひょっとすると近い将来、自分たちもディーゼルを投入するつもりがあるから、その時に自分たちの首を締めるようなことにならないようにという計算があるんじゃないのかな?
 
ピエール北川さん :
木下さん、深い"読み"ですね〜。
でも、僕もその点では同じで、BMWがいつディーゼルを投入するのかが気になっています。
例えば後半戦で満を持して登場させて連勝、最後はチャンピオンを奪い取っていく、なんていうシナリオを描いていたりするのかも。
BMWのディーゼルが優秀だということは既にヨーロッパでは周知の事実ですから、アジアに的を絞ってBMWのディーゼルパワーを見せつけようとしているかもしれませんよね。
 
木下隆之さん :
エコロジーに対して意識の高いヨーロッパ、中でも最も環境問題を重視しているのがドイツ。そのドイツのBMWが環境性能に優れるディーゼルエンジンについて、スペインのメーカーであるセアトが活躍しているのを黙って横目で見ているだけというのが、どうも違和感なんだよね。
BMWにすると自分たちのディーゼル投入時期を見定めるために、今はセアトを"泳がせている"のかも!?

 
昨シーズン中盤にデビュー、今年は開幕から連勝を重ねたセアトのディーゼルターボエンジン。日本ではまだまだモータースポーツの世界とディーゼルエンジンは縁が薄いが、ヨーロッパでは着々と実績を重ねている。
WTCCに日本で最も詳しいお二人らしく、ディーゼルエンジンの話題を中心に鋭い分析と"読み"を語っていただけたが、続いてはお二人が注目するメーカーやドライバーについての話へと移っていく。
 
ピエール北川さん :
今年はNテクノロジーからアコードが参戦してきたこともあって、僕はホンダにとても注目しています。まだデビュー間もないので軌道に乗り切れていない感じもありますが、チームもドライバーも実力は定評があるので、シリーズ中盤から後半で期待できると思います。
 
木下隆之さん :
N.テクノロジーのジェームス・トンプソン選手は面白いドライバーだね。一匹狼的なところがあって、ちょっと不遇な感じもして。速さは間違いなくあるんだけれど、トップクラスのワークスチームでシートを獲るには至っていない。
あと、自分が気になっているのは「BMWの若手ナンバー2は誰なのか?」ということ。ナンバー1はアウグスト・ファルファスで文句無いと思うけれど、その次のポジションに誰が名を連ねるのか気になるね。
 
ピエール北川さん :
BMWの牙城を崩しにかかっているセアトも注目度が今年一気に高まりましたね。一時期は"台数で勝負!"みたいな戦い方をしたこともありましたが、今はドライバーを育て、選別してきちんと勝ちにきています。
 
木下隆之さん :
セアトはチームプレーが上手。チームプレーといっても決して陰湿なものじゃない。
ちょっと"オッサン話"になるけど、昔流行った"ローラーゲーム"みたいな感じ。覚えてるかな、東京ボンバーズ。我ながら古い?
みんなで力を合わせて手をつないで、そのうちの一人を「ほら、行け〜!」って送り出すの。強敵に向かって自分たちの代表選手を力を合わせて送り出してやって「お前がやっつけてこいっ!」ってね。
 
ピエール北川さん :
セアトといえば、ヨーロッパラウンドでは地元のセアトワンメイクレースで好成績をおさめた選手にシートを与えて、WTCCへのスポット参戦機会を与えるというスカラシップ的な育成も展開していますね。
 
木下隆之さん :
日本でもそういう取り組みは必要だろうね。
例えばADVANを履いて排気量2リッターのセダンでシーズン全勝したらWTCCに乗せてもらえるとか・・・。
 
ピエール北川さん :
木下さんが乗っているのは(注 : スーパー耐久のランサーエボリューション)ターボ付きで、しかも4WDじゃないですか(笑)。

 
日本で最もWTCCを知るお二人ならではの内容となった対談の第2回。
さらにトークは盛り上がり、WTCCの激しいバトルを支えるタイヤの話題がこのあと採り上げられていきます。
ひとつ前に戻る